2013年カザン大会以来2度目の開催となったラグビー競技には、男女8チームが出場。4チームずつ2組に分かれてプール戦を行い、上位2チームが準決勝に進出した。

男子競技では、日本は7月5日(金)のプール初戦で開催国イタリアと対戦。藤井健太郎選手(立命館大学)のトライを皮切りに17-0で下すと、第2戦でカナダに44-5と圧勝。2日目の第3戦でフランスに14-21と敗れたものの、2勝1敗でプールB1位で準決勝に進出した。

 7日(日)の準決勝ではロシアと対戦。2勝1敗でプールA2位で勝ち上がってきたロシアだったが、日本は14-0でシャットアウト勝ちを収め、決勝に駒を進めた。

 決勝の相手は南アフリカ。プールAではロシア、アルゼンチンと2勝1敗で並んだが、得失点差、トライ数、総得点の全てでライバル2チームを上回って1位で突破。準決勝ではフランスに5-0で競り勝っていた。

 その相手に、日本は前半3分過ぎに藤井選手のトライでリードを奪い、そのまま前半を5-0で折り返すと、後半開始1分半で濱田将輝選手(東芝)が5点を加えた。

 その後、南アフリカに1トライを返されたが、日本は後半6分目前に、津岡翔太郎選手(コカ・コーラ)が交代出場早々にトライを決めて、15-5とリードを広げた。

粘る南アフリカは終了直前に1トライ1コンバージョンを返したが、日本は15-12で逃げ切り、初の金メダルを手にした。

 「決勝は今大会で一番厳しい試合だった」という共同キャプテンを務めた仁熊秀斗選手(筑波大学)は、「ここまで来ることを計画して、ハードなトレーニングをしてここまで来たけど、それが報われた。自分たちのやってきたことを信じていたのがよかったと思う」と振り返った。

なお、男子の3位は、ロシアに12-10で競り勝ったフランスだった。

女子は全勝で決勝へ

 一方、日本女子チームは5日(金)のプールA初戦でフランスに24-17で勝って白星スタートを切ると、2日目にカナダに29-0、開催国イタリアに36-17で勝って、3戦全勝の首位でプールを突破した。

 3日目の準決勝ではプールBを2位で勝ち上がったロシアに、黒木理帆選手(立正大学ラグビー部)が開始早々に先制トライをマーク。その後、バティヴァカロロライチェル海遥選手(立正大学ラグビー部)や永田花菜選手(追手門学院大学女子ラグビー部)も次々とトライを決め、日本は前半で26-5のリードを奪い、後半にも2本のトライを加えて31-12で勝利した。

 決勝では、もうひとつの準決勝で南アフリカを19-12で下して勝ち上がったフランスと対戦。開始早々に相手に1トライ1コンバージョンを許す展開になるが、3分過ぎに永田選手のトライ&コンバージョンで同点に追いつくと、6分過ぎに再び永田選手がトライ&コンバージョンをマーク。さらに、堤ほの花選手(日本体育大学ラグビー部女子)が5点を加えるなどで、前半を21-7で折り返した。

 後半も日本は主導権をキープして、原わか花選手(東京山九フェニックス)、さらに堤選手がこの日2本目のトライを決める一方で相手には得点を許さず、33-7で試合終了。優勝を飾った。

 女子チームキャプテンの平野優芽選手(日本体育大学ラグビー部女子)は、「このメダルと獲れてすごくうれしい」と喜びを口にした。

HSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズも経験しているが、平野選手は「どの試合もきつかったし、この試合もとても難しかったので、優勝できたことをとても誇らしく思う。オリンピックでも金メダルを獲れるように頑張りたい」と話した。

 3位の銅メダルは、南アフリカを12-10で下したロシアが手にした。

 前回2013年カザン大会では日本は男子6位、女子9位で終わっていたが、今回は大躍進の結果になった。

 なお、ユニバーシアード大会の出場資格は、大会開催年の1月1日現在で18歳以上25歳未満の大学または大学院に在学中の者、あるいは大会前年に卒業した者に限られる。

日本代表ユニバーシアード大会メンバー

男子

1. 桑山聖生(東芝)、2. 齊藤大朗(明治大学)、3 川崎清純(関東学院大学)、4. 南 昴伸*(大東文化大学)、5. 中野将宏(中国電力)、6 松本純弥(明治大学)、7. 藤井健太郎(立命館大学)、8. 松永貫汰(筑波大学)、9. 野口宜裕(専修大学)、10. 仁熊秀斗*(筑波大学)、11. 津岡翔太郎(コカ・コーラ)、12. 濱田将輝(東芝)

注:* は共同キャプテン

女子

1. 平野優芽*(日本体育大学ラグビー部)、2. 黒木理帆(立正大学ラグビー部)、3.新﨑麻未(追手門学院大学女子ラグビー部)、 4. 原わか花(東京山九フェニックス)、5. バティヴァカロロライチェル海遥(立正大学ラグビー部)、6. 堤ほの花(日本体育大学ラグビー部女子)、7. 永田花菜(日本体育大学ラグビー部女子)、8. 長田いろは(立正大学ラグビー部)、9. 白子未祐(日本ラグビーフットボール協会)、10. 薮内あゆみ(ながとブルーエンジェルス)、11. 岡田はるな(東京山九フェニックス)、12. 室越香南(追手門学院大学女子ラグビー部)

注:はキャプテン