【東京・10月19日】4年前のイングランド大会。結果的に3位だった南アフリカは、初戦で日本にまさかの逆転負けを喫し、1次リーグ敗退もあり得た。今大会前の壮行試合では41-7で日本に圧勝したが、この準々決勝で「本当のリベンジ」を果たすつもりだ。

ヨハン・エラスムス監督は控え8人のうち、6人をフォワード陣から選び、文字通り得意のフィジカル戦で80分間、日本を攻め続ける戦略だ。

対する日本は、1次リーグで強豪アイルランドとスコットランドを倒した、速くてスリリングなプレースタイルで、世界中の人の心を捉えている。

ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の作戦は、体格のいい南ア選手を走らせ、疲れさせるというものだ。もちろん、エラスムス監督もそれを分かっており、南アも相当なハードワークで対抗する。

「日本のタイトフォワード周辺のスペースを消し、我々の得意とするフィジカル戦、セットプレー、モール、スクラムで勝負する」とエラスムス監督。「当然のことながら、お互い、自分たちのペースで試合を進めようとするだろう」

日本の不安材料と言えば、念願のベスト8達成後、フィジカルでもメンタル面でも一段上に行けるかだ。日本はスコットランド戦から中6日。南アにおいては、カナダ戦の8日以来、約2週間ぶりの試合で日本よりも休養十分だ。

「いろいろな意味で、我々はリセットしなければならなかった」とジョセフHC。「スコットランドとすごいフィジカル戦をした。試合後、2日半をリフレッシュに費やし、3日後にトレーニングを再開した」

「それがすごく良かった。スコットランド戦からの体力回復だけでなく、自分たちが成し遂げたことを味わう時間となったから」と振り返る。

負ければ終わりの戦いを迎える。南アのシヤ・コリシ主将は、大会初戦でニュージーランドに敗れて以来、ずっと負ければ終わりの「やるかやられるか」の状態でいるという。

一方、リーチマイケル主将は「ブライトンの奇跡」を超えるものを想像する。

「4年前の試合で世界が日本に注目して、みんな驚いて、日本のファンの印象にも残っている。今回は生で見せられるチャンス。相手がどうこうより、自分たちがどれだけ強みを出せるかが大事」と強調した。

 

過去の直接対決: 2試合で1勝1敗

2015年W杯と、今年9月の壮行試合の対戦のみ。

注目点: 両チームのスクラムハーフ(SH)

快進撃を続ける日本の中でも福岡堅樹と松島幸太朗の快速WTBが目立っているが、エラスムス監督はSH流大をキーマンとして警戒する。

「9番の選手が日本のゲームを動かしている。大会屈指のブレークダウンを生んでいる」と同監督。

同様に南アのSHファフ・デクラークも強い「スプリングボクス」を支えている。

デクラークは正確なキック、そして変化に富んだプレーでボールを持ったフォワードにボールを繋ぎ、日本を翻弄したい。

 試合登録メンバー

南アは負ければ1次リーグ敗退の危機となった4日のイタリア戦と全く同じメンバー。日本はスコットランド戦からの先発変更はFBのポジションだけ。頭部をけがしたウィリアム・トゥポウが外れ、山中亮平が入る。

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