2014年10月11日に行われた、ラグビーワールドカップ2015 出場をかけてエスタディオ・チャルーアで行われた敗者復活戦にて、ウルグアイ対ロシアの第二戦で試合終了のホイッスルが鳴った時、両国の選手たちの感情はこれ以上ないほどに対照的でした。

ウルグアイの選手たちは、2015年のイングランド大会への出場資格を得たということで大変な喜びようでした。一方ロシアにとっては大会出場の機会を逃したという辛い体験であり、選手たちは涙を流しました。

ロシアのスター選手である、ユーリー・クシュナレフは「私は試合終了のホイッスルが鳴った後、フィールドで子供のように泣きました」とワールドラグビーのインタビューで答えました。「必要なことをやったように思えましたが、ゲームでのコントロールを失いました。非常に難しかったです。 4年間の努力が失われたようで、次へのモチベーションをどうやって探そうかと真剣に考えました。」

ロシアの初戦はホームで行われ22-21で勝利を飾りましたが、ウルグアイで行われたアウェー戦ではウルグアイのフライハーフのフェリペ・ベルチェシが21点を入れたのに加え、ロス・テロスは後半に3回のトライを決め、ウルグアイが総合得点57-49 でRWC2015への出場権を獲得しました。

喜びと絶望

ウルグアイは、2007年のRWC出場をかけた敗者復活戦での決勝で、悲惨なニアミスを経験していたため、ロシアの痛みを誰よりも理解することができました。

ロス・テロスは二週間前にリスボンでポルトガル
に11-5で破れ、その次の試合ではセカンドローのフアン・バドが試合開始2分後に退場しましたが、オス・ロボスに対して2トライを決め18-12で勝利しました。

しかし、ウルグアイは残り30分の時点でリードしていたにも関わらず、総得点で必要だった点数をあげることができず、フランスに行くことができませんでした。

試合終了のホイッスルが鳴たときに起こった歓声は、ポルトガルにとってラグビーワールドカップの初出場資格を得ることがいかに重要であったかということをはっきりさせました。彼らのコーチであるトマス・モライスは、「この4年間、ワールドカップのことを考えない日は一日もなかった」と語りました。

ポルトガルは2007年のラグビーワールドカップに出場した20チームの中で唯一の初出場国でした。今回は香港、ケニア、ドイツの3チームが初出場を目指します。

ラグビーワールドカップがもたらすラグビーの露出増加は、国内での競技人口の増加に繋がります。そのため初めてラグビーワールドカップ の出場資格を得た国では、国中でラグビーが大いに盛り上がるでしょう。例えばウルグアイでは、敗者復活戦で勝ちイングランド2015への出場が決まった後、ラグビーの競技人口は50%増加しました。

ショーウィンドウ

ケニアのイアン・スヌーク監督は、ラグビーワールドカップ2019に出場するということがラグビーを国中で広めるだけではなく、個々のケニア選手の生活にも影響を与えると知っています。

「選手たちが得られる機会に興奮しています。 大きなステージでプレーすることは、世界中のクラブに彼らを知ってもらうチャンスです。ヨーロッパや日本でプロとして活躍できる選手たちがたくさんいるのです。」と語りました。

ウェールズ主催の1999年ラグビーワールドカップ 以降、出場権獲得の一つの方法として敗者復活戦が取り入れられました。1会場での総当たり戦が初めて行われました。

敗者復活戦で戦うということは全てのチームにとって新しい経験です。2014年に行われたRWC2015の出場をかけた予選の最初のステージで落ちてしまった香港は、ウルグアイに28-3で負けました。

すべきことを終わらせる

1987年の第1回大会以来のラグビーワールドカップ の常連であるカナダにとって、出場権を逃すということは考えられないことです。

カナダで最多キャップ数を誇るアーロン・カーペンターは、カナックスが2019年の日本大会への最終切符を手に入れ、プールBでチャンピオンのニュージーランド、南アフリカ、イタリア、そしてナミビアと並んでいることを信じています。

「アメリカズパシフィックチャレンジにてチームと3週間(アシスタントコーチとして)過ごして以来、私はどのような困難が舞台裏で起こっているか見てきました。」

「もしカナダがワールドカップに出場できなければ、彼らにとって本当の挫折経験になるでしょう。カナダのラグビーの全てが100%彼らにかかっています。敗者復活戦に関わるコーチ、医療スタッフ、そして選手たちが自分のすべき仕事をするということを信じています。」