日本男子チームはニューカレドニアに50-0の完勝でプール初戦をスタートした後、フィジーに0-31と敗れたものの、第3戦でニュージーランドに17-14で競り勝った。ニュージーランド戦は、2016年リオデジャネイロ・オリンピックに続いての連勝となった。

 その後、ニウエに31-0で勝利して準決勝へ進出したが、そこで再びフィジーと対戦。そこでも0-33の完封負けで3位決定戦へまわり、最後はサモアに26-21で競り勝って3位に入った。

 「フィジーとニュージーランドに勝つことを目標に大会に臨んだ」と話す松井千士主将(サントリー)は、ニュージーランド戦の勝利を「接戦を制して、自分たちの自信や成長につながった」と評価した。

しかし、リオ五輪金メダリストのフィジーに、プール戦と準決勝での顔合わせに「どちらも完封負けで課題が残った」と、松井選手は悔しがった。

 男子セブンズ日本代表ヘッドコーチで今回SDSを率いて臨んだ岩渕健輔ヘッドコーチも、「世界トップ2のニュージーランドとフィジーに勝つという目標の一つは達成した」と。

「自分たちのパフォーマンスのベースとなるボールポゼッションが安定せず、規律に乱れた出たことは大きな反省材料」と厳しい評価。大会後も11日まで続けるフィジー合宿で「すぐに修正したい」と早急な對應を口にした。

日本は12月5-7日に今季のHSBCワールドセブンズシリーズがドバイで幕を開けるが、開幕戦へセブンズ日本代表として招待参加し、プール戦で再びフィジーとの対戦が決まっている。早々に訪れる再戦の機会に、松井選手は「ドバイセブンズでリベンジできるように準備していきたい」と、次のターゲットに目を向けていた。

 今回のオセアニアセブンズは、来年の東京オリンピックの予選を兼ねて実施された。

男子の部では、すでに出場権を獲得しているフィジーやニュージーランド、開催国の日本は別のプールに振り分けられ、残り10チームが2組に分かれて1回戦総当たりで対戦し、各組1位同士で出場枠1つを競った。

男子は決定戦でオーストラリアがサモアと対戦し、ハーフタイムに0-12ビハインドとなりながらも後半の逆転で19-12と競り勝った。

また、アフリカからはケニア男子セブンズ代表が、ラグビーアフリカセブンズチャンピオンシップ決勝でウガンダを29-0で下して優勝。出場権を獲得した。

これで開催国の日本に加えて東京五輪出場を確定させた男子チームは、昨季のワールドシリーズで上位4位に入ったフィジー、アメリカ、ニュージーランド、南アフリカのほか、地域予選を勝ち抜いたアルゼンチン、カナダ、イギリス、オーストラリア、ケニアとなった。アジア代表の1枠は11月23-24日に韓国の仁川で行われるアジア地域予選で決まる。

女子SDSはミスを修正できず

女子も男子と同様に日本はSDSで出場し、2016年五輪優勝のオーストラリア、ニュージーランド、開催国の日本など既に出場権を獲得しているチームがプールAで対戦した。

日本はプール初戦でニュージーランドに0-26と敗れ、第2戦ではカナダに12-5と勝利したが、第3戦でオーストラリアに10-28で黒星に。7-10位決定戦にまわると、そこでバヌアツに39-0で勝って7位決定戦へ進んだが、カナダとの再戦を5-10で落して8位で終わった。

 キャプテンを務めた大黒田裕芽選手(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)は、「アタックでもディフェンスでも自分たちから勝負を仕掛けることに取り組んできたが、相手に仕掛けられることが多く、その中でスキルや判断のミスを大会の中で修正することができなかった」と振り返り、「うまく行かない時でもミスが起こっても修正できるように、次に向けて強化していきたい」と語った。

 チームを率いた女子セブンズ日本代表の稲田仁ヘッドコーチは、「ワールドシリーズアメリカ大会後に新たに取り組んできたことを発揮して勝利することを目標に戦ったが、成果と課題が改めて明確になった。1つ1つ改善するために、選手、スタッフ一丸となってハードワークしたい」と話した。

 次の大会参加は12月5-7日のHSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズの今季第2戦ドバイ大会で、日本代表として招待出場する。

 なお、女子の五輪予選を突破したのはフィジーで、予選決定戦でパプアニューギニアを36-0で破って五輪出場決定9番目のチームとなった。男女揃っての出場となる。

 また、アジアでは女子の地域予選が中国で行われ、決勝で香港に33-0と圧勝した中国が初の五輪出場を決めた。

 この結果、女子は開催国の日本のほか、昨季のワールドシリーズで上位4位に入ったニュージーランド、アメリカ、カナダ、オーストラリアと、地域予選を突破したブラジル、イギリス、ケニア、フィジー、中国の出場が確定した。

12チームで争われる本大会へ残る2枠は、来年行われる世界敗者復活戦で決定する。