新型コロナウィルス感染拡大の世界的流行の影響で3月に中止となっていたHSBCワールドラグビー女子セブンズチャレンジャーシリーズの実施見送りが決まり、来季のワールドシリーズは昇格チームなしで行われることになった。
この決定に、女子セブンズ日本代表の稲田仁ヘッドコーチは、「今の情勢からすればやむを得ないこと」と理解を示しながらも、「目指していたワールドラグビーセブンズシリーズ2021のコアチーム参戦が叶わないことを大変残念に思う」と話した。
サクラセブンズこと、女子セブンズ日本代表にとって、やはりコロナ禍で1年延期となった東京オリンピックへ向けて、同シリーズはタフな国際試合を行うことができる貴重なチーム強化の場と捉えられていた。昨シーズンもワールドシリーズのいくつかのラウンドに招待参加していたが、コアチームとしての参戦がチームをステップアップさせるとして、目標にしていた。今回の決定で、強化策の軌道修正が求められることになる。
稲田ヘッドコーチは、「日々変わる状況の中でもチャレンジと努力を続け、延期された東京オリンピックまでの貴重な時間を大切に使い、サクラセブンズの目指すラグビーを磨きあげたい。来年の東京オリンピックでのメダル獲得に向けて進んでいきたい」と語り、来年を見据えて気持ちを切り替えていた。
サクラセブンズでは国内の感染状況を見ながら、7月下旬以降にチームでの練習を再開させる予定だ。

男子は来季シリーズ参戦決定

一方、男子は来季のワールドシリーズ出場兼をかけた予選大会であるチャレンジャーシリーズを2月にチリとウルグアイで実施した。
初戦のチリ大会では3位になった日本は、2大会目のウルグアイでは決勝に進出。日本は開催国のウルグアイとスコアレスのまま延長後半までもつれた激戦を展開し、最後の1トライで勝ち抜いて2大会総合ポイントでトップに立っていた。結果として、この成績が反映されて日本が昇格を手にした。
男子セブンズ日本代表の岩渕健輔ヘッドコーチは、2019年のワールドシリーズで残留を決めきれずに降格して以降、選手個人としてチームとして「足りない部分の改善に努めてきた」と語り、ウルグアイ大会での優勝についても「7人制としてあまりない展開の中で勝ち切ることができ、結果的に昇格を決めることができた」と振り返った。
男子チームは6月下旬から、東京オリンピック代表候補となる選手を少人数のグループに分けて全国5か所でトレーニングを開始しており、1年後の東京大会開幕の時期に合わせて、7月下旬からチーム全体での活動を始める予定にしている。
岩渕ヘッドコーチは、「来るべき次なるステージでの戦いに向けて、引き続きしっかりと準備をしていく」と話している。