日本代表がジョセフヘッドコーチの下で次の2023年フランス大会へ向けて歩み出すことになった。

 地元開催となった2019日本大会で、アイルランドやスコットランドを含むプール戦を4戦全勝で首位突破し、初の8強進出へ導いたジョセフヘッドコーチは、世界的にもその手腕が評価され、ワールドラグビーの年間最優秀コーチ賞にもノミネートされた。

 日本ラグビー協会の首脳陣は大会開幕前から大会中にもジョセフ氏続投の希望を口にしていたが、本契約に至らないまま大会を終了。出身のニュージーランド代表のヘッドコーチ候補者リストにも名前が挙がり、契約の行方が注目されていた。

 日本協会が11月18日(月)発表した内容によると、ジョセフ氏との契約更新は16日(土)に決まり、新たな契約期間は2020年1月1日から2023年12月31日までとなる。

 日本代表は今回のワールドカップには開催国として出場し、8強入りしたが、4年後のフランス大会には予選を勝ち抜いて出場権を獲得しなければならない。

 ジョセフヘッドコーチは、「目標としていたベスト8を達成したが、その先を見据えると、まだまだやらなければならない課題がある。そのためにも、私はもう一度日本代表と一緒にチャレンジする道を選んだ。今まで以上にチームを強化していきたい」と日本協会を通じてコメントした。

 ジョセフヘッドコーチは、自身もオールブラックスで1995年ワールドカップを含めて20キャップを獲得した元FWで、1990年代半ばから福岡サニックス(現・宗像サニックス)でプレーし、日本代表選手として1999年ワールドカップにも出場した。指導者としては、マオリ・オールブラックスやハイランダーズでも指揮を執り、2015年にはスーパーラグビー優勝に導いた。

 今月21日に50歳になるジョセフ氏は日本について、「日本は選手として、そして今はコーチとして私のラグビーキャリアの中で大きな役割をはたしてくれた存在だ」と思いを吐露。日本協会や日本のファンの支援に対して「とても意義のあることであり、深く感謝している」と話した。

 2019年日本大会ではチームをONE TEAMとしてまとめて、選手たちの潜在能力を引き出した。

「今年のチームの面々は皆がONE TEAMになって共に考え、ハードワークし、また、スマートに取り組むことでラグビーという競技の中で、どんなことが成し遂げられるかを世界に示した」と、大会を振り返った。

 さらに、今後の日本代表の選手層強化を念頭に、若手へメッセージも送っている。

 「次のワールドカップに向けての準備は今日から始まっている。2023年のONE TEAMの一員になりたいと思っている若い選手も、今から挑戦を始めることが大切だ」

 日本協会の森重隆会長は、「日本代表ヘッドコーチに就任後、わずか3年で日本代表を世界レベルにまで強化してくれた手腕を高く評価している」とコメント。

「今回の日本大会で初のベスト8進出に導いてくれたことで、世界一の背中が見えてきた。これからの4年間、さらに日本代表を強化してくれることを期待している。ジョセフ氏の指導で、この先の日本代表がどこまで強くなるのか、非常に楽しみ」と強い期待をしめした。さらに「2023年フランス大会で、今大会以上の成績を挙げるためにも、日本協会はジョセフ氏を信頼し、全面的にサポートしていく」と語っている。