• 新型コロナウィルスの世界的感染拡大に対応した長期的なガイドとしての計画
  • プレーヤーウェルフェアの強化を中心に考え、ゲームの進化にフォーカスを当てる
  • 大会ポートフォリオの充実、プレーヤー人口の拡大、エンゲージメントやインクルージョン、また多様性の向上を中心に、ゲームチェンジャーとなる明白な目標を含んだ戦略

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ワールドラグビーは、このスポーツの発展と成長を目指す、2025年を目標にした新規戦略計画「みんなのためのグローバルスポーツ – その価値に忠実に」に着手しました。

新型コロナウィルスパンデミックにより社会またスポーツ界が直面するチャレンジについて認識し、この計画では、ゲームを支援し強化するワールドラグビーの長期的な使命について説明しています。世界中で960万人のプレーヤーがラグビーをプレーし、ファンベースも過去10年間で伝統国では65%、新興国においては2倍に増加して4億500万人に到達するなるなど、これまで構築してきた基盤を更に確固としたものにする計画です。

この戦略の目標は、パンデミックを乗り越えて既存・新規参加者の復帰を喜び、ラグビーファミリーを結束し、全てのレベルにおいてラグビーをより安全で楽しく魅力のある、より身近なスポーツにすることにより、ラグビーの発展と成長を目指すことです。大会、参加者、エンゲージメント、そしてゲームそのもの、というラグビーの今後の繁栄に不可欠な4つの重要分野にフォーカスを当てます。ワールドラグビーはそれぞれの分野において、野心と価値を反映させた一連の「ゲームチェンジャー」的目標を設定しています。

ゲームを最高のものにする

プレーヤーウェルフェアはワールドラグビーが行うことの全てを超越し、最優先事項であり続けます。ワールドラグビーは、戦略計画の期間を通してラグビーファミリーや独立専門家とのオープンな議論を主導し、研究・科学・技術の進化に導かれながらプレーヤーウェルフェアの向上を図り続けます。この計画は、損傷予防とメンタルヘルスの向上に的を絞った研究を主導して知識を蓄積し、ゲームのあらゆるレベルで更にプレーヤーを守るため、プレーヤーウェルフェアを中心に考えた競技規則や試験的規則のレビューを行ないます。

ワールドラグビーは、同時に新たな世代の参加者にとってより意味のある、魅力あるゲームに進化させていくため、世界中のラグビーファミリーと連携します。セブンズゲームをスーパーチャージさせる方法やコミュニティーゲームの強化、そして新規参加者の間でタッチラグビーやタグラグビーなどの短縮型ラグビーが人気を博している新興国でのノンコンタクトラグビーの更なる探究などが含まれます。最近のニールセン調査のデータでは、新規のラグビーフォロワーの3分の2が、ラグビーを知るきっかけとなったのは非伝統的な種類のラグビーであったことが明らかにされています。

この計画の実施にあたり、ワールドラグビーはワールドラグビーの各委員会を構成するプレーヤーやプレーヤー代表者、そしてコーチの人数を増やしたことを通じて、ラグビー界全般そしてラグビー界以外の幅広く深い専門的な知識や力を更に活用していきたいと考えています。同様に、この計画を生きた計画にし、意思決定の中心に必ずファンを置くため、同団体が2020年に発足した「ファンパネル」や徹底的な調査を活用します。

カレンダー・大会の促進

WXV女子国際大会の順調な発足と、パシフィックアイランドのプロフェッショナルラグビーフランチャイズ構想への計画的支援に加えて、ラグビーをより強く、皆のためのスポーツに相応しいものにするため、この計画の下、男子15人制・セブンズの国際カレンダーを推進、統合させていきます。ラグビーのステークホルダーと連携し、ワールドラグビーはより説得力のある大会構造を開発し、7月と11月のウィンドーのテストラグビーを統合するアプローチで調整する協議を進めていきます。

ワールドラグビーは、プレーヤーウェルフェアを中心に考え、同団体が主催する大会ポートフォリオと役割についてのレビューを行い、スポーツの世界的競争力を強化するとともに収入源の多様化を進めています。「ゲームチェンジャー」的な目標として、ラグビー新興国対象の男子・女子の新大会を2022年までに発足させるなど、ハイパフォーマンス大会での機会を増やし、セブンズラグビーのエコシステムの改造することが挙げられます。

参加者の拡大

スポーツが新型コロナウィルスのパンデミックに対応しながら再開を始める中、草の根レベルとエリートラグビーにおける重要な目標として、全世界の地域でプレーヤー、オフィシャル、ボランティア、そしてファンが安全・安心な方法でゲームに復帰ことです。草の根レベルのゲームにおけるパンデミックの影響を軽減し、世界的な発展を更に拡大させるため、ワールドラグビーはリージョン、協会とパートナーシップを組み、特に15人制にフォーカスしながらキャパシティーと能力を構築します。

この計画はまた、ラグビーの発展に最も大きな寄与している、ラグビー界の女性たちの成功に対するワールドラグビーのコミットメントを反映したものです。

女子ラグビー開発計画2017−25の中間地点に差し掛かる中、ワールドラグビーは、リーダーシップから大会まで、そして草の根や商業面ですでに実現している全ての土台を更に強固にし、また成功を収めている「Try and Stop Us」キャンペーンを続行して、ラグビーに関わる女性の人数を更に増やします。

ワールドラグビーはまた、同団体が広範囲で行ったガバナンスレビューの勧告を受け、ゲームのあらゆるレベルにおいて多様性とインクルージョンを加速させるための新規計画に着手します。

エンゲージメントの向上

 スポーツ市場における注目度争いが益々激しさを増す中、ワールドラグビーは、リージョナルアソシエーションや協会向け知識の共有、またマーケティングやコミュニケーション用ツールキットなどの情報ツールや資料を作成します。また、2025年までに世界のラグビーフォロワー人口を10%増やすことを目標とします。ワールドラグビーはまた、同団体のパートナーのフィードバックを集め、パートナーの皆さまのニーズをよりよく理解するため「State of the Union」アンケート調査を開始し、ラグビーファミリーのあらゆるステークホルダーとの連携方法を更に向上させていくことにコミットしています。

ワールドラグビーの商業・放送・コンテンツ戦略は、増加を続けている世界中のラグビーオーディエンスにフォーカスを当て、ファンの皆さまに説得力のある、また意味のあるコンテンツを提供し、ゲームへの再投資をおこなうため、新たな収入源の創造と収益性の向上を目指します。この戦略には、デジタルプラットフォームの最適化、イベントとイベントの間における関心度とエンゲージメントの向上を図り、オーディエンスに関するデータからえられるインサイトや価値を最大化することなどが含まれます。

責任感あるパートナー:業務遂行の方法

 ワールドラグビーの価値は、同団体がすること全てのことに内在するものであり、多様性、インクルージョン、サステナビリティ、善良なガバナンス、は戦略計画2021−25の中心を成すものです。2015年に行った大規模な改革を土台に、第三者主導のガバナンス・ワーキンググループによる勧告と、既に発表されているサステナビリティー憲章に沿って対策を実施します。

ワールドラグビーのサー・ビル・ボーモント会長は次のように述べました。「野心的な戦略計画2021−25は、現在私たちが直面しているチャレンジを認識し、世界中でラグビーを支援し開発するための長期的なロードマップです。プレーヤーウェルフェアをこれからも最優先事項としながら、私たちがゲームを可能な限り楽しく、身近で魅力のある、安全なものにするために取り組む中で、私たちにフォーカスを与え、ガイドとなってくれるものです。」

「これは単にワールドラグビーにとっての計画ではなく、協会からリージョン、パートナー、そしてラグビーコミュニティー全体の関与を享受するラグビーファミリー全員にとっての計画でもあります。プレーヤーや親、ファンやボランティア、コーチ、または運営者など、誰もが果たせる役割があります。私たちはこのスポーツを発展させるために一緒に取り組んでいけることを楽しみにしています。」

ワールドラグビーの副会長、ベルナール・ラポルテ氏も次のように述べました。「これは、伝統国だけでなく、世界中でのスポーツの発展を守り推進していくための明白で意欲的な計画であり、ワールドラグビーにとって重要な瞬間です。過去にも増してゲームが結束とビジョン、そしてリーダーシップを必要としています。そして、スポーツ、社会の歴史上最も厳しい状況の中で加盟協会を支援しようとしている私たちの野心を反映するものです。」

ワールドラグビーのCEO、アラン・ギルピン氏は次のように加えました。「この不透明かつチャレンジに直面する状況において、スポーツが前進するための道筋を整えることは極めて重要です。この新たな戦略計画2021-25は、皆のためのグローバルスポーツにするための旅を続ける中で、ラグビーの継続的な発展と拡大に向けた枠組みを提供してくれます。」

「団体、スポーツ、またファミリーとして、この計画は、どのようにして3つのC、Covid、Calendar(カレンダー)、Concussion(脳震盪)に対応したら良いかを知るためのガイドであり、みんなのためのゲームをより安全・強力、よりサステナブルなものにするための基盤を構築するものです。私たちは、プレーヤーウェルフェア、そして国際大会と競争力を強化し、参加者を拡大し、収益を増加させ、ファンエンゲージメントを深めるための基盤を構築します。」

「この計画を実行するにあたり、私たちは加盟協会やリージョナルアソシエーション、またパートナーとともに、ファンの皆様の声を聞きながらラグビーファミリー、そしてその他のエキスパートの力を借りながら、十分なパートナーシップを組んで取り組んでいきます。私たちは、ガバナンスや意思決定構造を更に改善し、私たちのスポーツの魅力の核を成しているラグビーの強い価値を、今後も私たちが行う全ての中心に据えていきます。

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