Sir James Dingemans、Sir Peter Fraser および Lex Mpatiの三名により構成される独立委員会は、以下の問題点を検証する目的により招集されました。

・3月18日に行われたベルギー代表対スペイン代表戦の試合結果について: ラグビーヨーロッパによるマッチオフィシャルチームの任命にかかわるプロセスおよび認識に関して(ラグビーワールドカップ)予選という背景に配慮した中立性が欠けており、(たとえ実際はそうではなかったとしても)明白に偏っていたのではないか、との疑念を引き起こしたこと。

・2017年および2018年のラグビーヨーロッパチャンピオンシップにおいて、参加協会によるワールドラグビーの競技に関する規定第8条(出場資格)への違反行為が発生していたか、との疑念。

 ベルギー代表対スペイン代表戦の試合結果については、ワールドラグビー、ラグビーヨーロッパ、スペイン代表およびベルギー代表からの提出物を含むあらゆる証拠を検討した上で、独立委員会としては、試合結果を無効とすべきとのワールドラグビーおよびスペイン代表からの要請を却下し、再試合を行うべきではないとの決定を下しました。

 プレーヤーの出場資格に関わる事項については、ワールドラグビー、ラグビーヨーロッパ、ベルギ代表ー、ルーマニア代表、スペイン代表およびロシア代表からの声明文および提出物を含む証拠の全面的な検証に続き、独立委員会として以下の調査結果を発表することとなりました。

・ベルギー代表: 2017年および2018年のラグビーヨーロッパチャンピオンシップにおいて7回にわたり無資格のプレーヤー1名もしくはそれ以上を出場させていた(うち6試合がラグビーワールドカップ2019予選にかかわるもの)

・ルーマニア代表: 2017年および2018年のラグビーヨーロッパチャンピオンシップにおいて8回にわたり無資格のプレーヤー1名を出場させていた(うち6試合がラグビーワールドカップ2019予選にかかわるもの)

・スペイン代表: 2017年および2018年のラグビーヨーロッパチャンピオンシップにおいて9回にわたり無資格のプレーヤー1名もしくはそれ以上を出場させていた(うち8試合がラグビーワールドカップ2019予選にかかわるもの)

 制裁措置に関しては、競技に関する規定第18条の定めに従い、独立委員会として以下の決定を下すこととなりました

・協会が無資格のプレーヤーを出場させた一試合につき5ポイントの減点(スペイン代表については40ポイント、ベルギー代表とルーマニア代表はそれぞれ30ポイントの減点)を科すものとします;よって、ラグビーワールドカップ2019予選を兼ねたラグビーヨーロッパチャンピオンシップの結果表が修正されることとなり、ロシア代表がルーマニア代表に代わるヨーロッパ地区の1位通過チームとしてプールAに参加する一方、ドイツ代表がスペイン代表に代わってヨーロッパ地区のプレーオフへと進み、ポルトガル代表との試合に挑むこととなります。

・ワールドラグビーの競技に関する規定第8条の定めにより、違反行為への強制的罰金としてワールドラグビー理事会の代表資格を持たない協会に対しては無資格のプレーヤー1名につき25,000英ポンド、同理事会の代表資格を持つ協会に対しては無資格のプレーヤー1名につき100,000英ポンド をそれぞれ科すものとします。よって、5年間の猶予期間内にいかなる違反行為も発生しないことを条件として以下の制裁金が適用されるものとします。

 ― ベルギー代表:125,000英ポンド(ワールドラグビー理事会の代表資格を持たない協会、無資格のプレーヤー1名につき25,000英ポンド×5名分)

 ― ルーマニア代表:100,000英ポンド(ワールドラグビー理事会の代表資格を持つ協会、無資格のプレーヤー1名につき100,000英ポンド×1名分)

 ― スペイン代表:50,000英ポンド(ワールドラグビー理事会の代表資格を持たない協会、無資格のプレーヤー1名につき25,000英ポンド×2名分)

 紛争委員会としては、今回ラグビーヨーロッパならびに参加協会がミスを犯したものの、悪意による行動ではなかったと判断し、ワールドラグビーに対しても、競技に関する規定第8条、さらに今回のような状況の再発防止に向けたあらゆる措置の重要性と不可侵性をあらためて強調するよう推奨しました。その理由は、ピッチを離れた場で予選結果が決まってしまう危険を回避するためにも、あらゆる措置を講じていくことが望ましい、というものでした。

今回の決定内容の全文(英文のみ)>>>

 尚、すべての当事者は、今回の決定内容の全文を受領後14日間以内に上訴する権利を有するものとします。