昨年のラグビーワールドカップで日本の初のベスト8入りに貢献した姫野和樹選手が、年明けから新たな舞台での挑戦に乗り出すことになった。来年1月から6月までオタゴ・ハイランダーズと契約し、ニュージーランドの強豪でスーパーラグビーの戦いに挑む。

 「居心地の良い日本という環境を離れ、また一からハングリーにプレーすることが、今の私にとって必要なことだと思った」と、姫野選手は所属クラブを通じてコメントした。

 愛知県出身の26歳が、帝京大学卒業後に地元のトップリーグチームであるヴェルブリッツに加入したのが2017年。当時ヘッドコーチだったジェイク・ホワイトに、加入1シーズン目でいきなりキャプテンに抜擢されると、3シーズン連続でキャプテンに。力強いプレーとリーダーシップでチームをけん引してきた。

トップリーグデビューした2017年には11月に日本代表にも選出され、11月のオーストラリア戦で初キャップを獲得。それ以後、日本代表の第3列で存在感を発揮し、2019年ワールドカップの代表メンバー入りを果たした。大会では5試合に出場し、1トライをマーク。ここまでの代表キャップ数は17を数える。

姫野選手は、スーパーラグビーそのものは、2018年にサンウルブズで11試合に出場した経験があるが、今回はハイランダーズに場を移しての挑戦となる。

チームはニュージーランドに南島のダニーデンを拠点とし、日本代表ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフが率いていた2015年に、スーパーラグビー初優書を遂げている。過去には日本代表SH田中史朗選手も所属した。

姫野選手は初の海外挑戦について、「今後の日本ラグビー界にとっても、日本人が海外で活躍することは多くのことをもたらす」という考えを示しており、自分自身が活躍することで日本のファンに「勇気や感動を感じてもらえればうれしい」とコメント。「帰ってきたときには、大きく成長した姿をお見せできれば」と話している。

 2021年ジャパントップリーグは年明け1月16日に開幕し、プレーオフ終了は5月末の予定。一方、スーパーラグビーの来シーズンの日程はまだ発表されていない。2020シーズンは新型コロナウィルス感染症の世界的流行を受けて中断し、ニュージーランド国内でスーパーラグビー・アオテアロアが開催された。