【東京・11月1日】南アフリカがラグビーワールドカップ決勝(2日・横浜国際総合競技場)でイングランドと対戦するまでの道のり。

プールB第1戦、横浜国際総合競技場、9月22日

ニュージーランド 23-13 南アフリカ

決勝の予行演習とも見られていたこの試合で先に主導権を握ったのはオールブラックス。ハンドレ・ポラードのペナルティーゴール(PG)でスプリングボクスが先制したものの、ポラードは続いて得たペナルティーキックを外す。反撃に転じたオールブラックスは、17連続得点を挙げ一気にリードを広げた。南アフリカもチェスリン・コルビの活躍で巻き返す。そしてピーターステフ・デュトイのトライとポラードのドロップゴールで17-13とすると、残り20分となった試合の行方は分からなくなった。しかし最後は、ニュージーランドがリッチー・モウンガとボーデン・バレットのPGで南アフリカを突き放した。

プールB第2戦、豊田スタジアム、9月28日

南アフリカ 57-3 ナミビア

この2つの南半球のチームの対戦は、いつも一方的な展開となる。スプリングボクスは、フッカーのムボンゲニ・ムボナンビ、ウィングのマカゾレ・マピンピがそれぞれ2トライを挙げるなどして前半だけで31点を積み上げた。プレーヤーオブザマッチに選ばれたロックのルード・デヤハー(下の写真)が傑出した働きを見せ、その後の大事な試合でフランコ・モスタートから5番のジャージーを譲り受けることになる。

プールB第3戦、小笠山総合運動公園エコパスタジアム、10月4日

南アフリカ 49-3 イタリア

事実上、B組2位を決めるゲームとなった。2016年にイタリアに18-20の敗戦を喫したスプリングボクスは、決してアッズーリを甘く見ることはなかった。南アフリカの狙いはクリアーだった。ヘッドコーチのラッシー・エラスムスは、6人のフォワードを交代要員としてベンチに控えさせ、イタリアのフォワード陣をパワープレーで圧倒する戦術を採用した。こうして始まった試合では、イタリアのルースヘッドプロップのアンドレア・ロボッティがドゥエイン・フェルミューレンに対する危険なタックルで退場処分を受けたほか、双方のタイトヘッドプロップがいずれも負傷交代し、アンコンテストスクラムが命じられるという展開になった。2トライを決めたコルビの活躍もあって、ボクスは準々決勝進出を決めた。

プールB第4戦、神戸市御崎公園球技場、10月8日

南アフリカ 66-7 カナダ

スプリングボクスは、グループ最終戦となるカナダとのゲームにメンバーを大幅に入れ替えて臨んだ。新布陣が奏功し、スクラムハーフのコブス・レーナックがラグビーワールドカップ史上最速となる開始21分でハットトリックを達成。南アフリカは、前半だけで47-0とし試合を決めた。

準々決勝、東京スタジアム、10月20日

南アフリカ 26-3 日本

南アフリカは、日本の速いテンポの試合運びに対処できるだろうか?一方、ブレーブ・ブロッサムズは絶対的なパワーを誇るスプリングボクスのフォワードパックを止めることができるだろうか?マピンピの試合開始4分のトライによって前半を5-3で折り返した際に、エラスムスはとてもナーバスだったと後に認めている。だが後半に入ると南アフリカは、ホスト国の代表チームが投じてくるすべてを受け止めた。そして残酷なまでに強固なディフェンスで徐々に相手の勢いを削いでいった。ポラードが3本のPGを成功させリードを14-3に広げると、マピンピ(一番上の写真)とファフ・デクラークが4分の間にそれぞれトライを決めて、日本の快進撃は終わりを告げた。

準決勝、横浜国際総合競技場、10月27日

南アフリカ 19-16 ウェールズ

ウェールズの主将、アルンウィン・ジョーンズはこの試合を振り返って「腕相撲」と形容した。これより適切な表現はない。残り14分の時点でスコアは16-16。その後、スタンドオフのポラードが試合前に予想した通りキックが試合を決めることになる。そのポラードが残り5分を切って角度のないところから30メートルのPGを成功させ、南アフリカがウェールズを振り切った。

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