・選手は10分を完全に経過するまで戻ってはならない。

・選手の福祉を心底考えての改定

・最新データはエリートレベルでのHIAプロセスは引き続き成功を提示

 

ワールドラグビーは、選手が頭部損傷評価(HIA)をフィールド外で受けるために、実測で10分を経過するまで試合に戻ることを禁じる規則改定を承認しました。

改定は8月26日より世界中で適用となり、エリートレベルでの成年の競技会*での全参加者に適応されます。これにより、最低必要時間の明記がなかった改定前の時間条項は書換えになります。

最新のデータによれば、チームドクターまたは独立したドクターによる検査のための平均所要時間は若干7分とされています。一時退出の時間を特定することで、落ち着いた臨床環境を設けることを奨励し、平均時間以下であたふたとリスクを負った検診をすることがなくなります。また、今回の変更は試合マネジメントの手助けにもなります。

時間内に3ステップを擁するHIAプロセスは、選手保護とエリートレベルの競技でのカルチャーの変更という点で、引き続き重要な役割を担っています。

現在、22大会で厳しい実施協定の下で運用されており、教育、技術、医療マネジメントによって支えられている根拠に基づいたプロセスは、識別の精度向上だけでなく、脳震盪の場合やその疑いがある場合に選手を試合から外す原動力になっています。

・2012年のHIA導入以前は、脳震盪になった選手の44%が正確な識別によって試合から完全に外れました。

・2013-14年のエリートレベルの8大会で脳震盪になった87%の選手が、正確な識別を受けて試合から完全に外れました。

・2015年ラグビーワールドカップではビデオテクノロジーが導入され、脳震盪になった選手の95.5パーセントが正確に識別されて、試合から完全に外れました。

・現在では、エリートレベルの22大会で、脳震盪になった92%の選手が正確に識別されて試合から完全に外れました。

[出典:Peer reviewed independent および World Rugby injury surveillance data]

 

加えて、HIAプロセスは、フィールド外での検診ツールとHIA 1の結果の改善のため、これら22の大会でリサーチが続行されます。

ワールドラグビーのBill Beaumont会長は次のように話しています。

「選手の福祉は、意思決定のあらゆるレベルで今後も我々の優先事項であり、HIAプロセスがエリートレベルでプレーする選手たちのケアに圧倒的にポジティブな影響を与えていることは間違いありません。

「HIA 1プロセスの一環としてフィールド外検診が必要とされる選手へのマネジメントを根拠に基づいて強化することは、選手や医療チーム、ゲーム全体にとってポジティブな動きあり、我々の加盟各協会のフルサポートを得ています。我々は引き続きコミュニティレベルでの教育に焦点を当てて、頭部損傷について『認知して取り除く』という単純ながらも重要なメッセージを発信していきます。」

ワールドラグビーのチーフ・メディカル・オフィサーであるDr. Martin Rafteryは、次のように述べています。

「HIAプロセスは、カルチャーの変更とデータによってまとめられた最良の運用を促進する点で主要な役割を果たしています。しかしながら、我々は根拠に基づいた改善を得るために努力を続け、HIAフィールド外検診を最大10分間から最低10分間に固定することで、完全かつ落ち着いた確認作業を促進することができると考えています。」

 

* 例外:今週末に開幕するラグビー・チャンピオンシップ2017大会では、世界的導入に先だって本改定を適用するものとする。