開催国のU20オーストラリア代表に14-64で敗れた初戦から4日、日本はニュージーランド代表との対戦へ先発の4つのポジションに手を加え、9番、14番、15番には前の試合でリザーブスタートだったSH前田翔哉選手(帝京大学)、WTB福士萌起選手(関東学院大学)、FB河瀬諒介選手(早稲田大学)を入れ、11番には前の試合でFBを務めたハラトア・ヴァイレア選手(日本体育大学)を採用。一方で、FW陣とSOは変えずに臨んだ。

 ニュージーランドは53-7で勝った初戦のU20フィジー代表戦から先発13人を変更。この試合でもスキルと突破力の高さを見せ、開始7分に先制トライ、その3分後にも5点を決めて、早々に12点差のリードを奪った。

 それでも日本は、14分にスクラからモールで押し込んでペナルティトライを奪う。さらに、7-17とされた直後の21分には、SO丸山凜太郎選手(東海大学)がキックで展開して相手22メートルライン内へ攻め込むと、ラックからインゴールに蹴ったボールをFB河瀬選手が走り込んで押さえ、12-17と点差を詰めた。

 しかし、ベイビー・ブラックと呼ばれる将来のオールブラックス候補らは、ボール奪取力やオフロードのスキル、縦を突くパワーなどに長けたところを見せ、前半だけで7トライを奪うと、後半も攻撃の手を緩めることなく6トライを加えた。

ニュージーランド代表は、SO Rivez Reihana 選手が13本中11本のコンバージョンと1トライを決めて27得点をマーク、FL Kohan Herbert選手が3トライを決めて、チームの2連勝に貢献した。

日本は抵抗を試みたが、後半は無得点に抑えられ、2連敗となった。

U20日本代表キャプテンを務め、2試合続けてFLで出場している福井翔太選手(パナソニック)は試合後、「すごく厳しい状態が続いていて、点差も開いてしまっている」と現状を認めつつも、「僕らが得ているものもある。そこを活かしつつ、反省するところは反省して次の試合に備えたい」と述べた。

U20ニュージーランド代表キャプテンで先制トライを決めたKaylum Boshier選手は、「僕らが得点しても、日本はその都度セットピースを使って反撃してきた。僕らは、とにかくキックオフでしっかり獲って、そこから攻撃につなげようと話していた。後半修正できたのは良かったし、いいプレーができたと思う」と振り返った。

今大会では、今年7月にブラジルで開催されるワールドラグビーU20トロフィーへ向けて強化を図っている日本に対して、日本以外の3チームは6月のワールドラグビーU20チャンピオンシップへ向けた調整を進めている。

福井選手は、「U20トロフィーよりもレベルの高い大会になっていると思。僕らは、その高いレベルの中でどれだけ通用するかというところを試したいし、勝ちたい」と言う。

この日はU20オーストラリア代表とU20フィジー代表との試合も行われ、開催国のオーストラリアが7-0で前半を折り返す、ロースコアの展開となったが、後半もオーストラリアが主導権を握り、3本のPGを加えて16-0で今大会2勝目を手にした。フィジーは初戦のニュージーランド戦の7-53に続いての黒星で、2連敗となった。

福井キャプテンは、「日本の方々の応援に応えるには勝つことしかない。最終戦は勝ちたい」と力強く語った。

 日本は大会最終日の5月4日に、今大会初勝利を目指して、やはり1勝が欲しいU20フィジー代表と戦う。

 もう1試合は、ニュージーランドとオーストラリアの2連勝同士が今大会の優勝をかけて対戦する。