日本代表の先発には、先週10月26日(金)に大阪で行われた世界選抜戦の先発から3人を入れ替えて、FLに膝の故障で別メニュー調整をしていた姫野和樹選手(トヨタ自動車)が復帰した。

この試合が初キャップとなるトップリーグのトヨタ自動車でも活躍のWTBヘンリー ジェイミー選手を15番から、負傷離脱したレメキ ロマノ ラヴァ選手に代わって、今回は14番で起用。FBには追加招集されていた山中亮平選手(神戸製鋼)が入った。

世界選抜戦でリザーブ出場だった坂手淳史選手(パナソニック)が先発HOで出場し、この試合で50キャップ目を獲得することになるPR山下裕史選手(神戸製鋼)が、2015年ワールドカップ以来のテストマッチに臨む。

山中選手は、今年から取り組んでいるFBについて、オールブラックスのベン・スミス選手(ハイランダーズ)のプレーを参考に練習していると明かした。

「追加招集だったが、代表チームにもすぐにフィットしたし、やりたいラグビーも分かっている。来年のワールドカップへ1年で、すごくいいチャンス。自分がどれだけ持ち味を出せるか、そこを意識して、ミスを恐れずに思い切ってプレーしたい」と、意気込んでいる。

 また、2016年にニュージーランドのチーフスでプレーした山下選手は、「ちょうど代表50キャップ目がオールブラックス戦。なにか縁があるのかな」と、感慨深げだ。

対戦相手について32歳のPRは、「世界一の国とできる。緊張よりワクワクの方が大きい」と話し、「オールブラックスは何でもできて、個人の能力が高い。いかにニュージーランド代表らしいプレーをさせないようにするかポイントになる。自由にやらせないように、日本からプレッシャーをかけたい」と語った。

 一方、世界選抜戦でトライも決めるなど、存在感のあるプレーを見せたCTBラファエレ・ティモシー選手(コカ・コーラ)とWTB福岡堅樹選手(パナソニック)は、同じポジションで先発する。

 リザーブに入った中島イシレリ選手(神戸製鋼)は出場すれば代表デビューとなる。

 

若手主体のニュージーランド

ニュージーランド代表は、10月27日に横浜の日産スタジアムで行われたブレディスローカップでオーストラリアに37-20で勝利したチームから入れ替えて、その試合に出なかったメンバーと、日本戦用に追加招集したワイダースコッドのメンバーによる若手主体の編成となった。

先発のキャップ総数は170で、リザーブを含めても178。日本の先発キャップ総数314、リザーブ含めた全体では458。キャップ数では日本に軍配が上がっている。

最多キャップはHOデーン・コールズ選手(ハリケーンズ)の56だ。キャプテンを務めるNO 8ルーク・ホワイトロック選手(ハイランダーズ)とともに、2人は前回2013年の東京・秩父宮ラグビー場での対戦にも出場し、チームの54-6勝利に貢献した。

 FLダルトン・パパリイ選手(ブルーズ)とCTBマット・プロクター選手(ハリケーンズ)は、この試合で代表初キャップを獲得し、今季スーパーラグビー優勝のクルセイダーズのWTB/FBジョージ・ブリッジ選手やSHミッチェル・ドラモンド選手らを含む6選手が、ベンチスタートで初出場の機会をうかがう。

 先月26日に世界選抜のFBとして日本戦に出場したネヘ・ミルナースカッダー選手(ハリケーンズ)は今回14番に入り、今季スーパーリーグで10トライのワイサケ・ナホロ選手(ハイランダーズ)が11番に入る。

 司令塔はリッチー・モウンガ選手(クルセイダーズ)が務め、この試合がキャップ2戦目となるSHテトイロア・タフリオランギ選手(チーフス)とコンビを組む。モウンガ選手は今季スーパーリーグで150得点を挙げている。

 日本代表のジョセフヘッドコーチは、「相手はどういうメンバーを起用してきても、オールブラックスは世界最強で、相手が強いことに変わりはない。我々はこの1週間、自分たちがやるべきことを遂げられるようにというところに焦点を当てて準備してきた」として、どんな相手にも自分たちの戦いをすることが大事だと話す。

日本代表指揮官は、「我々がスピードを活かして、しっかり球出しをして展開できれば、いいラグビーができると思っている。プレッシャーをかければ相手にミスも出るもの。そういう隙を勝機につなげたい」と語った。

 日本代表とニュージーランド代表の通算対戦成績は、テストマッチでは3度。ノンテストマッチでは2度対戦しているが、日本が勝ったことはない。今回はいかに。

日本代表 試合登録メンバー

  1. 稲垣啓太(パナソニック、22 caps)、2. 坂手淳史(パナソニック、10)、3. 山下裕史(神戸製鋼、49)、4. ヴィンピー・ファンデルヴァルト(NTTドコモ、6)、5. アニセ サムエラ(キヤノン、10)、6. リーチ マイケル*(東芝、56)、7. 姫野和樹(トヨタ自動車、6)、8. ツイ ヘンドリック(サントリー、40)、9. 流 大(サントリー、12)、10. 田村 優(キヤノン、51)、11. 福岡堅樹(パナソニック、27)、12. ラファエレ ティモシー(コカ・コーラ、11)、13. ウィリアム・トゥポウ(コカ・コーラ、3)、14. ヘンリー・ジェイミー(トヨタ自動車、-)、15. 山中亮平(神戸製鋼、11)
  2. 庭井祐輔(キヤノン、6)、17. 三上正貴(東芝、33)、18. ヴァル アサエリ愛(パナソニック、3)、19. ヘル ウヴェ(ヤマハ発動機、9)、20. 中島イシレリ(神戸製鋼、-)、21. 田中史朗(パナソニック、67)、22. 松田力也(パナソニック、13)、23. 中村亮土(サントリ―、13)

 

ニュージーランド代表 試合登録メンバー

  1. オファ・トゥウンガファシ(ブルーズ、22 caps)、2. デーン・コールズ(ハリケーンズ、56)、3. アンガス・タアヴァオ(チーフス、1)、4. パトリック・トゥイプロトゥ(ブルーズ、19)、5. ジャクソン・ヘモポ(ハイランダーズ、2)、6. ヴァエア・フィフィタ(ハリケーンズ、7)、7. ダルトン・パパリイ(ブルーズ、-)、8. ルーク・ホワイトロック*(ハイランダーズ、6)、9. テトイロア・タフリオランギ(チーフス、1)、10. リッチ―・モウンガ(クルセイダーズ、5)、11. ワイサケ・ナホロ(ハイランダーズ、24)、12. ンガニ・ラウマペ(ハリケーンズ、8)、13. マット・プロクター(ハリケーンズ、-)、14. ネヘ・ミルナースカッダー(ハリケーンズ、12)、15. ジョーディー・バレット(ハリケーンズ、7)
  2. リアム・コルトマン(ハイランダーズ、3)、17. ティム・ペリー(クルセイダーズ、5)、18. ティレル・ロマックス(ハイランダーズ、-)、19. ディロン・ハント(ハイランダーズ、-)、20. ガレス・エヴァンス(ハリケーンズ、-)、21. ミッチェル・ドラモンド(クルセイダーズ、-)、22. ブレット。キャメロン(クルセイダーズ、-)、23. ジョージ・ブリッジ(クルセイダーズ、-)

 

注:* 印はキャプテン。所属のあとの数字はキャップ数。