【東京・10月16日】20日に東京スタジアムで日本と準々決勝を戦う南アフリカは、アフリカーンス語の分かる選手が日本にいて、ピッチでのコミュニケーションが筒抜けになるのではと警戒している。
「アフリカーンスでやり取りするのは、普通なら相手チームが理解できないため、我々の利点になる」と語るのは南アのアシスタントコーチ、ムズワンディル・スティック。
しかし、日本チームにはその言葉が分かるメンバーが3人もいる。いずれも南アのプロリーグでプレーしたことがある、フランカーのピーター・ラブスカフニ、ロックのヴィンピー・ファンデルヴァルト、そしてWTBの松島幸太朗だ。
「南ア生まれの松島を含めたこの3人は、恐らく我々内部の意思疎通が分かるだろう」と同コーチ。
ラブスカフニは「スプリングボクス」(南アの愛称)の一員であるウィリー・ルルーらと一緒にスーパーラグビーでプレーしたことがあるだけでなく、2013年には南ア代表チームのメンバーだったこともある。同代表としてテストマッチ出場の経験はなく、2016年に日本へ渡った。
日本ではクボタやサンウルブズの一員として目覚ましい活躍をし、今回のワールドカップ(W杯)日本大会では1次リーグのアイルランド戦(19-12で勝利)とサモア戦(38-19で勝利)ではゲーム主将を務めた。これまでに56回のタックルを決め、サモアのTJ・イオアネの1次リーグ最多記録67に次ぐ成績を残している。
"It's difficulty to put into words, just really proud of the boys..."@JRFURugby captain Pieter Labuschagne gives humble interview after historic first win over Ireland at #RWC2019#JPNvIRE pic.twitter.com/e2nJaiq5yk
— Rugby World Cup (@rugbyworldcup) September 28, 2019
ファンデルヴァルトは一時期、スーパーラグビーでサザンキングスやブルズの一員としてプレー後、日本のNTTドコモに加入。サンウルブズのスーパーラグビー参戦メンバーとなったこともある。
プレトリアで日本人の母とジンバブエ人の父に生まれた松島は、2013年、南アでシャークスのメンバーとしてプレー。2014年に日本のサントリーに入り、W杯日本大会ではこれまでに5トライを挙げ、ウェールズのジョシュ・アダムズと最多トライ記録で並んでいる。
南アにとっての救いは故障者の復帰。チームで目立つ活躍をした選手の1人であるWTBチェスリン・コルビは、足首を痛めて1次リーグ最終戦のカナダ戦を欠場したが、15日に練習に復帰した。肉離れのSHハーシェル・ヤンチースと膝を痛めたFW第3列フランソワ・ローも練習に参加した。
「次戦の相手が開催国としてプレーに熱が入り、たくさんのファンに応援されているのは承知している」とスティックコーチ。「横浜での試合(日本―スコットランド戦)はホテルのテレビで見ていたが、(ファンの割れるような歓声で)地響きのような振動が感じられた。タフな挑戦になるだろう」
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