1995年の第1回大会から4年に1度開催されている車いすラグビー世界選手権で、日本は2002年から5大会連続で出場。前々回2010年大会は3位、前回2014年大会には4位に入った。この間、パラリンピックでは2016年リオデジャネイロ大会で銅メダルを獲得した。

 一方のオーストラリアは世界大会に第1回から出場し2002年大会で3位、2010年大会での準優勝を経て2014年大会で初優勝したが、パラリンピックでは1996年の第1回大会と2004年の第3回大会以外の4大会で決勝に進出し、2012年と2016年で連覇を飾るなど長年、車いすラグビー界を牽引してきた強豪だ。

 そのオーストラリアに、日本は今大会のプール戦では13点差を付けられて敗れていたが、初めて立った決勝の舞台で粘りを見せた。

 日本は守備でハードワークを見せた女子の倉橋香衣選手を含めたチーム構成で臨み、オーストラリアと1点を取り合うシーソーゲームで第1ピリオドを14-15で終えると、第2ピリオドでは日本が徐々に点差をつけ、一時は5点のリードを奪う展開に持ち込んだ。

しかし、日本が32-28のリードで迎えた第3ピリオドに入るとオーストラリアが追い上げ、第4ピリオド残り6分で49-49の同点に追いつくと、再び1点差を争う競り合いになる。

だが、残り1分30秒を切って主将の池透暢選手が59-59の均衡を破る得点をマーク。続けて池崎大輔選手がインターセプトからそのまま持ち込んで61-59に点差を広げた。その後、相手に1点を返されたが、日本はさらに1点を加えて62-61で逃げ切り、初の世界タイトルを手にした。

池崎選手は、「素直にうれしい」と満面の笑みを見せた。

 大会では12チームが6チームずつ2つのプールに分かれてプール戦を実施。日本は8月5日のB組初戦でアイルランドに57-37で白星スタートを切ると、6日にニュージーランドを56-37、7日にスウェーデンを48-46、8日にはデンマークを52-42で破って4連勝とした。だが同日2試合目となったオーストラリア戦を52-65で落として、4勝1敗の2位で準決勝に進出した。

そして、9日の準決勝ではA組を5戦全勝の首位で通過したアメリカと対戦。2016年リオデジャネイロ・パラリンピックで銅メダルだった日本に対して銀メダルを獲得していたアメリカに51-46で勝利を収め、初の決勝進出を決めていた。

今回の優勝で、日本は東京で開催する2020年パラリンピックには世界王者として出場することになる。

池崎選手は、「また強くなって、2020年に同じ結果を出せるようにやっていきたい」と力強く語った。

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