初日のプール戦で南アフリカに0-12、イングランドに0-29と2戦連続で完封負けし、第3戦でアルゼンチンに終了間際にリードを奪いながら最後の最後に同点にされて14-14で勝利を逃した日本は、1分2敗の3位で9位以下の順位決定戦準々決勝へ進み、プールD4位のサモアと対戦した。

 今季ここまで参戦した4ラウンドで最高位は第3、第4ラウンドでの14位。勝利で順位を上げたい日本だったが、サモア戦ではキックオフボールの獲得やタックルが決まらずに苦戦。19-50で大敗した。

 開始早々2分でサモアにトライを許したが、1分後に今大会キャプテンを務めた吉澤太一選手のトライで追いついたが、4分にPaul Scanlan選手、7分にはMelani Matavao選手にトライを許してしまい、前半を7-24で折り返した。

 立て直したい日本は後半2分、パスをつないで最後は津岡翔太朗選手がインゴールに持ち込んで12-24とした。しかし、その後もボール保持で苦戦。直後にMalachi Unasa-Knox選手にトライで再びリードを広げられた。

 林大成選手のトライで食い下がるものの、終盤立て続けに3トライを奪われてしまい、結局8本のトライと5本のコンバージョンを与える大敗となった。

 13位決定戦準決勝にまわった日本は、アイルランドと対戦。アイルランドはスペインに26-28と惜敗後、ケニアに14-12で競り勝ち、ニュージーランドに24-33と敗れてプールC3位になり、9位決定戦準々決勝でフランスに21-22と競り負けるなど、今大会接戦を繰り返してきていた。

 日本は開始2分にJack Kelly選手に抜け出され、4分にはFoster Horan選手にステップでかわされて、アイルランドに連続トライを許して14点ビハインドになる。

 しかし前半終了間際に、左サイドのラインアウトから南昂伸選手が左タッチライン際を駆け抜けてトライを決め、吉澤選手のコンバージョンも決まって7点差で折り返した。

 日本は後半早々に再びラインアウトのチャンスを活かし、パスをつなぐと左サイドでティモ・スフィア選手が抜けて左タッチラインを駆け上がってきた松本純弥選手にパス。19歳の松本選手が5戦目でシリーズ初トライをマークして、日本は12-14と2点差に迫った。

 しかし試合終盤、日本はスクラムでボールを失うと、アイルランドが攻撃を展開。日本は守備で食い下がったが、最後にJordan Conroy選手に突破されて5点を加えられ、コンバージョンも決められて、日本は12-21で敗れた。

優勝はNZL、開催国カナダは3位の活躍

 優勝はオーストラリアとの接戦を17-14で制したニュージーランドで、今季3度目のトロフィー獲得となった。

前半3分に先制したオーストラリアは、8分にMaurice Longbottom選手がハーフウェイライン付近から足を活かして抜け出し、5点を加えて14-5とリードを奪った。だがニュージーランドの攻撃を受けて自陣でペナルティを繰り返すようになり、8分にイエローカードを受けて数的不利になる。

準々決勝でフィジーを17-5で下し、準決勝では南アフリカを27-15で退けて決勝に進んできたニュージーランドは、相手の隙を逃さない。すかさずAndrew Knewstubb選手がトライを決め、コンバージョンも成功して12-14に詰め寄る。さらに攻勢を強めると、オーストラリアは自陣でペナルティを繰り返し、10分に再びイエローカードが出された。

一時的に5人になったオーストラリアに、ニュージーランドは即座にJoe Ravouvou選手がトライを決めて17-14と逆転に成功した。

粘るオーストラリアは、残り時間2分を切って相手ゴール目前に迫ったが最後のパスがスローフォワードとなり、万事休した。とはいえ、オーストラリアは今季ベストの結果を生み出した。

今大会を盛り上げたのは開催国のカナダ。BCプレイス競技場で35,027人が見守る中、準々決勝でスペインに21-0で快勝。準決勝ではオーストラリアに19-14で惜敗したが、3位決定戦で南アフリカを相手に激闘を演じて、26-19の勝利で今季最高の3位に入った。

決勝の最優秀選手にはニュージーランドのKnewstubb選手が選ばれた。

 オーストラリア、南アフリカともに2本ずつトライとコンバージョンを決めて前半を14-14で折り返すと、ハーフタイム直後にオーストラリアがJustin Douglas選手のこの試合2本目のトライでリードを広げ、12分にはNathan Hirayama選手が左サイドに飛び込んで26-14とした。南アフリカは終了直前に1トライを返したが、ハードな守備も光ったカナダが勝利をつかんだ。

この結果、ニュージーランドが勝点を115に伸ばして総合首位をキープ。今大会4位で終えた南アフリカは2位のままだが、首位との差は4から11に広がった。

 今季初の準優勝となったオーストラリアは勝点を81に伸ばして順位も2つアップして4位に浮上し、総合3位のフィジーとの差を2に詰めた。フィジーは今大会7位で終了したが総合3位は維持した。また、今大会3位に入ったカナダも順位を2つ上げて10位とした。