【横浜・11月2日】強豪復活だ!6週間に及んだ大会はクライマックスの決勝を迎え、南アフリカが2007年の決勝対決に続いてイングランドを32ー12で下した。初出場した1995年大会と合わせ、ニュージーランドに並ぶ大会最多タイとなる3度目の優勝を飾った。

1次リーグで黒星(1敗)を喫したチームとしては初めてのタイトルで、決勝に進んだ3度は負けなしとなった。開始21分で両軍のFW3人が負傷退場する激しい当たり合いは、ともにキックを多用するが攻めの口火をつかめないまま。

だが南アはスクラムで攻勢に立ってPKを得るとSOのハンドレ・ポラードが10、26、39、43分、後半6分と先へ先へと5PGを決めて15-6とリードした。

さらに手に汗を握るPG戦が続き、18ー12と迫られた南アだが、26分に待望のトライをものにした。WTBのマカゾレ・マピンピが左タッチ際を突進してゴール前にパント。

追走して拾い上げたCTBのルカニョ・アムから再びマピンピがもらって左中間に押さえた。自身今大会5本目となる勝利を決定づけるトライとなった。気落ちした相手を尻目に、南アは残り6分にも小兵WTBのチェスリン・コルビのトライでダメ押しした。

「僕たちの国にはいろいろな問題がある。いろいろなバックグラウンドや民族から選手が集まり、一つの目標に向かって一丸となった」と南アフリカ初の黒人主将のシヤ・コリシ。

「監督が『われわれは自分たちのために戦っているのではない。母国の人々のために戦っているんだ』と言っていて、今日はその通りの戦いがしたかった」と振り返った。

名将エディー・ジョーンズ率いるイングランドは、初めて1次リーグ敗退の屈辱をなめた前回大会から立ち直り、オーストラリア、ニュージーランドの南半球勢などを連破して4度目の決勝に進んだ。

だが南アには予想外にスクラムを圧迫されて地力を発揮できなかった。CTBのオーウェン・ファレルの4PGで先行する南アに必死に食らいついたが、一度もリードすることなく最後は力尽き、2度目の制覇はならなかった。

唯一のトライチャンスだった前半30分過ぎも南アフリカの堅いディフェンスに阻まれた。

ジョーンズ監督は「選手の頑張りは素晴らしかったが、今日は優勢に試合を進められなかった。この大会全体を通しハードワークしてきた選手の準備を責めることはできない。今日は単純に力が足りなかったし、傑出したパフォーマンスを見せた南アフリカにおめでとうと言いたい」と言葉をつないだ。

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