今月4日から東京の町田市内で始まっていた候補合宿に、約1か月の海外視察を終えたジョセフヘッドコーチが2月15日(金)に合流して、練習を見守った。

 選手たちとの活動は昨年11月の欧州遠征以来だが、「ワールドカップイヤーということで、選手たちはとても興奮しているし、モチベーションも高い」とジョセフヘッドコーチ。フィジカルテストの数値も「これまでのブレーク明けの集合時に比べても最も良い」として、選手が良い状態で取り組んでいることに満足そうな表情を見せた。

ワールドカップは開幕戦の9月20日(金)から11月2日(土)の決勝まで開催される。ベスト8入りを目指す日本代表はプールAで20日(金)の開幕戦でのロシアとの対戦を皮切りに9月28日(土)にアイルランド、10月5日(土)にサモア、10月13日(日)にスコットランドと対戦する。

 ジョセフヘッドコーチは、「今年は長い1年になるので、10月までペースを維持できるように考えてやっている。現時点ではそこまで追い込んだ、強度の強い練習はしていない。チームのムードはとてもいいが、気負い過ぎないようにと、コーチ陣にも伝えた」と話す。

2~3月上旬は体力面を含めた基礎的要素の強化に取り組み、その後3月中旬の沖縄合宿からゲームプログラムへ移行する予定だという。さらに、チームの底上げの一環として、スーパーラグビーに参戦するサンウルブズと並行して、「ウルフパック」(狼の群れ)と称するチームを編成し、スーパーラグビーのBチームと国内外で合計5試合を実施する。メンバー構成は日本代表候補選手、ナショナル・ディベロップメントスコッド、サンウルブズスコッドらを中心として、ジョセフヘッドコーチが指揮を執る。

第1戦は3月29日(金)のハリケーンズBとの対戦で、これと4月5日(金)のハイランダーズBとの2試合はニュージーランドで開催。4月20日(土)に千葉県市原市のゼットエーオリプリスタジアムでハリケーンズBと対戦した後、オーストラリアへ出向いて5月12日(日)にブランビーズB、5月17日(金)にレベルズBと対戦する。これらを通して「6月のワールドカップ準備に備えたい」と日本代表指揮官は話している。

 一方で、指揮官自身は年明けからの約1か月に、南半球でスーパーラグビーの強豪であるハイランダーズやハリケーンズ、欧州でスコットランドのグラスゴー・ウォリアーズやイングランド代表チームなどを訪問。さらに、先日開幕したシックスネーションズも、ワールドカップでの対戦が決まっているスコットランドとアイルランドの試合を視察した。ジョセフヘッドコーチは、「新しいアイデアなど日本の持ち帰ればと考えた。指導者として非常に刺激を受けたし、学ぶことができた」と振り返った。

アイルランドとスコットランドについては、「試合を生で見ることができて良かった。両チームとも日本とは違うスタイルで、セットプレーもキックも多く、とても強い相手だ。だが、我々は違う強みを使って攻めたい」と話した。

昨年11月の欧州遠征でのイングランド戦を例に挙げて、「我々もベストな状態でトップレベルのラグビーをできれば相手を圧倒できることは、イングランド戦で少し示すことができた。今度はそれを80分やり続けなければならない。だから、サンウルブズやウルフパックなどのプログラムや7月~8月の(合宿での)取り組みが必要だ」と日本代表指揮官は語り、継続したチームとしての取り組みの重要性を強調した。

そして、今秋の本番に向けたチームづくりについて、こう話した。

「ワールドカップまでに選手たちはフィジカル面での準備ができているし、自分たちが何をすべきかをしっかり理解できていると、私は自信を持っている。楽しみにしている。」