コロナ禍による中断を経て3年ぶりに開催される大会には「次」の代表チームを担う若手が集結。マヌマ・サモア、フィジー・ウォリアーズ、トンガA代表、そしてジュニア・ジャパンが一回戦総当たりで優勝を競う。

中断前最後の2020年大会に優勝した日本は、今回は6~7月に控える南アフリカでのワールドラグビーU20チャンピオンシップを睨んでU20年代でチームを編成。コロナ禍で海外遠征の機会がなかった年代の選手たちにとっては初の国際大会となる。

サモアの首都アピアで、日本は5月3日にフィジー・ウォリアーズ、8日にトンガA代表、13日にホスト国のマヌマ・サモアと対戦するが、日本の選手たちは太平洋諸島の強豪との対戦に胸を躍らせている。

チームの主将に任命されたSO大町佳生選手(帝京大学)は、「(日本代表の)桜のジャージを着て戦うので、プレッシャーも責任も感じるが、この素晴らしいメンバーで臨むことにワクワクしている」と言う。

「僕らの代は海外遠征を経験していない。現地に行ってみないと分からないことが多いと思うが、今回の遠征で学ぶことはたくさんあると思う」というジュニア・ジャパンのキャプテンだが、経験だけで終わらせるつもりはない。

「僕らは勝つことに一番こだわっている。そのためにできる準備を進めているし、プレーの精度を高めたい」と意気込む。

対戦するフィジー、トンガ、サモアの3チームについて大町選手は、「フィジカルもスピードもある、速い展開になると思う。僕らはチャレンジャーの立場。劣勢になる時もあると思うが、そこでどれだけチームを鼓舞できるか。メンタル面でもコントロールできるようにチャレンジしたい」と語る。

 

レイドロー選手らの特別指導も

チームは2月からのセレクション合宿を含めて3月、4月と合宿を実施。限られた時間での活動ながら大町キャプテンは、「選手全員が高い質のプレーをしないとならないが、みんな同じようなスタンダードできた」と一定の手ごたえを覚えている様子だ。

サモア出発直前の4月26日からの国内合宿では、2日目の練習に元日本代表のLOルーク・トンプソン選手やFL金正奎選手、先日、今季限りでの現役引退を発表した元スコットランド代表SHクレイグ・レイドロー選手らが部分参加。フィールドで若い選手たちにそれぞれのポジションに応じて動き方を指導する場面もあった。

レイドロー選手から直接指導を受けたSH川久保瑛斗選手(東海大学)は、体の使い方などのアドバイスをもらったと明かし、「パスを見ただけで僕の悪い癖を指摘してもらった。教えてもらえて本当に貴重な経験になる」と言い、大会へ向けて自信につながると語る。

パシフィック・チャレンジでの強豪との対戦には、川久保選手は「相手は僕らよりも2~3回りは大きい。ディフェンスが鍵になる」と言い、「自分の強みのコミュニケーションとラックサイドの動きを活かして、相手の間をついて味方を動かしたい」とプレーのイメージを膨らませている。

チームを率いるロブ・ペニーヘッドコーチは、「試合結果の部分は自分たちがコントロールできないところだが、この2週間ほどの間に選手たちの成長は期待できる。コロナ禍で遠征がなかった世代だけに、競技だけでなく、異なる文化に触れることでも若い選手たちには良い経験になるはずだ」と述べている。

 

 

ジュニア・ジャパン

第1戦フィジー・ウォリアーズ戦 試合登録メンバー:

1西野帆平       (明治大学)

2長島幸汰       (同志社大学)

3島本 京          (近畿大学)

4佐々木柚樹    (大東文化大学)

5田島貫太郎    (明治大学)

6小林典大       (関西学院大学)

7薄田周希       (東海大学)

8最上太尊       (明治大学)

9土永 旭          (京都産業大学)

10大町佳生*    (帝京大学)

11武藤航生     (関西学院大学)

12野中健吾     (早稲田大学)

13平 翔太        (明治大学)

14御池蓮二     (立命館大学)

15楢本幹志朗  (筑波大学)

16大本峻士     (立命館大学)

17弓部智希     (近畿大学)

18原口慎太郎  (東海大学)

19能勢涼太郎  (近畿大学)

20林 慶音        (同志社大学)

21川久保瑛斗  (東海大学)

22生田弦己     (帝京大学)

23今野椋平     (慶應義塾大学)

注:* はキャプテン