朝を迎えたスコットランドから、ファンにも公開されたオンライン会見に臨んだレイドロー選手は、チームの青いジャージに身を包み、終始柔和な表情を見せながら新天地での抱負を述べた。

 2015年、2019年と2度のワールドカップで日本代表とも対戦した34歳のスクラムハーフは、「日本のラグビーはとても成長しているし、日本代表も今回だけでなく2015年大会でも素晴らしいプレーをしてきている。だから、日本に来てトップリーグでプレーすること、NTTでできる限りの成功に貢献することを、すごく楽しみにしている」と語った。

 2007年からエディンバラ、2014年からグロスターでプレーし、その後2017年からフランスのASMクレルモンで3シーズンを過ごした。その経験から、初のアジアでのプレー生活にも、「その土地の文化と言語を学ぶことが大事。そうすることでラグビーのパフォーマンスも活きる。日本でも語学を習得して自分のプレーレベルを上げたい。まずはラグビーに必要なチームの共通言語から」と意欲的だ。

 NTTは2018、2019と2シーズン連続でチーム最高タイのリーグ5位で終了。2022年1月スタート予定の新リーグを睨んで、安定してトップ4に入ることを目標としている。

レイドロー選手は、「チームの計画を聞いて自分が力になれればと感じた」と移籍決断の経緯を語り、「日本での目標は、次の2シーズンでチームが目指しているトップ4に定着すること。そして優勝できれば素晴らしい」と抱負を述べた。

「日本のラグビースタイルは、すごく速くて、ボールをキープして攻撃し続ける。とてもポジティブだと思う。トップリーグには良いコーチが多くいて、選手を攻撃的なマインドセットに導いているのだと思う。そのスタイルに臨むことは僕自身にとってもチャレンジになる、楽しみだし、自分も攻撃で貢献したい」と話した。

 契約期間は2年。今年10月に35歳になるレイドロー選手にとって、シャイニングアークスが現役最後のチームになる可能性も否定しない。

「日本での2年間で自分のラグビーをさらに磨きたいし、日本の文化を学びたい。可能性としては日本で引退ということになるかと思うが、まだ先のことだ。まずはNTTで出来る限りベストな選手、ベストな状態でいられるように努めたい」と話す。

現在はスコットランドの自宅で、近くのジムやグラウンドを利用してハードな自主トレに臨んでいるという。

「来日までにできるだけ絞り込みたい。フレッシュな状態で来日できるし、暫くラグビーをしていないから、再びプレーするのが待ち遠しい」と、チーム合流を心待ちにしている。

来日は9月下旬から10月初旬を見込んでいるという。

Photo: NTT Communications