秋のテストシリーズの初戦に迎えるオーストラリア戦は、日本代表にとって2019年ラグビーワールドカップ以来の国内でのテストマッチになる。オーストラリアは世界ランキングで日本の10位に対して3位。先日まで開催された南半球4か国対抗戦のラグビーチャンピオンシップでは、2019日本大会を制した南アフリカに連勝し、アルゼンチンにも勝利を収めるなど、調子を上げている。

その強豪ワラビーズ戦の先発に、日本は夏の遠征参加を見送ったSH流大選手が復帰。ラグビーワールドカップ以来2年ぶりの代表戦で、2018年11月のロシア代表戦以来の先発SOを務める松田選手とコンビを組む。

ジョセフ日本代表ヘッドコーチは、「流がもどってきてくれて嬉しい。彼の自信と経験がチームのメンバーへ良い影響を与えてくれる」と歓迎。松田については「この試合へ向けて準備ができている」と話した。

 今遠征でキャプテンを務めるFLピーター・ラブスカフニ選手、副キャプテンのCTB中村亮土選手をはじめ、PR稲垣啓太選手、LOジェームズ・ムーア選手、NO8姫野選手、CTBラファエレ・ティモシー選手ら2019年日本大会でも活躍した馴染みの主力が名を連ねる。

一方で、今夏のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦とアイルランド戦でインパクトのあるプレーを見せたWTBシオサイア・フィフィタ選手を11番で起用。アイルランド戦では14番でプレーして代表デビューを遂げたセミシ・マシレワ選手が、今回は15番に入る。

 ワールドカップなど多くの試合で司令塔を務めてきた田村優選手は、負傷明けの影響で控えに回り、FLリーチマイケル選手とともにベンチスタートでの役回りになった。

 ジョセフヘッドコーチは、「ワールドカップでの我々のベストゲームの1つがアイルランド戦で、リーチがベンチスタートでプレーした」と話し、「リーチや田村ら経験のある選手が後半から出て活躍することでチームにインパクトを与えてくれる」と期待を寄せている。

 また、夏の遠征ではベンチスタートで代表デビューしていたコーネルセン選手は、今回代表3戦目で初先発の機会を得た。今回代表デビューを飾るFLベン・ガンター選手とともにオーストラリア出身で、コーネルセン選手の父・グレッグ氏はワラビーズFLとして活躍した人物だ。ディラン・ライリー選手はリザーブで代表デビューの機会を待つ。

 「オーストラリア出身の彼らには、日本代表として自分の生まれた国と対戦するのは

特別なものがあるだろう」とジョセフヘッドコーチ。「我々は新しくチームを作っているところで、2年で2試合しか戦えていない。未来を見据えていくことが重要で、彼らは若くて多くのスキルを持っている。彼らにとっていい機会になるだろう」と話した。

 日本のオーストラリアとの対戦成績は5戦5敗。前回の対戦は2017年11月の横浜で、日本は30-63で敗れた。

 日本代表指揮官は、対戦相手のオーストラリアについて「オーストラリアは毎回試合をするたびに力をつけていて、選手もコーチ陣もクオリティがあり、とてもよくマネジメントされている。ラグビーチャンピオンシップで南アフリカやアルゼンチンを倒すなど、ここ2カ月ほどいい戦いを続けている。我々には久しぶりの試合でもあり、チームとして非常に大きなチャレンジになる」と話した。

 オーストラリアは先発に、昨季トヨタ自動車でプレーした主将のFLマイケル・フーパー選手、近鉄でプレーするSOクウェイド・クーパー選手、今回のラグビーチャンピオンシップでは7トライでトライ王となったWTBアンドリュー・ケラウェイ選手らが並ぶ。先発メンバーの総キャップ数は、日本の232に対して551と圧倒している。

 ワラビーズ指揮官のデイヴ・レニーヘッドコーチは、「我々は世界の強豪と競ってきているブレイブブロッサムズを非常にリスペクトしている。我々はベストで臨まなければならない」とコメントしている。

日本代表のジョセフヘッドコーチは、「世界王者を倒したチームと戦えるのは、素晴らしい機会だ。我々は自分たちのやるべきことにフォーカスして臨まなければならない」と語った。

 試合は10月23日(土)、昭和電工ドーム大分にて行われる。

 

日本代表オーストラリア戦試合登録メンバー:

1 稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ、36 caps)

2 坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ、23)

3 具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ、15)

4 ジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ、2)

5 ジェームズ・ムーア(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安、10)

6 ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ、-)

7 ピーター・ラブスカフニ*(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、10)

8 姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ、18)

9 流 大(東京サントリーサンゴリアス、24)

10 松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ、25)

11 シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ、2)

12 中村亮土(東京サントリーサンゴリアス、26)

13 ラファエレ ティモシー(コベルコ神戸スティーラーズ、25)

14 レメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛、15)

15 セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ、1)

16 庭井祐輔(横浜キヤノンイーグルス、8)

17 クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、2)

18 ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ、16)

19 リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京、70)

20 テビタ・タタフ(東京サントリーサンゴリアス、5)

21 齋藤直人(東京サントリーサンゴリアス、2)

22 田村 優(横浜キヤノンイーグルス、65)

23 ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ、-)

注:* はキャプテン。所属のあとの数字はキャップ数。

 

オーストラリア代表試合登録メンバー:

1 ジェームズ・スリッパ―(ACTブランビーズ、110)

2 ファラウ・ファインガア(ACTブランビーズ、21)

3 タニエラ・トゥポウ(クインズランド・レッズ、35)

4 アイザック・ロッダ(ウェスタンフォース、30)

5 マット・フィリップ(メルボルン・レベルズ、19)

6 ロブ・レオタ(メルボルン・レベルズ、2)

7 マイケル・フーパー*(NSWワラターズ、115)

8 ロブ・ヴァレティニ(ACTブランビーズ、14)

9 ニック・ホワイト(ACTブランビーズ、43)

10 クウェイド・クーパー(花園近鉄ライナーズ、74)

11 アンドリュー・ケラウェイ(メルボルン・レベルズ、9)

12 ハンター・バイサミ(クインズランド・レッズ、11)

13 レン・イキタウ(ACTブランビーズ、9)

14 トム・ライト(ACTブランビーズ、6)

15 リース・ホッジ(メルボルン・レベルズ、53)

16 コナル・マキナニー(ACTブランビーズ、-)

17 アンガス・ベル(NSWワラターズ、12)

18 アラン・アラアラトア(ACTブランビーズ、50)

19 ダーシー・スワイン(ACTブランビーズ、9)

20 ピート・サミュ(ACTブランビーズ、15)

21 テイト・マクダーモット(クインズランド・レッズ、11)

22 ジェームズ・オコナー(クインズランド・レッズ、57)

23 ジョーダン・ペタイア(クインズランド・レッズ、14)

注: * はキャプテン。所属のあとの数字はキャップ数。