オセアニア・セブンズ・チャンピオンシップは、この地区の五輪予選を兼ねており、男女とも1枠をめぐって11月7日(木)から9日(土)の3日間、フィジーの首都スヴァのANZスタジアムで開催される。

女子は12チームが出場し、そのうちの大会ホストのフィジー、国際大会初参加のバヌアツ、ナウル共和国、ソロモン諸島がプールB,パプアニューギニア、サモア、クック諸島、トンガがプールCで戦い、それぞれの1位同士で五輪出場権を争う。

女子日本チームはその大会で、昨季のHSBCワールドシリーズで上位4位に入ってオリンピック出場権を確保したニュージーランド、カナダ、オーストラリアとプールAで対戦する。

今季のワールドシリーズへの昇格復帰を逃した日本にとっては、東京2020の本番へ向けて課題を見つけて強化を図るには、海外勢との対戦機会は不可欠。オセアニアセブンズは、大学生を中心とした若手が対象の7月のユニバーシアード競技大会、8月末から9月に行われたアジアセブンズシリーズ、10月のワールドシリーズ開幕ラウンドのアメリカ大会に続く、貴重な実戦強化の機会だ。

オセアニアセブンズの後には、12月5-7日にドバイで行われる女子ワールドシリーズ第2ラウンドへの招待参加が決まっている。世界トップレベルのシリーズ参戦を前に、今回のオセアニア大会で課題の修正と積み上げを図りたい。

ユニバーシアード、アジアセブンズシリーズでは優勝。ワールドシリーズ開幕戦では、ニュージーランド、イングランド、ロシアに連敗して回ったチャレンジトーナメント1回戦でフィジーに21-19で勝利。9位決定戦でイングランドに14-36と敗れて10位で終了。徐々に歩みを進めている。

女子セブンズ代表の稲田仁ヘッドコーチは、「ユニバーシアードやアジアシリーズを通してセットプレーの強化や、日本の目指す攻撃の方向性を明確にして、精度を上げることに取り組んできた」と説明。

ワールドシリーズ開幕戦では「キックオフに課題が残ったが、セットプレーには取り組んできた成果が見られた。ラインブレイクの回数が増えて、目指す攻撃を出せたシーンではトライを奪うことができた」と手応えを覚えている。

その一方で、日本指揮官は「勝負どころでのボールロスト、ディフェンス」を課題に挙げた。

オセアニアセブンズ後は、女子セブンズ日本代表として12月5-7日にドバイで行われる女子ワールドシリーズ第2ラウンドへの招待参加が決まっている。世界トップレベルのシリーズ参戦を前に、今回のオセアニア大会で課題の修正と積み上げを図りたい。

フィジーでの今大会には、日本は女子セブンズディベロップメントスコッド(SDS)と呼ばれる、代表候補選手を中心にしたスコッドで参戦。しかしながら、女子セブンズ代表の中村知春選手や、今回主将を務める大黒田裕芽選手、バティバカロロライチェル海遥選手ら代表としてお馴染みのメンバーに加えて、高校3年の香川メレ優愛ハヴィリ選手やユニバーシアードで当確を現した白子未祐選手や室越香南選手らが名を連ねている。

稲田ヘッドコーチは、「攻撃の継続という部分には大会を通してフォーカスしていきたい。勢いのある速い連続攻撃を見せたい」と話して選手たちのパフォーマンスに期待している。

さらに今後は、来年の本大会を見据えて選手たちの課題や状態に応じて、さらに細かな強化策の導入を図りたいと話し、「各選手、チームにとって本当に必要な、パフォーマンスアップにつながることに取り組むことを考えている」と話す。

 

男子はフィジー合宿を経て出場

 男子セブンズ日本代表も、女子と同様にSDSとしてオセアニアセブンズに出場する。狙いは同じく国際舞台でのチーム強化にほかならない。

男子代表チームは昨季のワールドシリーズに参戦したが、思うような成績を上げられずに降格となり、今季への出場権を逃した。今季は12月5-7日の男子ワールドシリーズ開幕ラウンドのドバイ大会など、いくつかの世界戦への招待参加が決まっており、オセアニアセブンズは、優勝したアジアシリーズ後、ドバイ大会を前にしたチェックポイントとなる。

男子SDSチームは女子より早く10月26日からフィジーで合宿を実施。現地の地形を活かしたトレーニングや地元チームとの練習試合などを重ねてきた。

 オセアニアセブンズでは、女子同様に五輪予選も兼ねており、サモア、クック諸島、諸島、ソロモン諸島、ツバル、パプアニューギニアがプールB、オーストラリア、トンガ、ナウル、アメリカ領サモア、バヌアツがプールCで対戦。各組首位の対戦で勝者が五輪出場権を獲得する。

一方、日本はすでに出場が決まっているフィジーとニュージーランドと同組で、ニューカレドニア、ニウエも加わってプールAで戦い、このプールの1位と2位で勝者を決める。合宿の成果がどこまで出るのか、注目だろう。

 

女子SDS試合登録メンバー:1.中村知春、2.大黒田裕芽*、3.バティバカロロライチェル海遥、4、白子未祐、5.堤ほの花、6。バティバカロロアテザ優海、7.原わか花、8.香川メレ優愛ハヴィリ、9.鈴木彩夏、10.小笹知美、11.室越香南、12.伊藤優希

男子SDS試合登録メンバー:1.ボークコリン雷神、2.彦坂匡克、3.石垣航平、4.津岡翔太郎、5.山内俊輝、6.桑水流裕策、7.後藤輝也。8.松井千士、9.加納遼大、10.藤田慶和、11.林大成、12.本村直樹*

注:* はキャプテン