ニュージーランドの元女子ラグビー代表で2児の母親でもあるレベッカ・マホニー(36)は最近、国内のトップリーグ「マイター10カップ」の試合でレフェリーとしてデビュー、同リーグ初の女子審判となった。育児の傍ら、農場でも働いており、ワークライフバランスを実現。2年後に迫った母国開催の女子ラグビー・ワールドカップ(W杯)でもピッチ入りを目指している。

マホニーが審判への転身を決めたのは2015年。ニュージーランドの女子代表「ブラックファーンズ」の1員として16回のテストマッチ出場を果たし、女子W杯では2回の優勝を経験している。初のレフェリーについては、「チャレンジ以外の何物でもなかった」という。「でも本当に楽しく、試合のペースや選手の技術レベル(の高さ)も良かった」

 

彼女が審判に転じることができたのは、NZLレフェリー協会のマネジャーを務めるブライス・ローレンス氏らの後押しがあったからだ。同氏によれば「4年前なら、女子審判がマイター10カップの過酷な要求に応えられるか不安があっただろう」という。マホニーの故障歴も心配の理由だったが、課されたあらゆるチャレンジを乗り切り、そうした不安を杞憂に変えた。「2年前に考え方を変え、思い切って女性にも門戸を開こうと決めたのです」とローレンス氏。

 11歳と6歳の子どもの育児に加え、農場と審判という「二足のわらじ」は、試合のために移動する時間が必要ということもあり、やはり「両者のバランスを取ること」が最大のチャレンジだという。だが、いずれの仕事もこなすことには利点がある。「レフェリーをやる試合があるときは農場から離れられるし、逆もそう。そのたびに2つの仕事のプラス面もマイナス面も考えることができるの」

現在、子どもといる時間が削られるという犠牲を払っているが、いずれ2021年W杯の試合で審判を務めるという「配当」がもらえるのが楽しみという。「体も精神もいい状態に保てれば、どんな困難に直面しても道が開けると思う。W杯は自分も経験してきた舞台だし、それも母国で開くのだから素晴らしい。そこでレフェリーをやるというのはとっても大きな目標ね」

RNS mk/hh