ラグビーワールドカップ2019日本大会の出場国20番目、最後の1枠を懸けて争う四カ国は、この敗者復活最終予選までに合計34試合に臨んできた。一番試合数の少ないのがカナダで4試合、最多試合数はケニヤの13試合だ。

以下、出場権獲得を目指して戦い抜いてきた、4チームの軌跡を辿りました。

カナダ

ラグビーワールドカップで存在感を放つカナダは、RWC出場の20カ国中15カ国に勝利した実績を持ちながら、5年間負けたことのない隣国の対戦相手、USAに2017年6月/7月アメリカ地区1プレーオフで敗退しました。

ハミルトンでの第1戦では28-28で引き分けに終わったものの、勢いをつけていたUSAイーグルスが、7日後サンディエゴで52-16で圧勝しました。ここでの負けをきっかけに力を巻き返したカナックスは、アメリカ地区2プレーオフでウルグアイと対戦。勝者が日本大会プールCの出場権を得ることとなりました。

しかし、キングスリー・ジョーンズのチームはホーム試合で9点先制を許し、モンテビデオでは敢闘したもののロス・テロスの巻き返しで僅差に持ち込まれてしまいます。

序盤25分まではカナダ優位に見えました。D・T・Hファンデルメルヴァとテイラー・パリスのトライがカナダを15-0と先行しましたが、後半ウルグアイが試合を制したうえ、ファンデルメルヴァの2度めのトライもフルタイムギリギリとあってカナダには慰めにもならず、結果敗退を喫してしまいました。

結果:

2017年6月24日 – カナダ 28-28 USA – ハミルトン、カナダ

2017年7月1日 – USA 52-16 カナダ – サンディエゴ、USA

2018年1月27日 – カナダ 29-38 ウルグアイ – バンクーバー、カナダ

2018年2月3日 – ウルグアイ32-31 カナダ – モンテビデオ、ウルグアイ

ドイツ

ドイツの道のりはラグビー欧州チャンピオン、ルーマニアの衝撃的な勝利と、ラグビー欧州チャンピオンシップ2018で多くのトップ選手が抜けた事等を含め、たくさんの浮き沈みと共に始まりました。

その後、ルーマニア、スペイン、ベルギーが出場資格のない選手にプレーをさせていたことが発覚し勝ち点減点になったことで、ドイツにも繰り上がりが生じました。そして、トロフィー獲得チーム、ポルトガルを下したことで、2016年2017年度ワールドラグビーパシフィックネーションズカップランキング第3位のサモアとホーム&アウェイ方式プレーオフで対戦することになりました。

アピアでは、ドイツは、相手チームのパシフィック・アイランダーらに66-15と初戦で敗退を喫したが、2周間後の第2戦では上達したパフォーマンスで対戦しました。 

サモアの出場権獲得が事実上決まった試合でしたが、サモア中心の試合運びに、彼らが大差でドイツに勝利することも見えていました。それでも、エド・フィドウの2度めのトライも含めて、ラスト10分でコンバージョントライを3つ決め、サモアは誇りとともにハイデルベルクを後にした。

結果:

2017年2月11日 – ドイツ 41-38 ルーマニア – オッフェンバッハ、ドイツ
2017年3月4日 – ドイツ 34-29 ベルギー – オッフェンバッハ、ドイツ
2017年3月11日 – ドイツ15-32 スペイン – ケルン、ドイツ
2017年3月19日 – ロシア 52-25 ドイツ – ソチ、ロシア
2018年2月1日 – ルーマニア85-6 ドイツ – クルージュ、ルーマニア
2018年3月3日 – ベルギー 69-15 ドイツ – ブリュッセル、ベルギー
2018年3月11日 – スペイン 84-10 ドイツ – マドリード、スペイン
2018年3月18日 – ドイツ 3-57 ロシア – ケルン、ドイツ
2018年6月16日 – ドイツ 16-13 ポルトガル – ハイデルベルク、ドイツ
2018年6月30日 – サモア66-15 ドイツ – アピア、サモア
2018年7月14日 – ドイツ 28-42 サモア – ハイデルベルク、ドイツ 

香港

四カ国最後のRWC2019出場枠を懸け、香港はまず2018アジアラグビーチャンピオンシップをホーム&アウェイ方式で韓国、マレーシアを下し、大陸間プレイオフで2017年オセアニアカップ勝者クック諸島と対戦しました。

ラロトンガ島で開催された第1戦では、リーアム・スレータム、コナー・ハートレイ、マックス・ウッドワードらのトライや強固なディフェンスもあって、クック諸島を前半シングルペナルティで抑え26-3で勝利しました。

第2戦では、満員の香港スタジアムで51-0の圧勝を遂げ観客を沸かせました。わずか三回のテストマッチ出場ながら、後半アレックス・ポストの好トライが続きました。

結果:

2018年5月5日 – マレーシア8-67 香港 – クアラルンプール、マレーシア
2018年5月12日 – 韓国 21-30 香港 – 仁川、韓国
2018年5月26日 – 香港 91-10 マレーシア – 香港
2018年6月2日 – 香港 39-5 韓国 – 香港
2018年6月30日 – クック諸島3-26 香港 – ラロトンガ島、クック諸島
2018年7月7日 – 香港 51-0 クック諸島 – 香港 

ケニヤ

2016ラグビーアフリカゴールドカップで、四カ国中最初に出場予選プロセスが始まりました。2018年の試合で最終ラウンドに突入し、ナミビアに勝てばラグビーワールドカップアフリカ地区1の枠を獲得できると追走したが、敗退を喫し敗者復活に期待をかけています。

ナミビアは前回、前々回ともに35、38点差をつけてケニヤを撃破している。出場権を懸けたホームグラウンドのウィントフックでも同様に53-28で快勝。

セブンズのスター選手、ウィリー・アンバカは同月にテストマッチデビューを飾ったばかりだったが、対チュニジア戦ではセカンドローのマルコム・オンサンド、スクラムハーフのモハメド・オモロとともに善戦し、2つのトライでケニヤの得点に貢献。

一方、ナミビアは1999年のラグビーワールドカップ初出場以降、大会連続出場の記録を持つ。クライサンダー・ボタとルイ・ヴァン・ダー・ウェストツイゼンがそれぞれ2トライを決め、ウェルウィッチアスは合計7つのトライを挙げています。また、クリーブン・ロブサーの獲得した22点も勝利に大きく貢献しました。

結果:

2016年7月9日 – ジンバブエ 15-61 ケニヤ – ハラレ、ジンバブエ
2016年7月16日 – ナミビア56-21 ケニヤ – ウィントフック、ナミビア
2016年7月30日 – ケニヤ 45-24 ウガンダ – ナイロビ、ケニヤ
2017年6月24日 – ケニヤ 33-33 ウガンダ – ナイロビ、ケニヤ
2017年7月8日 – ケニヤ 100-10 チュニジア – ナイロビ、ケニヤ
2017年7月15日 – ケニヤ 45-25 セネガル – ナイロビ、ケニヤ
2017年7月22日 – ジンバブエ 22-41 ケニヤ – ブラワヨ、ジンバブエ
2017年7月29日 – ナミビア 45-7 ケニヤ – ウィントフック、ナミビア
2018年6月23日 – モロッコ 24-28 ケニヤ – カサブランカ、モロッコ
2018年6月30日 – ケニヤ 45-36 ジンバブエ – ナイロビ、ケニヤ
2018年7月7日 – ケニヤ 38-22 ウガンダ – ナイロビ、ケニヤ
2018年8月11日 – ケニヤ 67-0 チュニジア – ナイロビ、ケニヤ
2018年8月18日 – ナミビア53-28 ケニヤ – ウィントフック、ナミビア