6日に行われた第1戦からメンバーを大きく入れ替えて臨んだ日本は、試合開始早々にSO丸山凛太朗選手(東海大学)が逆サイドへのクロスキックでワイドに展開を試みるなど攻撃への強い意欲を示していたが、その姿勢をリザーブメンバー含めたチーム全体で試合を通して体現した。

 どんよりとした雲が垂れ込めた、雨交じりのウェットな条件の中、日本は立ち上がりからテンポよく攻め、前半10分にキックオフ直後に見せたクロスキックからWTB木田晴斗選手(立命館大学)が左サイドを駆け抜けて先制トライを決めた。

 第1戦でフィジー・ウォリアーズに5-29で敗れて、今大会初勝利を期していたサモアだが、試合序盤こそスクラムで日本を押し返す場面も一部で見られたものの、全般にはスクラムやブレークダウンで日本に優位に立たれて苦しい展開に。ボールを獲得しても日本の中盤を崩せず、キックを使って相手陣内に攻め込む機会を探るが、日本にボールを奪われて思うような展開には持ち込めない。

 日本は前半20分に相手22メートル内へ攻め込み、ゴール前のラックから出たパスを受けてヴァイレア選手がインゴールに持ち込んで5点を加えると、その3分後には相手陣内深い位置でのラインアウトからモールで押し込んでHO松岡賢太選手(明治大学)が押さえた。チームはこの2連続トライでペースを掴んだ。

 サモアは27分に10メートルライン付近で得たペナルティで3点を返したが、日本はその直後のリスタートから攻め込み、FW陣が相手にプレッシャーをかけ続けた。

29分にはLOナイバルワガ・セタ選手(天理大学)、その5分後にはヴァイレア選手がこの日2本目のトライを決めた。丸山選手のコンバージョンもすべて成功して、ハーフタイムには35-3と大きくリードを奪った。

 日本の勢いは後半も変わらず、多彩な攻撃を見せる。再開早々にキックオフから攻め込み、ボールをつないでWTB江本洸志選手(天理大学)がインゴールで押さえ、その4分後には丸山選手のチップキックで相手の裏を取り、最後はFB二村莞司選手(帝京大学)がトライを決めた。

 さらに50分には、ヴァイレア選手がラインアウトからのモールで持ち込みハットトリックを達成。21歳FWの勢いは止まらず、57分にもモールで押し込んでラインを超え、その直後には自らの突破で相手陣内に起点を作るプレーを見せ、59分にはラックから出たパスを受けてこの日自身5本目のトライを決めた。実に10分弱で3本のトライをマークした。

 日本は63分に途中出場の小林賢太選手(早稲田大学)、73分にベンチスタートした谷口永遠選手も5点ずつを加え、合計12トライの猛攻で相手をペナルティゴール1本のみの、ノートライに抑えて、今大会2連勝とした。

 キャプテンを務めたCTB李承信選手(帝京大学)は「サモアはとてもフィジカルで、プレッシャーをかけてきた」と振り返り、大差をつけての勝利について「雨で滑りやすかったが、自分たちのアタッキングラグビーができたのが大きい」と話した。

 サモアのPR Noel Junior Collin Sanft選手は「日本については数日前からはプレーの特長などを話し合っていたが、残念ながら僕らは適応できなかった。それに、彼らは今日すごく良かった」と負けを認めた。

 次の最終戦ではホスト国のフィジー・ウォリアーズと対戦する。フィジーはこの日の第2試合でトンガに47-0の完封勝利。2連勝をマークした。

フィジーは日本と同率で並んでいるが、得失点差で日本が上回り、4チームの首位を維持している。

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