昨秋に日本で開催された15人制のラグビーワールドカップ2019大会で、ウィングとして4試合に出場して4トライの活躍で日本代表の8強進出に貢献した福岡選手は、今年に入って7人制にシフト。今月からはセブンズ日本代表候補合宿にも参加し、本番へ向けて調整を始めた。

男子セブンズ日本代表は、2016年リオデジャネイロ・オリンピックで4位に入り、あと一歩のところでメダル獲得を逃した。27歳の福岡選手は、次の目標として東京オリンピックでのメダル獲得を目指している。

 しかし、新型コロナウィルス感染が世界的に拡大。当初予定されていた7月24日の東京大会開幕まで4カ月となった3月24日、IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長と安倍晋三首相が緊急電話会談を行い、東京大会を1年程度延期することで合意。そして、その後に開かれたIOC臨時理事会で延期が全会一致で正式に承認された。

 福岡選手は、「自分にコントロールできないことは考えても仕方ない。今の自分にできる最高の準備を続けよう!」とコメント。「何がどう転ぶかわからないこんな状況」に癒しの存在と打ち明ける、実家の猫の写真とともにツイートした。

 また、福岡選手と共に4年前のリオデジャネイロ大会を経験し、現在セブンズ日本代表としてHSBCワールドラグビーセブンズシリーズ2020などに出場している松井千士選手(サントリー)も、自身のツイッターに心境をつづった。

 松井選手は、「オリンピック延期が決定した。正直残念やけど、どうすることもできんからな!!」と書き込み、「俺の夢叶えるのはちょっと先なりましたが、2020年にやろうが2021年にやろうが日本がメダル取る結果は変わらん」と、改めて東京大会への意気込みを語った。

 一方、日本ラグビーフットボール協会専務理事も務める、男子セブンズ日本代表の岩淵健輔ヘッドコーチは、協会からコメントを発表した。

岩淵ヘッドコーチは「今は、新型コロナウィルスの感染拡大が一刻も早く収束することを何よりも優先すべきであり、東京オリンピック競技大会延期はその中で下された決断だと思います」と理解を示し、「オリンピックはアスリートにとって大目標である大会で、ここに向かって打ち込んできた選手・スタッフのメンタル面のケアは何よりも必要なため、しっかりとサポートしていきます」と続けた。

 さらに岩淵ヘッドコーチは、「7人制日本代表が掲げる『桜を咲かせる』というチームフィロソフィーを、しっかり体現していき、オリンピックの価値をより高めるような存在となっていきます」とコメントした。