2月23日の第6節開催を最後に中断していた今季トップリーグが、6節分の42試合を残して打ち切られることが3月23日にリーグから発表された。新型コロナウィルス感染の収束が見えない中で、観客や選手・関係者の安全確保、各チーム所属の外国籍選手への帰国要請の動きや、各チームの企業への影響を考慮して決定されたものだ。

 これを受けて、稲垣選手はツイッターを更新。「中止は非常に残念。しかし、正しい判断をする事が大事。世界の状況を見てもそれは優先すべき事だったと思う」と、今季リーグ戦打ち切りへの理解を示した。

 「ラグビーと命を比べてはいけないと思うが、身の安全を優先するべき」、「いつかまた皆さんの前でプレー出来る日が来る」とコメントし、そして「この状況を皆で乗り越えようぜ」と力強いメッセージを発信した。

 稲垣選手とともに、昨秋のラグビーワールドカップ2019日本大会で日本代表初のベスト8進出を達成した日本代表のチームメイトたちもそれぞれのツイッターで思いを明らかにしている。

SH流大選手(サントリー)は「残念だけど、協会の判断を尊重します」と理解を示しつつ、「心残りは今回引退する選手、移籍する選手がいること」とチームを離れる選手たちへ思いを寄せて、「悲しいけど皆さんも体には十分気をつけてください」とコメントした。

 流選手と所属チームでも同僚のWTB/FB松島幸太朗選手も、「とにかく今は命を大切に!助け合っていきましょう」と書き込み、HO堀江翔太選手(パナソニック)は、「こうゆう時こそPMA (positive, mental, attitude)と投稿して、前向きな姿勢で事態に対応することを呼びかけた。

今回の打ち切りにより、6節まで消化のリーグは不成立となり、順位は確定しない。しかし、トライなど選手の個人記録は残す扱いとなる。

 リーグでは5月9日に予定していたレギュラーシーズンを経て、リーグ戦の上位4チームが5月23日、30日に予定されている日本選手権への出場資格を得ることにしていたが、今回の決定によりチーム選出方法も変更。リーグでは新たな大会方式を含めて検討する予定だ。

 ジャパントップリーグ2020は昨秋のラグビーワールドカップ2019日本大会の開催を受けて、例年よりも数か月遅れて1月12日に開幕。ラグビー人気上昇を受けて、第6節までを終えて、2018-19年シーズンの49万人に近い約42万人の観客を集めていた。