セブンズチャレンジャーシリーズ初年度となった2020年、男子セブンズ日本代表が勝者となってコアチーム復帰を掴んだ大会に、今回は女子セブンズ日本代表が2017-2018シリーズ以来となる世界強豪との舞台復帰に挑む。

 当初は男子と同じ2020年に南アフリカのステレンボッシュで女子も第1回大会が予定されていたが、新型コロナウィルス感染症の世界的流行が始まり、開催が見送られた。そのため、今大会が女子にとっては初のチャレンジャーシリーズとなる。

 8月12日に開幕する3日間の大会では男女競技が並行して行われる。ワールドラグビー加盟の全6地域から男女とも12チームが4チームずつ3つのプールに分かれて戦い、各プール上位2チームと3位の中で成績上位2チームが準々決勝へ進出する。準決勝、決勝を経て大会を制したチームのみが、来季のワールドラグビーセブンズシリーズ2023への出場資格を手にできる。来季2023シーズンは男子が11月4-6日に香港で、女子は12月2-3日にドバイで開幕する予定だ。

 今回のチャレンジャーシリーズで、女子セブンズ日本代表はプールFで13日にメキシコ、コロンビア、カザフスタンと対戦する。プールDではホスト国のチリをはじめ、中国、ケニア、南アフリカが競い、プールEではポーランド、ベルギー、アルゼンチン、パプア・ニューギニアと戦う。プールを突破すれば14日のノックアウトステージに進む。

 サクラセブンズは今年のワールドシリーズのラングフォード大会にゲスト参戦したが、同様にポーランド、ベルギーはマラガ&セビージャ大会に参戦し、ポーランドは8強入りした実績を持つ。

9月9-11日のラグビーワールドカップセブンズ・南アフリカ2022に開催国として出場する南アフリカも、5月のトゥールーズでの大会に参戦した。また、ポーランド、コロンビア、中国は日本と同様に予選を突破して9月のケープタウンでのワールドカップへの出場も決めている。

 

日本のポンテンシャルをどう出すか

 2017-2018シーズン以来のコアチーム復帰を目指す女子セブンズ日本代表は、メンバー13人が猛暑の日本を8月4日に出発し、長時間のフライトを経て5日にチリに到着。それ以降、大会が行われるサンティアゴで調整を続けてきた。

 チームを率いる鈴木貴士ヘッドコーチは、女子セブンズ日本代表の強化に、チャレンジャーシリーズは重要な意味を持つと指摘。「オリンピックとワールドカップで結果を残すためにも、ワールドシリーズのコアチームとして世界の強豪と戦い、経験を積んでいくことが必要。昇格を目指す」と語る。

キャプテンの平野優芽選手も、「チャレンジャーシリーズでワールドシリーズに昇格することがワールドカップにもパリ五輪にもつながる」と位置づけ、チームでは「1つのミスが命取りになる」という認識のもとにプレーの精度や勝者のマインドセットを意識して準備を進めてきたと話した。

チームは、平野選手とともに2019年ユニバーシアードで優勝した永田花菜選手と原わか花選手を擁し、怪我で昨夏の東京オリンピックを直前に逃した大竹風美子選手が復帰している。また、最年長の中村知春選手はプレーイングコーチとしての役割も加わっての出場となる。

女子セブンズ日本代表は東京オリンピックでは芳しい結果を出せずに12位で終わったが、その4カ月後には新たに鈴木コーチの下でアジアラグビーシリーズを制してラグビーワールドカップセブンズ2022の出場権を獲得。今年1月からは、2016年リオデジャネイロ・オリンピックで英国男子代表を銀メダル獲得に導いたサイモン・エイモーをテクニカルディレクターに招聘するなど、強化を進めてきた。

日本は前回昇格に挑戦した2019年4月には、準決勝で敗れて昇格を逃した。その悔しさを知る中村選手は、「チャレンジャーシリーズはオリンピック以上にプレッシャーがかかるが、個々の能力では日本は必ず突破できるポテンシャルを持っている。そこをどう出すか。予期しないことへの対応をしていなかいとならない」と話して気を引き締めている。

 

女子セブンズ日本代表遠征メンバー

大黒田裕芽(東京山九フェニックス)

大竹風美子(東京山九フェニックス)

大谷芽生(立正大学ラグビー部)

梶木真凜(自衛隊体育学校)

小出深冬(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)

須田倫代(追手門学院VENUS)

中村知春(ナナイロプリズム福岡)

永田花菜(日本体育大学ラグビー部女子)

バティヴァカロロ アテザ優海(ながとブルーエンジェルス)

原 わか花(東京山九フェニックス)

平野優芽(ながとブルーエンジェルス)

弘津 悠(ナナイロプリズム福岡)

水谷咲良(東京山九フェニックス)