ジュニア・ジャパンのNO8福井翔太主将(パナソニック)は「タフな試合だった」と振り返ったが、若い日本代表選手たちがFW陣を中心にトンガにプレッシャーをかけて、優位に試合を運んだ。

福井選手の2トライに続き、CTBシオサイア・フィフィタ選手(天理大学)とSO岸岡智樹選手(早稲田大学)が1トライずつを決め、SH齋藤直人選手はすべてのキックを成功させた。

 試合開始早々、日本は22メートルライン付近でのスクラムを押し込んでPGの機会を得ると、齋藤選手がこれを決めて開始4分で先制。さらに、16分には再びゴール前のスクラムからパスを受けたフィフィタ選手がインゴールに持ち込んでトライをマークし、齋藤選手のコンバージョンも決まって10-0のリードを奪った。

 その後、サモアにゴール前のラックからトライを奪われ、コンバージョンも決められて3点差に詰め寄られるが、日本は積極的に攻撃を仕掛ける。

 前半を10-7で折り返すと、ハーフタイムに「ゲームを楽しめ」と水間良武監督から伝えられた選手たちが後半開始早々から躍動する。

フィフィタ選手が突破してゴール目前で齋藤選手へパスを送り、これを受けた岸岡選手が左サイド中央に飛び込んで5点を追加。コンバージョンも決まってジュニア・ジャパンが10点差にリードを広げた。

 さらに、49分には再びゴール前のスクラムから福井選手が持ち出してトライをマークし、齋藤選手がこの日4本目のキックを決めて24-7とした。

 しかし、その後はサモアがキックを使って攻めるようになり、背後のスペースを突かれる形でWTB Simon Fauoo選手に2トライを決められて24-21と追い上げられた。

 サモアAキャプテンAfa Alono選手は、「相手のサイドを突くハイボールがうまく行って、プレッシャーをかけることができた」と振り返ったが、それも長くは続かなかった。

日本は77分にゴール前のスクラからモールで押し込んで福井選手がインゴールで押さえ、この日2本目のトライを決め、交代出場のSO丸山凜太郎選手(東海大学)も2点を加えて10点差にすると、粘り強い守備でリードを守って逃げ切った。

Alono選手は「ジュニア・ジャパンにプレッシャーをかけられて、セットプレーで圧倒されてしまった。とてもがっかりしている」と肩を落とした。

福井選手は「サモアがとても強いことは分かっていたので、速さを出してプレーしようとした。それは良かったと思う」と、ゲームプランがうまく機能したと話した。

前回までの2大会連続で2位に終わっているジュニア・ジャパンは、今回初優勝を目指しているが、次節3月12日(火)に対戦するのはフィジー・ウォリアーズ。ホスト国はこの日の初戦でトンガAに56-14で圧勝。日本は過去2大会とも敗れている。

福井選手は、「フィジーはすごくスピードもあってスキルもあるので、次の試合もタフな試合になると思う」と話し、次戦へ気を引き締めていた。

 サモアAのブライアン・リマ監督は「ジュニア・ジャパンの守備がとても速くてワイドにスペースができていたので、後半は戦術を少し変えてクロスキックを使うように対応した。うまくいって2トライを返せたが、前半最初の20分と後半最初の10分でミスが多すぎて、それが敗因となってしまった。日本にはおめでとうと言いたい」と語った。

 第2戦でサモアAはトンガAと、ともに今大会の初勝利をかけて対戦する。