年明けに控える2021年女子ラグビーワールドカップ予選へ向けた準備として、マッケンジー新ヘッドコーチの下で初の海外遠征となった今回の2連戦だったが、13日(土)の5-34で敗れた第1戦に続き、シドニーに場所を移しての第2戦では7トライを許し、さらに点差が開いての完敗となった。

 オーストラリア女子代表キャプテンのGrace Hamilton選手がチーム7トライ中3トライを決めて、この試合の最優秀選手に選ばれる活躍を見せた。

 先制したのはオーストラリアで、Lori Cramer選手がPGを決め、Hamilton選手がラインを越えて10-0とリードした。

 日本は前半16分にFB山本実がPGを決めて点を返すが、反撃はそこまで。3分後にオーストラリアのMahalia Murphy選手が5点を加え、ワラルーズがボールを保持して主導権を握った。

27分にCramer選手、36分にはMurphy選手が2本目のトライを決めて、オーストラリアがハーフタイムで27-3のリードを奪った。

 後半に入ってもオーストラリアの猛攻が続いたが、53分にCramer選手がイエローカードを出され、日本が数的優位の状況になったが、得点につなげるには至らない。

 10分後にCramer選手がシンビンから戻り人数が揃うと、Hamilton選手が66分、70分と連続トライでオーストラリアがリードを一気に39-3に広げた。さらに、その2分後にはMillie Boyle選手がインゴールに飛び込み、Cramer選手が4本目のコンバージョンを成功させて46-3で試合を終えた。

 「試合前に、今回は自分たちをしっかり表現しようと話していたんだが、それができた」とDwayne Nestorオーストラリア女子代表ヘッドコーチ。「この一週間の練習で取り組んできたことが試合に出せていた」と満足そうに振り返った。

 オーストラリアは2連勝で今月末に控えるニュージーランドとのテスト2連戦に臨むことになった。Nestorヘッドコーチは、「いくつかの点を整理して、ニュージーランドとのシリーズに備えたい」と話した。

 オーストラリア主将のHamilton選手は日本との対戦について、「すごく良い戦いだった。日本が今回のシリーズに来てくれて、とてもありがたかった。日本も私たち同様にワールドカップへ向けてチームづくりをしているところだけど、彼女たちは立ち向かってきた。素晴らしいチームだと思う」と語った。

 日本にとって今回は2017年女子ラグビーワールドカップ後で初のテストマッチで、マッケンジーヘッドコーチは2連戦で「自分たちの現在地を探りたい」と話していた。初戦で11人が代表デビューし、この日も1人が初キャップを獲得した。年明けのワールドカップ予選へ、チームはここから積み上げを図る。