日本は6点ビハインドで迎えた76分、ゴール前のペナルティスクラムから粘ってFB河瀬諒介選手(早稲田大学)がラインを超えて、SO福山竜斗選手(近畿大学)がコンバージョンを決めて逆転した。

「今大会で一番厳しい試合だった」と振り返り、主将を務めたFL福井翔大選手(パナソニック)が見せた安堵の表情が、試合の激しさを物語っていた。

2年前の決勝と同じ顔合わせになった試合で、日本は前半7分にゴール前のスクラムからNO8丸尾崇真選手(早稲田大学)が先制トライを奪い、直後には足を活かした攻撃で最後はFLハラトア・ヴァイレア選手(日本体育大学)がインゴールに持ち込み、開始10分で14-0のリードを奪い、悪くない立ち上がりだった。

しかし、そこからポルトガルが11分のCTB Rodrigo de Bivar Weinholtz Cardoso Martaのトライを皮切りに反撃。日本は激しいプレッシャーを受けてミスが増える。

28分には自陣深くに押し込まれて防戦一方になり、ようやく相手のペナルティでマイボールスクラムにするが、プレッシャーを受けてターンオーバーとなり、再びゴール前に押し込まれる展開が続いた。

この中で32分に河瀬選手が危険なプレーでイエローカードを受けると、ポルトガルはその直後にゴール前のスクラムからモールで押し込んでトライを奪い、コンバージョンも成功させて追いついた。

同点にして勢いを得たポルトガルに対して、日本はミスやペナルティが増える。36分には相手プレッシャーを受けてボールを失い、そこからトライまで持ち込まれ、21-14とリードを奪われた。

前半終了間際には、福山選手がハイタックルでイエローカードの処分となり、日本は13人の劣勢で戦うことになる。

後半に入っても、2年前の雪辱を期すポルトガルは気合の入ったプレーで攻勢を続ける。

なかなか流れを変えられない日本は、43分にも相手のプレッシャーにペナルティを与えてしまい、キック力のあるSO Miguel Jeronimo Fernandes Thomaz Portela MoraisにPGを決められる。

優勝でU20チャンピオンシップへの復帰を目指す日本は、49分にラインアウトからモールで押し込みHO原田衛選手(慶應義塾大学)がトライ。コンバージョンも決まって3点差に詰める。

一息ついたのも束の間、ポルトガルはスクラムからオープンに展開してWTB Raffaele Costa Storti選手がトライを奪い、29-21とリードを広げる。

粘る日本は66分にスクラムで攻め、ペナルティトライを獲得して1点差に詰める。

しかし、ポルトガルは69分にラインアウトから展開して、最後はWTB Francisco Martins Salgado 選手がアウトサイドで受けてラインを越えて、34-28と点差を付けた。

スタンドから『ニッポン』コールが起こる中、日本は相手ペナルティで得たスクラムからラックを繰り返してFWで攻め込み、76分に河瀬選手がゴール下で押さえて1点差に詰め、福山選手がコンバージョンを冷静に決めて35-34と逆転に成功した。

その後、日本はリスタートからボールを保持して、自陣で時間を使い切り試合終了。 最後の笛が鳴った瞬間、ベンチから全選手が歓声とともに一斉にピッチに駆け込み、笑顔で仲間と抱き合って勝利を祝った。

福井主将は、苦しい展開の中でも「テンポはあった」と振り返った。

CTB日下太平選手(神戸製鋼)も、「ポルトガルが得点しても諦めずに、前だけを見て攻撃を続けようとした」と話した。

2年ぶり復帰となる日本は、来年イタリアで開催されるワールドラグビーU20チャンピオンシップに出場する。

日下選手は、「U20チャンピオンシップは僕らにとって重要な高い。2年前に降格して、今回復帰することが目標だった。復帰を達成できて本当によかった」と語った。

 なお、この外の試合では、トンガがウルグアイに29-27で逃げ切って3位に入り、ケニアに52-13で快勝したカナダが5位。開催国ブラジルは7位決定戦で香港と対戦し、延長戦でSO Lucas Ferrer Spago 選手がDGを決めて32-29で今大会を初勝利で終えた。