ラグビーワールドカップで4トライを挙げ、日本の初のベスト8進出にも貢献した福岡選手が、かねてより出場の意向を示していたセブンズでの東京オリンピック出場へ向けて、ついに動き出す。

 日本ラグビーフットボール協会が1月17日(金)に発表した、男子セブンズ日本代表の五輪トレーニングスコッドの追加メンバー6人に、福岡選手も名を連ねた。

 当初はワールドカップ後のセブンズ転向を囁かれていたが、ラグビーワールドカップでの盛り上がりを受けて、「所属チームからずっと(代表チームへ)出してもらっていて、チームに貢献せずに(セブンズへ)行ってしまうのは、煮え切らない思いがあった」と福岡選手。そこでトップリーグの新シーズンが始まって、「まずはしっかりチームの勝利に貢献できたら」と、パナソニックでプレーしてからと若干軌道修正をした。

 男子セブンズ日本代表を率いる岩渕健輔ヘッドコーチは、15人制と7人制の競技性の違いを指摘。セブンズへ順応するための準備にある程度の時間も必要だとして、セブンズへ希望者へ「できるだけ早くきてほしい」と、メディアを通じてもメッセージを送っていた。

 セブンズ日本代表は1月16日からHSBCワールドシリーズの第3ラウンド、第4ラウンドへ向けて出発。福岡選手は、その間に24日から国内で行われる候補選手による合宿に参加する。「戦術の落し込みもあると思う。しっかりと併せていきたい」と話していた。

 セブンズ日本代表は、ワールドシリーズ第4戦の後、2月にはチリとウルグアイで行われるワールドラグビーセブンズチャレンジャーシリーズに出場する。来季のワールドシリーズへの出場権を争う予選大会で、4月に香港で行われる最終予選で勝てば昇格となる。

 福岡選手は18日に行われたトップリーグ第2節のトヨタ自動車ヴェルブリッツ戦でも、チームの勝利に貢献する試合終盤のトライをマークした。

 後半37分、22-28で6点差を追うトヨタが自陣22メートルライン内からパスをつないで反撃を試みたが、パスが乱れた。その一瞬を福岡選手は逃さなかった。鋭く反応してボールを奪い、踵を返すとインゴールへ猛ダッシュ。そのまま走り込んでトライを決めた。

 俊足ウィングはその6分前にも26-22とリードを奪うトライをお膳立てしている。

左の大外でボールを受けて、相手選手4人を交わしながら突き進む。ウィリー・ルルー選手のタックルを受けたが、右へつないだ。チームはそのまま右へ展開。WTB竹山晃暉選手が受けてインゴールへ持ち込み、リードを広げる5点を奪った。

  福岡選手は「やるからにはオリンピックでメダルを目指す。そのための準備をしたい」と語った。

 なお、18日にはトップリーグ第2節で6試合が行なわれ、トヨタ自動車対パナソニック千は、トップリーグ史上最多となる37,050人が訪れた。

男子セブンズ日本代表トレーニングスコッド 追加選手:

ジョー・カマナ(マツダブルーズーマーズ)

ティモ・スフィア(朝日大学)

カヴァイア・タギベダウア(白鴎大学)

フィシプナ・トゥイアキ(セコムラガッツ)

ソシセニ・トコキオ(豊田自動織機シャトルズ)

福岡堅樹(パナソニックワイルドナイツ)