【東京・10月31日】イングランドのラグビーワールドカップ2019決勝までの道のりを振り返る。

プールC第1戦、札幌ドーム、9月22日

イングランド35-3トンガ

ビリー・ブニポラが強烈なタックルで押しつぶされた瞬間、イングランドはフィジカルの勝負になると認識した。2トライを挙げたマヌ・トゥイランギがチームにひらめきを与えてはいたが、ルーク・カワンディッキーが終了4分前にボーナスポイントを獲得するトライを挙げるまで時間を要した。途中出場したトンガのナシ・マヌにとっては、がん治療を終えてから初のテストマッチという大きな意味を持つ試合となった。

プールC第2戦、神戸市御崎公園球技場、9月26日

イングランド45-7アメリカ

初戦から4日後の試合で、札幌からの移動距離も長く、イングランドにとって難しいゲームになることが予想された。加えて、試合会場の屋根が閉じられたことから80パーセントに上昇した湿度が選手たちに不快感をもたらした。カワンディッキーがまたしてもスコアボードに得点者として自らの名前を載せる活躍を見せ、試合終了10分前にはアメリカのフランカー、ジョン・クイルがオーウェン・ファレルへのハイタックルで退場処分を受けた。終始印象的なプレーを披露したスタンドオフのジョージ・フォードが7トライを奪う快勝を演出した。

プールC第3戦、東京スタジアム、10月5日

イングランド39-10アルゼンチン

トマス・ラバニーニのハイタックルでまたしてもオーウェン・ファレルが狙われるまでは、大方の予想通りタフな試合になりかけていた。ラバニーニの前半18分の退場により、ピッチ上のプーマスのプレーヤーたちにのしかかる負担はあまりにも大きくなった。ファレルのキックは外れたものの、イングランドは6トライを挙げた。カワンディッキーが3試合連続となるトライをマーク(写真)。3試合連続でボーナスポイント付きの勝利を挙げ、イングランドは今大会最初の準々決勝進出チームとなった。この結果、フランスとの最終戦は、プールCの首位を決める戦いとなった。

ールC第4戦、横浜国際総合競技場、10月12日

イングランド 中止 フランス

東日本に接近する台風19号の影響で試合は中止となった。引き分け扱いとなり、両チームに2ポイントが与えられた結果、イングランドのプール首位が確定。チームは温暖で準々決勝の会場に近い宮崎でのトレーニングと、エディー・ジョーンズ監督によれば、絶品の牛肉を楽しむため、九州へ向かった。 

準々決勝、大分スタジアム、10月19日

イングランド40-16オーストラリア

決定的な2トライを挙げたジョニー・メイにとって、この試合はテストマッチ50キャップ到達を祝福する至福の80分間となった。ジョーンズ監督は、敵将マイケル・チェイカ監督との対戦で無敗を保ち7勝0敗とした。ファレルのパフォーマンスは素晴らしく、ゴールを狙う8本のキックすべてを決め、20得点をたたき出した。ブレークダウンではサム・アンダーヒルとトム・カリーが彼らのヒーローだったマイケル・フーパーとデービッド・ポーコックを凌駕した。イングランドが本物の優勝候補であることが認められたゲームでもあった。また、ヘンリー・スレードは、この試合を見たすべての人々に彼のスキルを再認識させた。終盤にはフォードがファレルに代わりスタンドオフを務めた。

準決勝、横浜国際総合競技場、10月26日

イングランド19-7ニュージーランド

3連覇を狙った世界最強チームに対しイングランドがどれほどゲームを支配したかを判断するには、スコアラインだけでは正当な評価は下せない。イングランドの2つのトライが取り消され、脚のけがを抱えていたメイが絶好機を逃すなど、試合内容に関してイングランドはオールブラックスをはるかに上回った。先発に復帰しファレルからキッカーの役割を引き継いだフォードは、この夜の横浜でのショーを演出。ファレルもピッチに残り、ゲームを冷静に計算する「ラグビー脳」をフルに使って作戦を指示し続けた。

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