1991年大会、地元イングランドは強力なFW陣とSOロブ・アンドリューの頭脳的なキックに支えられ勝ち進んだ。しかし、決勝では一転してランニングラグビーに戦術を変更。果敢な攻撃を試みたが、オーストラリアの防御を破ることができなかった。逆にワラビーズはトニー・デイリーのトライなどで前半に9-0とリード。後半も準決勝までの戦術に切り替えたイングランドに反撃を許さず12-6で勝ち、初優勝を果たした。
ティム・ホラン(オーストラリア)
「全ての準備をして決勝に臨んだ。試合中に何か問題を抱えても、修正する方法を知っていた。選択肢を用意していた」
ロブ・アンドルー(イングランド)
「理由は分からないが、オーストリアの心理戦にだまされてしまった。ボブ・ドワイヤー監督に『イングランドが優勝するのはラグビーにとっての悲劇だ。つまらないラグビーをするイングランドは(水準を)20年前に戻ってしまう』と言われたことも影響した。私たちは戦術を変えたが、それは間違いだった。ウィル(・カーリング)と私は長年、戦術を変えたことに別の意見を持っている」
ウィル・カーリング(イングランド)
「ラグビーをプレーしたことがある人間なら、バックスが戦術を変えると言ってもFWが賛成しなければできないことを知っている。私たちはキック中心の慎重なラグビーをしたくなかった。パス中心のラグビーをしたかった」
デービッド・キャンピージ(オーストラリア)
「戦術のスタイルは一夜では変えられない。元々用意していたか、どうかだ」
ロブ・アンドルー(イングランド)
「私たちはオーストラリアを苦しめることができた。何度も突破したし、(トライまで)パスあと一つのところまでいっていた」
ティム・ホラン(オーストラリア)
「イングランドがキック中心のプレーに戻した理由は分からないが、私たちとしてはそちちの方が対処しやすかった。あのまま攻撃的なラグビーを続けられていたら、勝つのは難しかった」
ウィル・カーリング(イングランド)
「オーストラリアには1回しかチャンスはなかった。ラインアウトからのトリックプレーに気付いていなくて、うまくやられた。抜け目なかった。私たちには多くのチャンスがあったが、正確性の差が出た」
ロブ・アンドルー(イングランド)
「またプレーできるなら、もう一度あの試合をやってみたい。イングランドのメンバーは全員そう思っているはずだ」
ウィル・カーリング(イングランド)
「何よりもW杯に勝ちたかった。しかし、正直なところオーストラリアの方が上だった」
ニック・ファージョーンズ(オーストラリア)
「人々は試合内容を忘れても、オーストラリアが勝ったことは覚えている。もしあの日勝っていなかったら、後悔したまま墓地に入ることになっただろう」
RNS sw/mn/fs