昨年12月にドバイで始まったシリーズも、全10ラウンド中、先週末にロサンゼルスで行われた第5ラウンドで前半戦を終了し、今回の第6ラウンドから後半戦に入る。

 その節目となった第5ラウンドの決勝では、南アフリカがフィジーと対戦。南アフリカはフィジーに立て続けに3トライを許す苦しい展開になったが、レギュレーションタイム終了時には24-24に。そして、延長でリオデジャネイロ・オリンピック金メダリストを29-24で下す大逆転を演じた。

この結果、開幕ラウンドに次ぐ今季2度目の優勝を遂げた南アフリカは、勝点を89にアップ。勝点93で首位を走るニュージーランドとの勝ち点差を4差に縮めた。昨季総合優勝のフィジーも決勝進出で勝点を72に積み上げ、4位フランス(勝点67)を抜いて3位に浮上した。

 一方、2014年以来の総合優勝を狙うニュージーランドは、今季開幕ラウンドで南アフリカに敗れて2位スタートの後、ケープタウンでの第2ラウンド、地元ニュージーランドでの第3ラウンドを連覇。シドニーでの第4ラウンドこそ5位だったが、先週末のロサンゼルスではオーストラリアとの3位決定戦を制した。

前半戦5ラウンド中4ラウンドでトップ3に入っており、ほぼ安定したパフォーマンスを続けているが、リードは僅差。今回、南アフリカより下位に終われば首位の座を明け渡すことになる厳しい状況だ。

だが、ニュージーランドのStone Molia選手は「上位の差が縮まってきているが、エキサイティングだ」と激闘を歓迎。「まず初戦に焦点を当てる。先週のように良いスタートを切れれば良い勢いを得て、良い状態で大会を戦い抜ける」と自信を見せた。

 現在総合4位のフランスは、ケープタウンとニュージーランドで3位、2位に入った実績があり、同5位のイングランド(勝点64)は開幕のドバイで3位に入り、ニュージーランドとシドニーで4位に入った。上位との差がまだ開いていないだけに、ここが踏ん張りどころだ。

 今回のプール組み合わせでは、南アフリカはプールAでイングランド、アルゼンチン、そして日本と同組。フィジーはプールBでフランス、開催国のカナダ、ウェールズと、また、ニュージーランドはプールCでアイルランド、スペイン、ケニアと対戦。プールDではオーストラリア、アメリカ、サモア、スコットランドが顔を合わせる。

 昨年のバンクーバー大会を制した南アフリカは、今大会の初戦で男子セブンズ日本代表と対戦する。

今回の南アフリカのスコッドには、先週の決勝戦で延長決勝トライを決めたSakoyisa Makata選手をはじめ、シリーズ通算100トライが目前のChris Dry 選手(97トライ)とBranco du Preez選手(96トライ)らを擁している。

その一方で「今回は東京オリンピックを見据えた準備も要素もある」(南アフリカ主将Stedman Gans選手)として若手も数人加え、先週末の好調を維持しながら新たな上積みを期待している。

 同じく東京オリンピックへ向けて強化を図っている日本は、南アフリカ戦後、イングランド、アルゼンチンと戦う。

日本は今季ここまで第1ラウンドから第4ラウンドまで連続参戦して、最下位16位スタートから、15位、14位、14位という成績。だが、2月のHSBCワールドラグビーセブンズ・チャレンジャーシリーズでは総合優勝を遂げて、ワールドシリーズ昇格に一歩近づき、最終ラウンドでの優勝で来季昇格を目指している。

今回バンクーバー大会へのメンバーには、小澤大選手やトゥキリロテ選手、坂井克之選手ら馴染みの顔ぶれのほかに、19歳の松本純弥選手、20歳の南昂伸選手の若手2人が初めて名を連ねた。チームは3月2日に現地に入り、調整を続けてきている。

男子セブンズ日本代表試合登録メンバー:1、トゥキリ ロテ(近鉄)、2、ティモ・スフィア(朝日大学)、3、桑水流裕策(コカ・コーラ)、4、小澤 大(トヨタ自動車/日本ラグビーフットボール協会)、5、津岡翔太朗(コカ・コーラ)、6、中川和真(キヤノン)、7、坂井克之(豊田自動織機)、8、林 大成(日本ラグビーフットボール協会)、9、石田吉平(明治大学)、10、吉澤太一*(コカ・コーラ)、11、松本純弥(明治大学)、12、南 昂伸(大東文化大学)、13、山内俊輝(リコー/日本ラグビーフットボール協会)

注:*はキャプテン