【東京・11月1日】ワールドラグビーは、権威ある2019年ワールドラグビー男子、女子それぞれの15人制プレーヤーオブザイヤーの候補を発表した。表彰者は、11月3日に東京のプリンスパークタワーで開かれるワールドラグビーアワードで発表される。

国際ラグビーにとって、今年はとても特別なワールドカップ2019を頂点とする素晴らしい年となっているが、最終的にノミネートされたのは、この1年間、それぞれの妙技で世界中のファンの心を躍らせるとともに元気づけたプレーヤーたちだ。

マスターカード協賛のワールドラグビー男子15人制プレーヤーオブザイヤー候補者は以下の通り:ピーターステフ・デュトイ(南アフリカ)、トム・カリー(イングランド)、アルンウィン・ジョーンズ(ウェールズ)、チェスリン・コルビ(南アフリカ)、アーディー・サベア(ニュージーランド)、ジョー・タウフェテエ(アメリカ)

マスターカード協賛のワールドラグビー女子15人制プレーヤーオブザイヤー候補は以下の通り:サラ・バーン(イングランド)、ポリーヌ・ブルドン(フランス)、ケンドラ・コックセッジ (ニュージーランド)、ケーティー・デーリー・マクリーン(イングランド)、エミリー・スカラット(イングランド)

 候補者は往年のスタープレーヤーがずらりと並ぶ2つのワールドラグビーアワードパネルによって選出された。

男子パネルのメンバーは、ワールドカップ優勝経験者のリッチー・マコウ、ジョン・スミット、ジョージ・グリーガン、マギー・アルフォンシ、メロディー・ロビンソンのほか、フィオナ・コグラン、ブライアン・オドリスコル、ファビアン・ガルティエ、アグスティン・ピチョット、セイララ・マプスア。

女子パネルのメンバーはワールドカップ優勝経験者のメロディー・ロビンソンとダニエル・ウォーターマンのほか、ワールドラグビー殿堂入りを果たしているリザ・バージェスおよびリン・キャントウェル、フィオナ・コグラン、ガエル・ミニョ、ジリオン・ポッター、カール・テナナ、それにジャーナリストのスティーブン・ジョーンズ。

国際プレーヤーも、この権威あるアワードの候補者を選ぶ投票を行う機会を持った。

ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は次のように述べた。「ワールドラグビー男子と女子の15人制プレーヤーオブザイヤー賞は、テストマッチ出場選手に対する究極の顕彰で、今年は例外的な数の優れた候補者が選ばれている。これら選ばれる価値があってノミネートされた11人のプレーヤーを祝福したい」

ワールドラグビー男子15人制プレーヤーオブザイヤー候補者

ピーターステフ・デュトイ(南アフリカ)

南アフリカチームの要であるデュトイは、2019年にスプリングボクスが行ったテストマッチ10試合のうち8試合に先発し、RWC2019でのカナダ戦では交代要員だったが出場はしなかった。このそびえ立つような高身長の27歳は、代表歴の浅い時期にはロックとフランカーを務めている。ここ2年は背番号7のフランカーとして定着。運動量の多さと多彩なプレーぶりから、ヨハン・エラスムス監督が選出するメンバー表では真っ先に名前の挙がるプレーヤーの1人である。

トム・カリー(イングランド)

21歳と候補者の中で最年少のカリーは、RWC2019ではブレークダウンで相手を凌駕し数多くのターンオーバーを記録するなど、サム・アンダーヒルとともにイングランドのダイナミックなフランカーコンビを形成している。力強いボールキャリーでオーストラリアとの準々決勝ではプレーヤーオブザマッチに選ばれた。イングランドが2019年に行ったテストマッチ14試合のうち13試合で先発。年初はオープンサイドでプレーしたが、エディー・ジョーンズ監督が見事な采配を振るう中でブラインドサイドに転向した。

アルンウィン・ジョーンズ(ウェールズ)

候補者の中で最年長となる34歳のジョーンズは、2019年、長いキャリアの中でも最高レベルのプレー披露している。今年、彼のキャップ数はウェールズ代表史上最多に達し、ラグビー史上では2位タイとなった。そびえるような長身ロックのジョーンズは、ラインアウトの達人で、試合中は際限なくボールを運ぶ。ウェールズのチームメートを前方へと推し進めるエネルギーには限りがないようだ。ジョーンズは、キャプテンとしてふさわしい役割を果たしており、今年の6カ国対抗戦でウェールズをグランドスラム(全勝優勝)へと導いた。

チェスリン・コルビ(南アフリカ)

小柄なウィンガーのコルビは、踊るようにピッチを駆け巡るその俊足でRWC2019を盛り上げ、体格がすべてではないことを示した。そのフットワークとスピードで相手の守備陣をかき回し、いったん抜け出すとディフェンダーに追随を許さない。スプリングボクスの一員として今週初めに26歳の誕生日を迎えたコルビは、2019年に行われたテストマッチ6試合に先発出場し5トライを挙げており、うち2つはプレーヤーオブザマッチに選ばれたプールステージのイタリア戦で記録した。ウェールズとの準決勝は足首の故障で欠場したが、決勝戦では復帰してチームメートを喜ばせるだろう。

アーディー・サベア(ニュージーランド)

バックローのどのポジションもこなせるサベアのパフォーマンスは、2019年に最高潮に達した。ニュージーランドのテストマッチ10試合のうち8試合に先発し、RWC2019のプールステージのカナダ戦に途中出場した。運動量がものすごく、時としてピッチにサベアが何人もいるような錯覚にとらわれる。ブレークダウンではボールを奪い、相手守備陣に突進したかと思えば、流れるようなアタックの一翼を担い、突如としてフィールドに姿を現す。

ジョー・タウフェテエ(アメリカ)

イーグルスのフッカーとして今年は国際舞台で記録的な年を迎えた。3月のウルグアイ戦でハットトリックをマークするなど、21試合で18トライを決め、フロントローの選手として史上最多のトライゲッターとなった。これは、14年間破られなかったキース・ウッドの記録を上回るもので、要したキャップ数はウッドの3分の1だ。タウフェテエは、アメリカズ・ラグビーチャンピオンシップで大会最多となる6トライを挙げ、RWC2019に臨んだイーグルスの主力として、日本でのテストマッチ4試合すべてに先発した。

ワールドラグビー女子15人制プレーヤーオブザイヤー候補者

サラ・バーン(イングランド)

22歳のバーンは、現代型プロップの典型と言える。飛び出しのスピードや素早い足運び、そしてパワーは、プロップ転向前に第3列を務めていた彼女ならではの資質だろう。2019年は、イングランドのテストマッチ9試合中8試合に先発出場。イングランドは女子6カ国対抗で全勝優勝を達成したが、バーンはそれらの試合すべてに先発し5トライを挙げている。これはイングランドのウィンガー、ジェス・ブリーチに次ぐ記録となった。

ポリーヌ・ブルドン(フランス)

2年連続のノミネート。フランスの現代的なハーフ団の1人で、女子6か国対抗ではスクラムハーフだけでなくスタンドオフとしてもプレーできる器用さを披露した。同大会ではスクラムハーフとして、イングランド戦での2トライを含め3トライを記録、その後2試合はスタンドオフとしてプレーした。素早い足運びとステップのうまさが特徴で、2019年は、フランスの9試合中8試合に先発出場。そのうちの1試合、スーパーシリーズでのニュージーランド戦の勝利に貢献した。

ケンドラ・コックセッジ (ニュージーランド)

ピッチの内外で、周囲への影響力が大きい選手。試合にかける情熱と成功を目指すモチベーションの高さで2015年にも同賞の候補となっている。今年はスクラムハーフとしてニュージーランドの全6試合に先発。ニュージーランドはそのうち5勝している。唯一の敗戦は、スーパーシリーズのフランスとのゲーム。コックセッジはその試合で主将を務め、ブラックファーンズ(ニュージーランドの女子代表)史上2人目の50キャップを獲得した。

ケーティ-・デーリー・マクリーン (イングランド)

候補者のうち最年長となる33歳のデーリー・マクリーンは、イングランドをけん引するスタンドオフ。チームの守護神でありプレーメーカーでもある。2019年の女子6カ国対抗では、ここ3年で2度目の全勝優勝を達成したイングランドの一員として、大会最多の53得点を挙げた。この大会中にデーリー・マクリーンはテストマッチ通算500得点を記録。イングランドでは男子のジョニー・ウィルキンソンとオーウェン・ファレルに次ぐ記録だ。しかし、サンディエゴでのスーパーシリーズは、けがのため欠場した。

エミリー・スカラット(イングランド)

ラグビーワールドカップ2017以後は7人制のゲームに出場していたが、2019年に15人制に復帰しブランクを感じさせない活躍を見せた。6カ国対抗では、全勝優勝したイングランドの4試合に先発し、スコットランドに対し1トライを挙げている。29歳のスカラットはボールのキープ力に長け、自ら相手ディフェンスの穴を見つけて突進し、あるいは巧みにチームメートをスペースに送りだすなどしてチームに大きく貢献した。スーパーシリーズの3試合に先発出場して4トライ、通算43得点を記録している。

同賞は12ある賞のうちの一つ。他には、ワールドラグビー・チームオブザイヤー、ワールドラグビー・コーチオブザイヤー、ワールドラグビー女子および男子7人制プレーヤーズオブザイヤー(HSBC協賛)、ワールドラグビー・ブレークスルーオブザイヤー(チューダー協賛)などがある。

ワールドラグビーの各賞について詳細はこちら。www.worldrugby.org/awards

過去のワールドラグビー男子15人制プレーヤーオブザイヤー受賞者

2018 – ジョニー・セクストン(アイルランド)
2017 – ボーデン・バレット(ニュージーランド)
2016 – ボーデン・バレット(ニュージーランド)
2015 – ダン・カーター(ニュージーランド)
2014 – ブロディー・レタリック(ニュージーランド)
2013 – キーラン・リード(ニュージーランド)
2012 – ダン・カーター(ニュージーランド)
2011 – ティエリー・デュソトワール(フランス)
2010 – リッチー・マコウ(ニュージーランド)
2009 – リッチー・マコウ(ニュージーランド)
2008 – シェーン・ウィリアムズ(ウェールズ)
2007 – ブライアン・ハバナ(南アフリカ)
2006 – リッチー・マコウ(ニュージーランド)
2005 – ダン・カーター(ニュージーランド)
2004 – スカルク・バーガー(南アフリカ)
2003 – ジョニー・ウィルキンソン(イングランド)
2002 – ファビアン・ガルティエ(フランス)
2001 – キース・ウッド(アイルランド)

過去のワールドラグビー女子15人制プレーヤーオブザイヤー受賞者

2018 – ジェシー・トレモリエ(フランス)
2017 – ポーシャ・ウッドマン(ニュージーランド)
2016 – サラ・ハンター(イングランド)
2015 – ケンドラ・コックセッジ (ニュージーランド)
2014 – マガリ・ハービー(カナダ)
2012 – ミケイラ・スタニフォード(イングランド)
2011 – ルース・ミッチェル
2010 – カーラ・ホヘパ (ニュージーランド)
2009 – デビー・ホッジキンソン(オーストラリア)
2008 – キャロル・イシャーウッド(イングランド)
2007 – サラ・コリガン(オーストラリア)
2006 – マギー・アルフォンシ(イングランド)
2005 – ファラ・パーマー (ニュージーランド)
2004 – ドナ・ケネディー(スコットランド)
2003 – キャシー・フロレス(アメリカ)
2002 – モニーク・ヒロバナア (ニュージーランド)
2001 – シェリー・レイ(イングランド)

RNS mk/ci/mi