ジャパントップリーグ2021で初のベスト8に進出したNTTドコモレッドハリケーンズが5月14日、今季限りでの退団選手を正式発表。リストにはチームの躍進に大きく貢献したTJ・ペレナラ選手、マカゾレ・マピンピ選手らの名前が並んだ。

 ペレナラ選手の去就は13人制への転向を含めて大きな注目を集めていたが、ドコモが5月8日のプレーオフ準々決勝でトヨタ自動車に惜敗した後 トップリーグのチームより一足先に29歳のニュージーランド代表SHがニュージーランド協会およびスーパーラグビーのハリケーンズとの契約が発表され、ペレナラ選手も自身のSNSで母国に戻る決断を表明していた。

 トップリーグでは1シーズンのみのプレーとなったが、リーグ戦7試合、プレーオフ2試合に出場して7トライをマーク。どの試合でも、代表69キャップを誇るペレナラ選手は、常に鋭い読みと攻守両面で献身的で力強いプレーでチームをけん引し、ドコモを初のベスト4まであと一歩というところまで引き上げた。

 ペレナラ選手はドコモを通じて、「シーズンを通じて素晴らしかった。毎回試合会場に来ることができない時でも、どれだけ応援してくれているのか分かっていた」

「このチームと過ごす時間が大好きで、チームの一員になれたことを光栄に思います。チームのみんなへ、ここで出来た友情は一生のもの。みんなと一緒にプレーできたことはありがたく、誇りに思う。いつの日かまた一緒にプレーできることを願っている」とコメント。

 ファンに対しても、「皆さんはいつも素晴らしかった。毎回試合会場に来ることができない時でも、どれだけ応援してくれていたか、僕らには分かっていた」と語りかけた。

「この思い出深い旅に関わってくれたみんなに感謝している。またいつかここに戻れることを願っている」と感謝の気持ちを述べて、「マタネ。アリガトウゴザイマス」と日本語で別れのあいさつを締めくくった。

 マピンピ選手は、外国人枠や戦術的な事情で6試合の出場にとどまったが、4トライを決めて会場を沸かせ、ファンを喜ばせた。

30歳のウィングは、「とてもエキサイティングな1年だった。すべてのファンの皆さんの、この1年間のサポートに感謝している」と述べた。南アフリカで古巣のシャークスに戻ることが報じられているが、「またいつか、日本に戻ってきてみんなと一緒にラグビーができるように全力で頑張る」とコメントしている。

 ドコモで2018シーズンから3年間プレーしたニュージーランド出身のSOマーティ・バンクス選手も今回、彼らとともにチームを去る決断をした。今季のチームの変化は印象深かったようで、「今季のチームの成長を目の当たりにして、本当に特別なものとなったし、これからのシーズン、チームがどんな成長をとげるのか楽しみにしている」と述べている。

 一方、神戸製鋼コベルコスティーラーズでもニュージーランド代表LOブロディ・レタリック選手もチームを離れることが発表された。

 ニュージーランド代表81キャップの29歳は、加入1年目の昨季は新型コロナウィルス感染拡大を受けてリーグが打ち切りとなるまでの6試合全てに先発出場。今季も全9試合に5番をつけて出場し、5トライもマーク。連覇を目指す神戸に貢献したが、チームは準々決勝でクボタスピアーズに21-23で敗れてシーズンを終えた。

 このほか、サンウルブズでもプレーした南アフリカ出身のFLグラント・ハッティング選手、日本代表候補のNO8ナエアタルイ選手らも退団者リストに名を連ねた。