- イングランドがラグビーワールドカップ2025の優先候補国に決定
- オーストラリアがラグビーワールドカップ2027の優先候補国に決定
- 米国との間で、ラグビーワールドカップ2031と今後の女子大会に向けた独占的対話を継続
- ラグビーワールドカップ2029開催について関心を示している数カ国と協議中
- 新たな収入源を確保し、開催国の経済的・社会的な成果を最大化するためのビジネスパートナーシップに基づいたアプローチの改訂
- 新しいモデルは、ラグビーの世界的野心を加速
- 最終的な開催権は、2022年5月の理事会で決定
ワールドラグビー理事会は、ラグビーワールドカップ開催地選定プロセスの改定を承認し、ラグビーワールドカップ2025の開催の優先候補国をイングランドに、ラグビーワールドカップ2027の開催の優先候補国をオーストラリアに決定するとともに、アメリカがラグビーワールドカップ2031の開催優先候補国として独占的ターゲット対話を開始し、ワールドラグビーと開催候補国との間で有意義なパートナーシップを構築することに重点を置きました。各候補こくは既にワールドラグビーやその他の主要関係者と緊密に連携をとっており、それぞれ「優先候補(Preferred Candidate)」および「独占的ターゲット対話(Exclusive Targeted Dialogue)」の対象国となる要件を満たしています。
今回の改革は、開催地選定プロセスや、ラグビーワールドカップの目標、また現在の世界的環境を全面的に見直した結果、ワールドラグビーが国際連盟として、急速に変化する世界情勢に対応できるようにするために行ったものです。この改革により、将来のラグビーワールドカップ開催地とワールドラグビーの長期的な目標との整合性が高まり、選手とファンに最高の体験を提供することができます。最終的に、この新しいモデルで、ラグビーを新たな国々でも普及させ、ラグビーの世界的成長を促進させ、新規ファンや参加者を惹きつけていきます。
この「優先候補プロセス」では、一律のラグビーワールドカップ開催モデルに地域の事情を合わせるのではなく、スポーツ、経済、社会、環境計画のニーズに最も適した柔軟な開催案を提示するという、新たな理念を導入します。最終的な目標は、開催国との持続可能な関係を構築し、ファンベースを拡大し商業的な魅力を高めることに重点を置きながら、開催国と世界のラグビーの発展のために大きな価値を引き出しつつ、財務および運営上の効率性を最大限に高める提供モデルを構築することです。新たなラグビーワールドカップモデルで、この最高峰大会の実施に、ワールドラグビーがより直接的な責任を負うことになります。
この協力的なアプローチは、ラグビーワールドカップ開催の確実性を担保し、ラグビーのダイナミックな世界的発展を促すという、ワールドラグビーの戦略的計画の「ゲームチェンジャー」的目標に沿ったものです。ワールドラグビーは、優先候補国協会と協力して強固な戦略目標を設定し、運営と人材の効率化を図ることで、最初から開催コストを削減し、収益と運営の機会を最大化します。これらはすべて、ラグビーにおけるあらゆるレベルへの直接的な投資をさらに強化することにつながります。
今回の優先候補国ステータスの付与は、開催に興味を示した国々との広範な対話を経て決定されました。今回の優先候補国の決定には、各協会の全面的な支援と各国政府の財政的なコミットメントが含まれており、10年間の明確なロードマップに沿ってラグビーが前進できるようになります。開催権の付与は、2022年5月の理事会で最終決定されます。
ワールドラグビー理事会は、イングランドとオーストラリアに優先候補としてのステータスを与えると同時に、2031年のラグビーワールドカップ開催に向けて、アメリカと「独占的対話」を行うことを決定しました。2031年の大会開催まで10年の期間を活用し、ラグビー新興国であるアメリカは、独特で、詳細なアプローチをとる必要があり、主要ステークホルダーとの広範な対話が必要となります。この対話の目的は、北米でのラグビーワールドカップにとって、またグローバルゲームであるラグビーにとって、長期的に最も効果的な開催モデルを開発することです。
2029年に開催される女子版ラグビーワールドカップの開催に関しては、多くの関係者との話し合いが続けられています。
ワールドラグビーのサー・ビル・ボーモント会長は次のようにコメントしています。「ワールドラグビーは、開催国候補と協力して、ラグビーワールドカップの提案を最適化し、長期的な社会的・経済的発展計画に沿うことで、それぞれの地域社会の利益とラグビーの将来的な発展に貢献します。その結果、イングランドとオーストラリアは、それぞれ2025年と2027年の独占的な優先候補として関係を強化し、アメリカとは、最も効果的な開催モデルの開発を視野に入れた独占的な対話を行うことになりました。
ワールドラグビーの最高責任者、アラン・ギルピンも次のように述べました。「私たちは、現在の世界の変化のペースに対応し、将来の開催国や協会に価値を提供し続けなければなりません。優れたガバナンスを確保し、持続可能な男子・女子ラグビーワールドカップを成功させるためには、柔軟性が必要となります。私たちは、イベントの個性を維持し、プレーヤーとファンを、我々が行うすべての中心に据えるというコミットメントを維持しながら、これを実現していきます。」
RFUのCEO、ビル・スウィーニー氏は次のように述べています。「私たちは、2025年のラグビーワールドカップの優先候補に選ばれたことを嬉しく思います。大会を開催できたら本当に素晴らしいことだと思います。私たちが目指すのは、全国で行う予選と、トゥイッケナム・スタジアムでの完売必至の決勝戦など、史上最高の観客動員数を記録する女子RWCを開催することです。開催実現に向けて、ワールドラグビーや政府と協力していくことを楽しみにしています。また、オーストラリアとアメリカが将来のラグビーワールドカップ開催地として成功することを祈っています。」
「女子ラグビーは飛躍的に成長しており、RWC 2025の開催決定は、女子ラグビーのアグレッシブな成長目標を大きく後押しすると同時に、すべての女子スポーツのさらなる発展につながります。さらに、ラグビーワールドカップは、国全体に大きな経済効果とレガシー効果をもたらします。」
ラグビー・オーストラリアのハミッシュ・マクレナン会長は次のように述べています。「本日の発表を歓迎するとともに、ラグビーオーストラリアのチームと、2027年のオーストラリアのビジョンに信頼を寄せてくださったワールドラグビー理事会に感謝します。」
「これから数ヶ月間、ワールドラグビーの仲間と協力して、2027年ラグビーワールドカップのモデルを開発していけることを楽しみにしています。これは、オーストラリア、太平洋地域、そして世界全体で、我々の素晴らしいゲームの成長を継続させ、オーストラリアを世界にアピールする大会を作るエキサイティングな機会です。
「私は、ラグビー・オーストラリアの全チーム、特に役員、理事会、そしてサー・ロッド・エディントンとフィル・カーンズ氏を含むRWC招致諮問委員会に、このプロセスを通して強力な指導力を発揮してくれたことに感謝します。また、これまで我々の招致活動に多大なご支援をいただいたオーストラリア政府にも感謝の意を表したいと思います」。
USAラグビーの最高責任者、ロス・ヤング氏は次のように述べています。「ワールドラグビーや関係者との独占的対話を進め、ラグビーワールドカップ2031に向けたキャンペーンを成功させる上で、前向きな次のステップとなります。アメリカ合衆国は潜在的な可能性を秘めたラグビー新興国であり、我々はその可能性を引き出し、最も効果的かつ戦略的にパートナーの皆様と連携することにワクワクしています。アメリカの各都市、委員会、また関係者は、ラグビーワールドカップもアメリカ開催を是非とも支援したいと表明しており、今回の「ターゲット対話」で、協力と進展に向けた新たな扉を開き、最終的にはUSAラグビーと国際ラグビーの楽観的な未来を構築していきます。」
今回の候補地選定モデルの改定は、将来の開催地選定プロセスにおいて、開催地とラグビーの両方で大きな成果を生む可能性を明確に示す招致国が信頼性と持続可能性を証明したという成功に基づいています。2019年の日本大会は、経済的にも社会的にも記録的な成果を上げ、2023年以降の大会まで、既に新たな商業パートナーを獲得しています。フランス2023も、チケット販売、商業面・放送面でもこれまでの記録を塗り替える可能性が強く、ラグビーワールドカップ開催は政府や各国協会にとって魅力的な提案です。
一方、女子ラグビーワールドカップは、2023年にスタートする新たなグローバルカレンダーの目玉となり、また、WXVの導入により、大会、競争力、ファンベースに革命を起こすことになるでしょう。2025年の大会は出場チームを16チームに増やします。2021年の大会は2022年にニュージーランドで開催され、アイルランド、フランス、イングランドでの世界的な成功を経て、さらにレベルアップし、観戦チケットの購入希望者が殺到しています。