ケニアの首都で行われた決勝の舞台で、U20チャンピオンシップ出場権獲得したいスペインとウルグアイが熱戦を披露。両チーム合わせて10トライが生まれる展開になったが、頂点に立ったのはスペインだった。

 大会のプール初戦で香港チャイナに53-0、ケニアに48-18と圧勝したスペインは、プール最終戦でもサモアに28-10と3連勝でプールA1位となって決勝へ駒を進めた。

一方のウルグアイは初戦でアメリカとの接戦を33-31で制し、第2戦ではジンバブウェに51-14と大勝。第3戦でスコットランドを37-26で破ってプールB1位で決勝に進出していた。

決勝ではスペインは試合開始早々、SH Pablo Perez Meronoがイエローカードを受けてシンビンになる波乱のスタート。数的優位のウルグアイが即座に反応して、直後のJuan Carlos CanessaのPGでの得点を皮切りに開始4分でFrancisco Deffeminis、12分にはJuan Gonzalezがトライを決めるなどで15-0とリードを奪った。

だがそこからスペインが反撃。前半17分のBorja Ibanez Escaleraのトライを皮切りに、22分にはCristianMoreno Fernandez、40分にはEscaleraが自身2本目のトライをマーク。キッカーのBeau Finnian Peartは2本のコンバージョンと、31分にはPGも決めて17-15とチームの逆転に貢献し、スペインが前半を24-15リードで折り返した。

 後半早々、ウルグアイはCanessaがトライとコンバージョンで4点差に迫ったが、55分にスペインがGabriel RocariesのトライとPeartのコンバージョンで突き放した。

その3分後、ウルグアイがMartin Civettaがトライを決めて、Canessaが2点を加えて追いかけたが、スペインがPGで3点を加えて点差を広げた。

ウルグアイが再び追いすがり、67分にPedro Hoblogのトライで2点差にまで詰めた。だがコンバージョンは成功せず、同点の機会を逃した。

するとスペインが75分にDiego Gonzalez Blancoがインゴールで押さえて39-32とし、このリードを最後まで守り切って勝利した。

 この結果、スペインは来年のU20チャンピオンシップへ出場。入れ替わりに、U20チャンピオンシップで最下位となった日本が来年のU20トロフィーに参戦。再び20歳以下最高峰の戦いへの出場権獲得を目指す。

 スペインのAlvara Garcia Alboキャプテンは、「すごくタイトな試合だったが、シンビンの後、いい時間帯でなんとか立て直すことができた」と振り返り、「U20欧州選手権で集まった時からチームとスタッフが続けてきたハードワークを思うと、誇りと満足感でいっぱいだ。資格のある選手たちには、これで来年のU20チャンピオンシップという新たな目標ができた」と喜んだ。

 「チームのほとんどの選手はもうU20での資格はなくなるので、1月からハードワークしてきた長い活動もこれが最後になる。最高に感慨深い試合になった」と話した。

 スペインのRaul Perezヘッドコーチは、「試合の立ち上がりで15失点を許したが、選手たちは落ち着いて巻き返すことができた。それを見ても、彼らは勝者にふさわしい」と選手たちを評価。「U20欧州選手権でU20トロフィー予選を戦いで始まったが、ここまでの道のりで選手たちは成長した。それは、勝利以上に本当にとてもうれしいことだ」と語った。

 

ウルグアイ主将、「来年強くなって戻って来る」

 敗れたウルグアイのGuillermo Storaceヘッドコーチは、「選手たちは持てるものすべて出し切ってくれて、誇りに思う。スペインが我々より良い試合をしたということだ。彼らを祝福したい。我々の選手には、こういう大会で戦うことはとても良い経験になるし、選手たちは成長していて、多くの選手は数年もすればトップでプレーしているだろう」と述べた。

ウルグアイのAlvaro Garcia Alboキャプテンは、「スペインは厳しい相手だった。ハードな試合になったが、それほど大きな差はなかったと思う。敗れたが、チームの一体感など大切なことをたくさん学んだ。来年はもっと強くなって戻って来る」と決意を口にした。

 U20トロフィー2023は7月15日から25日まで8チームが4チームずつ2グループに分かれてプール戦を実施。最終日の30日に順位決定戦を行い、各プール1位チームが決勝に進み、2位チーム同士が3位決定戦、3位同士が5位決定戦、4位が7位決定戦に臨んだ。

 優勝のスペイン、準優勝のウルグアイに続き、大会3位はサモアに83-10で勝利したスコットランド。初出場のMonroe Jobがハットトリック、HOのCallum NorrieとPRのCorey Taltが2トライずつをマークするなど12トライの猛攻での圧勝だった。

スコットランドはジンバブウェに64-33、アメリカに40-13と2勝を挙げて臨んだプール最終戦でウルグアイに26-37で敗れてA組2位で、サモアもケニアに34-25、香港チャイナに30-27の後、スペインに10-28で敗れてB組2位になっていた。

 5位決定戦ではジンバブウェが開催国ケニアに64-10で勝利。7位決定戦ではアメリカが香港チャイナを47-22で下した。