• インパクトのある試合を安全に、安心して再開するため、大会スケジュールの再検討を行う作業部会が設置された
  • 2021年シリーズ、ドバイとケープタウンで開催予定の男女同時開催イベントは中止と決定
  • ラグビーコミュニティ、また広範囲に及ぶ市民の健康とウェルビーイングが引き続き最優先事項
  • 2020年シリーズは終了とし、男子、女子ともにニュージーランドが優勝 ― 詳細はこちらからご覧ください

先日、新型コロナウィルス感染の世界的拡大(COVID–19)の影響による早期終了が発表されたHSBC ワールドラグビー ・セブンズシリーズ2020は、男子、女子ともにニュージーランドがチャンピオンと確定。その後もワールドラグビー と各パートナーは引き続き2021年のシリーズの計画と、開幕まで残り1年を切った東京オリンピックへの準備に焦点を当てた取り組みを行っています。

包括的な協議プロセスの中で開催組織との建設的な対話を行った結果、新型コロナウィルスの世界的なパンデミックが継続し、終息の目処が見えないことから、2020年11月26日〜28日、12月4日〜6日にそれぞれ暫定的に予定していたHSBCワールドラグビー セブンズシリーズ2021のドバイ&ケープタウン男女同時開催の大会を中止と決定しました。

この決定は、ラグビーコミュニティーと、より広範囲の市民の健康とウェルビーイングを第1に考え、関係政府および世界保健機構のアドバイスに沿って下されました。ドバイとケープタウンは、次回のシリーズ以降、フルシーズンが再開した時点で開催国として復帰を果たします。

ワールドラグビー はパートナーの皆さまとともに今後も引き続き2021年男子・女子シリーズの残りの試合の実施に焦点を当て、同時に、ステークホルダーの皆さまと十分な連携を取りながら、引き続き厳しい状況にある新型コロナウィルス禍の環境について注意深く監視していきます。

開催組織や加盟協会、プレーヤー、コーチなどの代表者などで構成し、ワールドラグビー の執行委員兼カウンシルメンバーであるジョン・ジェフリー氏を議長に迎え作業部会を設置し、緊急時対応策の再検討、安全かつインパクトのある国際ラグビーセブンズ大会の再開に向けた準備の評価、また開催国、出場協会、放送局や商業パートナーにとってベストな大会にするための協議を行っています。

この作業部会は、2021年のHSBCワールドラグビー セブンズチャレンジャーシリーズのイベントに伴う様々な機会に関しても再検討を行います。このセカンドディビジョンシリーズは、七人制ラグビーの世界的普及を目指し、2020年の第1回シリーズで優勝に輝いた日本の男子チームが果たしたように、新興国チームがコアチームとしてのステータスを獲得してHSBCワールドラグビー セブンズシリーズに出場するためパスウェイを提供するものです。

東京オリンピックのラグビーセブンズ種目に出場する24カ国のうち21カ国がすでに出場権を獲得しており、2021年の上半期に残りの出場権を決定する敗者復活戦の実施に向けた準備も進行中です。日本人の心を掴み、満席で沸いたスタジアムと日本とアジア全土に何百万人もの情熱的な新規ファンやプレーヤーを生んだラグビーワールドカップ2019日本大会の大成功に続き、ラグビーセブンズは東京オリンピックで最もチケットの売り上げが期待される種目の一つです。

ラグビーセブンズのオリンピック出場枠獲得状況はこちらからご覧ください>>

ワールドラグビー のブレット・ゴスパーCEOは次のように述べています。

「ドバイとケープタウンで開催予定だった人気イベントに関わるプレーヤーやチーム、そしてファンの皆さまや開催組織の皆さまにとって残念な決断であることは我々も同意します。しかし、世界のラグビーコミュニティーやより広範囲における市民の皆さまの健康とウェルビーングが私どもにとっての最優先事項である以上、関係政府と世界保健機構のアドバイスに従って下されたこの決断は賢明な決断です。今年の休止期間の後、素晴らしいドバイとケープタウンがシリーズ開催地として復帰するのを楽しみにしています。」

「開催組織、出場協会、国際ラグビー選手会、また商業パートナーと提携放送局などのステークホルダーの皆さまとともにセブンズ作業部会を通じて緊密な連携を取りながら、安全が担保でき次第一日も早く、HSBCワールドラグビーセブンズシリーズが見事な再開を果たす、という共通の目標に向かって取り組みを続け、2021年シリーズの残るイベントの計画と準備にも引き続き取り組んでいきます。」

「我々の調査では、ラグビーセブンズがラグビーの世界的な普及にとっての重要な牽引力であることが示されており、そのダイナミックで壮観なスタイルとスキル重視の競技で新たなファンを引きつけているのが特に新興国です。ラグビーセブンズは我々の組織にとっての重要な優先事項であり、日本で開催したラグビーワールドカップの成功の余韻に浸りながらも東京オリンピックに向けての準備を進めています。2021年は、世界中でラグビーセブンズの認知度や参加率が大きく上昇するもう一つの大きな変革の可能性を秘めています。」

ドナタ&エミレーツグループサービスのゲーリー・チャップマン氏は次のように述べています。

「51年間で初めてエミレーツ航空ドバイラグビーセブンズを開催することができなくなったことはもちろん残念に思いますが、未曾有の現状を踏まえれば、新シーズンの幕開け大会、ドバイ大会を中止するというこの決断は納得できるものです。」

国際ラグビー選手会、法務&プレーヤーウェルフェア部長のデビッド・クインラン氏は次のように述べています。

「新型コロナウィルスパンデミックの影響で、また二つの重要な大会が中止となったことにプレーヤーは落胆していますが、これは正しい理由があってこその決断だったと思います。」

「次のシーズンのスケジュールをできる限り有意義で完成したものにするため、プレーヤー代表、ワールドラグビー 、その他のステークホルダーの皆さまと共にセブンズ作業部会を通じて取り組んでいます。」

編集者のコメント:

2020年のシリーズは、パンデミックによってシリーズ中断する前に女子は8回戦中5回戦、男子は10回戦中6回戦が無事終了しており、男女ともに1位に立っていたニュージーランドがタイトルを獲得。

HSBCワールドラグビー セブンズシリーズ2020はニュージーランドがタイトルを獲得し終了>>

女子シリーズでは、オリンピック金メダルのオーストラリアが2位、3位にはカナダが入賞しました。男子シリーズでは、2018年のシリーズ優勝者の南アフリカが2位に、オリンピック金メダル、2019年シリーズのチャンピオン、フィジーが3位に入りました。

HSBCワールドラグビー セブンズシリーズは、1999年にスタートした毎年開催される国際サーキットの世界大会です。ワールドラグビー は、2019年に女子シリーズが史上初めて8回戦に増えたことで、6大会の男女合同大会を含めた4年サイクルに生まれ変わる男子・女子シリーズについて発表しました。

ニュージーランド、シドニー、香港、そしてパリとともにドバイとケープタウンが男女同時開催地として選ばれました。女子シリーズでは、2020年シリーズのシーズン開幕を飾る女子単独イベント、USA女子セブンズ大会がコロラド州のグレンデールで開催されますが、ブリティッシュ・コロンビア、ラングフォードで開催するカナダ女子セブンズ(女子単独イベント)とともにスケジュールを変更し、後日開催となりました。男子シリーズでは、男子単独イベントをロンドン、ロサンジェルス、シンガポール、そしてバンクーバーで開催されました。これらは新型コロナウィルスのパンデミックの影響で2020年の大会日程が早期終了に追い込まれる前に開催された最後のイベントとなりました。

短時間フォーマットのラグビーは成長の一途を遂げており、これまでにない大勢のオーディエンスを惹きつけているラグビーセブンズの未来は明るいでしょう。2019年、HSBCワールドラグビー セブンズシリーズはエンゲージメント率において史上最高を記録し、動画視聴回数においては前年比で64パーセント増の1億9800万人が視聴。世界のセブンズシリーズの大会観戦動員数は749,800人以上を記録しました。

放送視聴者数においても成長傾向が見られ、Futures Sport & Entertainment社の報告によれば、2020年の延べ視聴者合計者数平均は前年比で20パーセント上昇し、2019年の同時期には1170万人だったファン層も1390万人に増加しています。