• 新基準により、脳震盪と診断されたプレーヤーの大半は次の試合を欠場する可能性が高くなる
    • 受傷後7日目に競技復帰できるプレーヤーは、独立した脳震盪コンサルタントの承認が必要となる
    • これらの変更は、ワールドラグビーの独立脳震盪ワーキンググループによる勧告を受け7月1日から全世界で実施
    • 常勤の医療監督者がいないコミュニティゲームでは、今後も同様の休養期間を維持

    科学的エビデンス、またラグビーに特化した研究に関し独立脳震盪ワーキンググループが行った最新の検討を受け、ワールドラグビーはエリートゲームにおける「段階的な競技復帰(GRTP)」プロトコルを進化させます。

    ワールドラグビーは、ラグビーをプレーヤーウェルフェアに関して最も進歩的なスポーツとすることに全力を尽くしていることを強調し、進化させたアプローチにより、脳震盪の既往歴があるプレーヤーや、明らかに脳震盪の症状で試合から外されたプレーヤーなど、最低12日間競技に参加できなくなることから、次の試合を欠場する可能性が高くなりました。

    いかなるプレーヤーも受傷後7日目より早く競技に復帰することはできず、復帰には 独立した脳振盪コンサルタントによる承認が必要となります。

    脳震盪の管理に対するワールドラグビーのアプローチは、常に科学的なエビデンスと独立した専門家の意見によって導かれています。 エリートゲームにおける個別リハビリテーションのアプローチは、コミュニティゲームにおける段階的な競技復帰のガイドライン(今回は変更なし)と同様に、今後も見直しが行われます。

    この新しいプロトコルは、7月1日以降に開催されるエリート競技会から適用される予定です。

    ワールドラグビーのチーフ・メディカル・オフィサー、Drイーナ・ファルビーは、プレー復帰の管理における個別リハビリテーションという新たなアプローチについて次のように述べています。「この個別リハビリテーションのアプローチは、プレーヤーウェルフェアを第一に考えるという我々の使命を支えるものです。これは、科学的なアドバイスとエビデンスに基づいてプロトコルを継続的に監視し、見直し、進化させるという我々の約束を反映させています。」

    「ラグビーは、頭部外傷の管理において主導的なスポーツですが、私たちは決して立ち止まってはいません。これは単なる新しいプロトコルではなく、コーチやプレーヤーにとって新たなマインドセットとなるものです。私たちのアプローチは、脳震盪と診断されたプレーヤーが所属チームの次の試合に出場しない可能性が圧倒的に高くなることを意味します。 ワールドラグビーは、私たちのプロトコルが科学的根拠に裏付けられていると確信していますが、現代のゲームに適合するよう、継続的にモニタリングとテストを行っています。」

    「私たちは、脳震盪の症状や脳震盪の既往歴には個人差があることを認識しており、このプロセスによって、エリートプレーヤーのリハビリを個別に行うことができ、さらに保護することができるようになります。 また、症状の報告が十分にされていないという課題を大きく解消した現存プロトコルの利点もすべて生かしています。」

    「ここに至るまでの、独立脳震盪ワーキンググループのメンバーの皆さんの努力に感謝したいと思います。」

    個別リハビリテーションのアプローチを歓迎し、ワールドラグビー独立脳震盪ワーキンググループメンバーのDrボブ・カントゥは次のように述べています。「ワールドラグビーは、私たちのアドバイスに積極的に耳を傾け続け、このような変更をもたらしたチームの真摯な姿勢に拍手を送ります。 個別リハビリテーションのプロトコルは、ラグビー選手が最新の科学的根拠に基づいたゲームを行うことを保証するものであり、それはまさにあるべき姿です。」

    「プレーヤー全員に対してより長い休養期間を義務付ける、または既存のプロトコルを維持する、など、ワーキンググループとしてあらゆる選択肢について議論しました。そして関係する個人の状況に基づいてアプローチすることが、間違いなく最善の方法であるということがグループの総意でした。」

    ワールドラグビー最高責任者のアラン・ギルピンは次のように述べています。「ワールドラグビーは、プレーヤーウェルフェアに関して決して立ち止まることはなく、今回もその言葉を6項目計画に沿って実行に移しています。私たちは、世界中のあらゆるレベルのプレーヤーと協力し、脳の健康の重要性と、症状が発生した場合の報告の重要性を啓蒙し、リスクを減らすためにできる限りのことをしていきます。」

    「ラグビーは、プレーする人に計り知れない利益をもたらすスポーツであり、その利益はリスクをはるかに上回ります。しかし、ラグビーのように衝突が伴うスポーツでは怪我がつきものであることを承知しています。プレーヤーに最善のアドバイスを提供することが私たちの義務であり、それこそが、この個別リハビリテーション・プロトコルで行っていることです。」

    独立した脳震盪ワーキンググループのメンバーとして参加し、ウェルフェア分野全般において重要な意見を述べてきた国際ラグビー選手会は、男子・女子エリートプレーヤーのコミュニティが個別リハビリテーションプロトコルを支持していることについて説明しています。

    国際ラグビー選手会のプレーヤー・ウェルフェア主任、コンラッド・スミス氏は次のように述べています。「この取り組みが成功する鍵、そして脳震盪をめぐる文化を変えるための重要なポイントは、プレーヤーが受傷した頭部損傷、そしてあらゆる症状についての報告を行うということです。」

    「この非常に複雑な問題に取り組むための莫大な作業と研究の量を目の当たりにし、私は選択されたアプローチと、統括団体がプレーヤーの最善の利益を守っていることに自信を持っています。」