今シーズンのトップリーグは、日本で開催されるラグビーワールドカップ2019を控えて、全7節のレギュラーシーズンと順位決定戦のプレーオフという例年とは異なる形式で実施。10月20日(土)にレギュラーシーズン最終節が開催され、神戸製鋼はプレーオフ上位進出の可能性を残していたNECグリーンロケッツを48-31で下し、6勝1分の無敗をキープして、レッドカンファレンスを首位で抜けた。

 神戸製鋼は、日本代表に追加招集されているFB山中亮平選手とWTB山下楽平選手がそれぞれ3トライずつを奪う活躍で、勝てば4位通過の可能性があったNECを退けた。

 神戸製鋼は開始2分で山中選手がカウンターから先制トライ。15分には山下選手がインゴールへ持ち込み、直前にPGを決めていたSOダン・カーター選手がこの日2本目のコンバージョンも決めて17-3とした。さらに山中選手とタワムア・ナエアタ選手のトライ、カーター選手のコンバージョンで前半を31-10で折り返し、その後も山下選手がトライ2本、山中選手が1本を決めるなど、後半半ばには48-17のリードを奪った。NECは終盤2トライ2コンバージョンで追い上げたが勝利には至らず、48-31で神戸製鋼が勝利した。

 「一位通過は狙っていた」という山中選手は、今季のチームについて「1試合1試合、安定したゲームができている。しっかり勝ち切るところが今年の神戸」と話し、手応えを口にした。

 NECを追い越して4位でプレーオス進出を決めたのはNTTコミュニケーションズ・シャイニングアークスで、最終節で宗像サニックスブルースに31 -12で勝利し、NECを勝点で5上回った。

 NTTは前半12分に宗像サニックスに先制を許したが、前半30分にゴール前のラックから持ち込んでHO三浦嶺選手がトライ。さらに前半終了間際には、ゴール前のスクラムからモールで押し込み、最後はNO8ラーボニ・ウォーレンボスアヤコ選手が押さえ、羽野一志選手のコンバージョンも決まって前半で14-5とリード。その後もペースを握って、31-12で勝利した。

3連覇を狙うサントリーサンゴリアスは、日野レッドドルフィンズを50-12で破って6勝1敗とし、トヨタ自動車ヴェルブリッツと勝点で並んだものの勝利数で上回って2位で終え、トヨタ自動車が3位になった。

5位はNEC,6位は豊田自動織機シャトルズ、7位に日野、8位は7戦全敗となった宗像サニックスで、この4チームはプレーオフ下位順位決定戦へまわることになった。

 

ヤマハ発動機がホワイト首位通過

 一方、ホワイトカンファレンスでは、ヤマハ発動機ジュビロがリコーに40-36で競り勝って勝点28で首位通過。首位争いのライバル、パナソニック・ワイルドナイツはキヤノン・イーグルスに25-6で勝利し、6勝1敗でヤマハと同率ながらも勝点1及ばず、2位で終えた。

 3位はクボタ・スピアーズでコカ・コーラレッドスパークスに50-12で勝利。4位は前節パナソニックに土を付けたリコーで、最終戦でヤマハ発動機に敗れたのもの4勝3敗でプレーオフ1位~8位順位決定戦に進んだ。

Honda HEATは東芝ブレイブルーパスに45-26で勝ち、勝点14で5位。東芝は勝点12でキヤノンと並んだが、総得点で上回って6位となり、キヤノンは7位。コカ・コーラは7敗で8位となり、プレーオフ下位順位決定戦で戦うことになった。

12月1日に始まるプレーオフでは、神戸製鋼はリコー、パナソニックはトヨタ自動車と対戦し、それぞれの勝者が12月8日の準決勝で顔を合わせる。もう一方ではサントリーがクボタと、ヤマハ発動機がNTTコミュニケーションと対戦し、勝者が準決勝へ進出する。

また、9位~16位決定トーナメントでは、NEC対コカ・コーラ、日野対東芝、豊田自動織機対キヤノン、宗像サニックス対Hondaの組み合わせとなった。

決勝および3位決定戦は12月15日に開催され、準決勝、3位決定戦、決勝は日本選手権を兼ねて行われる。

 なお、トップリーグレギュラーシーズンの個人賞は、神戸製鋼のカーター選手がキック成功率86.2%でベストキッカー賞を獲得。最多トライゲッターは8トライのWTBレメキ ロマノ ラヴァ選手(Honda)。得点王は豊田自動織機SOサム・グリーン選手が68得点(6トライ、10コンバージョン、6 PG)をマークして獲得した。3選手とも初受賞になる。