【東京・10月29日】ラグビーワールドカップ日本大会は、5週間にわたる素晴らしい成果を残し、最後の週末に向けたカウントダウンに入っています。本日、ワールドラグビーと大会組織委員会は、今週末に行われる3位決定戦および決勝戦にて授与される金、銀、銅メダルのデザインを公表いたしました。

 人間国宝の陶芸家、吉田美統(よしたみのり)氏が原画を作成したメダルは、伝統に対する深い敬意と最先端の技術革新を追求する精神の融合という、絶え間なく受け継がれてきた日本のスピリットを凝縮させ、表現したものです。

 ラグビーワールドカップ2019組織委員会CEO・嶋津昭のコメント:

「これらのメダルは、私たちが愛する桜、国中至る所で見られる神社の鳥居、そして富士山頂の日の出という日本を象徴するシンボルを、ウェブ・エリス・カップとラグビーワールドカップ2019のロゴと融合させた素晴らしいデザインになっています。ラグビー界を結び付ける友情と敬意の絆をも表現しています」

 ワールドラグビー会長、ビル・ボーモント卿のコメント:

「ラグビーワールドカップの決勝戦でプレーすることは、間違いなく、ラグビーのトッププレーヤー全員の頂点に立っていることを意味します。本当に美しいこれらのメダルは、いつまでも大切にされることでしょう。将来長きにわたって選手たちに日本の思い出を呼び起こすことでしょう。そして、彼らのチームや日本中、世界中のファンによってラグビーワールドカップの栄光の歴史に新しい1ページが書き加えられることになる今週末の宝物のような記憶が蘇ることでしょう」

 メダルについて

 メダルの表には、日本に古くから伝わる屏風の模様と神聖なる富士山の図柄を円の中に配置したラグビーワールドカップの“団結のグラフィック”と、その上にウェブ・エリス・カップのシルエットが描かれている。このデザインは、日本における人生に幾度となく訪れるテーマ、つまり古代と現代の絶え間ない融合を表現している。

 尊敬の念を表す紫のリボンには鳥居があしらわれている。神社の入り口に立つ鳥居は、日本中どこでも見ることができ、世俗的なものから神聖なものへの転化の象徴として、このメダルによって顕彰される成果を比喩的かつ効果的に指し示している。

 裏面は、日本中でこよなく愛され日本の人々の心情に深く根ざしている桜の花のモチーフが、世界のラグビーコミュニティーを歓迎する日本の団結心を象徴するラグビーワールドカップ2019のロゴ、印象的なワールドラグビーのロゴ、日の出と富士山の図柄とともに描かれている。

 メダルのリボンは、絹糸を組み上げた組紐(くみひも)でできている。組紐は、その柔らかさと耐久性の良さで何世紀にもわたって受け継がれてきており、使われている絹糸は、貴重な素材としてかつては貴族の衣装や高位の武士の武具にも使われた。

 この絹糸は、ラグビーワールドカップ2019の試合が開催された熊本、埼玉、岩手3県の養蚕業者から特別に仕入れたもの。日本で栽培される絹糸は、国内で流通する絹糸の0・38パーセント未満を占めるに過ぎず、その中でも組紐に使用される最高級の絹糸の占める比率はごくわずかであることから、この絹糸は日本の人々の間では真に希少で価値あるものとなっている。

 吉田美統氏は1932年生まれで、世界的に有名な錦山窯(きんざんがま)三代。釉裏金彩(ゆうりきんさい)の第一人者であり、2001年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。1960年代に古都、金沢で練り上げられた釉裏金彩は、幾つもの厚さの金箔を配置して模様を描いていく極めて高度な技法で、日本の陶磁器に使われている。ラグビーワールドカップ2019のすべてのメダルの桜のモチーフは、この技法に触発されて製作されており、吉田美統氏がその監修に当たった。