サモアがハイデルベルグで行われた試合で、試合終了11分前に3トライを決めて42–28でドイツに逆転勝利した第2戦。これによりサモアのラグビーワールドカップ2019への出場が確定。

アピアでの第1戦で66–15と大きなリードを決めたサモアがヨーロッパに到着。サモアはプールAへの進出は間違いないと決め込んでいたものの、ホストチームのドイツが試合終了15分前まで28–21と驚きのリード。

サモアはミスの連続でドイツに得点を許していたものの、アーシー・トゥアラ(2回戦ともに活躍したサモアの傑出したプレーヤー)にエンジンがかかると、エド・フィドーのトライの前後に2トライを決め、ドイツの決意を挫きました。

トゥアラは22点で試合を終え、フィドーとスクラムハーフのメラニ・マタヴァオがそれぞれ2トライを決めました。

「6週間という長い期間一緒に戦いながら、当然、共に楽しくお互いとの親交が深まりました。」試合後の記者会見にサモアの国旗をまとって現れたサモアの主将、クリス・ヴイが語りました。

「試合は少し不完全だった。確かに、本来なら成功すべき動きにミスが多かった。ラインアウトでのミスと、ボールをこぼすミスが全体的に多かった。」

「僕たちのチームにはこういう小さなミスがよく起きる。これはスキルの問題ではなく、実行上の問題。解決できることだ。問題ではない。」と語りました。

ドイツの可能性が明らかに

ヤコ・オト、サミー・フクセル、そしてヤリド・エルスがトライを決めた上、キックで13点得点。ドイツにとって最高の勝利にあと一歩というところでした。

しかし、土曜日のアピア寄りの暑くなったハイデルベルグの気温で、ドイツは試合終了10分前でサモアの体力についていくことができなくなった。

「私は常に(自分のチーム)の真の可能性を発見しようと努めています。」と語るのはドイツのコーチ、パブロ・レモイン。「サモアでの試合の後、我々が次のステップに進むための準備ができていないのではないかと思いました。次のステップとはワールドカップ出場です。」

「今日の試合で、彼らには(ワールドカップ出場の)十分な可能性があることがわかりました。改善の余地は多々あるものの、それら全ては改善できることです。努力することができるのです。」

サモアは、2週間前の第1戦でドイツを大きく話して勝利。ハイデルベルグでの第2戦では、50失点を許してもJapan 2019への出場権が手に入ることを知っていました。

ドイツのファンとしては、前回の試合で疲労しているサモアを想定していたかもしれませんが、シノティが短いキックオフから素早くボールを奪いサモアにボールを持ち帰った瞬間から、そのシナリオは消えたように見えました。

リサイクルしたボールをドイツの守備陣先端までキック。シノティとフィドーが恐るべきスピードでコツゼーを引き離し、右コーナーにトライ。トゥアラがコンバージョンキックを決めてサモアが7点リードした時には、ノーサイドの笛がなるまで残り60秒を切っていました。

地元のサポート

アピアへの遠征以来2週間、休む間もなく守備訓練に力を注いできたドイツにとってこの敗北は辛い一撃でした。しかしこれは致命的な敗北ではなく、前半はホストチームがコントロール。

地元ファンの声援を受けながら(サモアのラインアウトのミスなどサモアらしくないミスに助けられ)ドイツは試合再開時からサモアに圧力をかけ続けました。

ドイツのレフトウィングフォワードが強く押して、バックスが右から攻撃できるようにスペースを作る。フォワードがキックしたボールをヒルセンベックとコットゼーが上手に追いかけてターンオーバーに成功。

ハーゲン・シュルテがスクラムから出たボールをサモアの守備陣の頭上を高く飛ばし、トゥアラの前方でボールをキャッチ。ボールをリサイクルし、左に広げながらボールを保持し続け、フォワード陣が力強く攻めて敵陣のラインを遂に越えました。

オットーがボールと一緒にラインを超えてトライ。第1戦での2トライにプラス1。パーキンソンはコンバージョンキックに成功し、同点に。

サモアの国旗がドイツの西南地方を飾る中、しかしサモア応援団のファンが期待する自陣の反応がなかなか出ません。

ポール・ペレズが左タッチラインでドイツの守備陣を抜けた瞬間ファンは喜びましたが、それも束の間、ボールが奪われセバスチャン・フェレイラがドイツ陣10メートルからサモアの22メートルまでを攻めました。

厳しい状況

器用なプロップ、フキセルがスワンダイブで左タッチライン上を超えた瞬間、ホストチームに再びチャンスが訪れたと思いきや、パーキンソンはコンバージョンキックに失敗。センターが脳震盪の疑いで退場した後、コットゼーはドイツの5点リードのチャンスを賭けた8本目のキックがゴールを逸れます。

そして、前半の終盤にモトゥ・マトゥーがボールを奪いヒルセンベック(フルバック)が出る前にマタヴァオがポスト脇にトライを決めて得点。最後のオフロードパスではスローフォワードの疑いが発生するもビデオ判定でフラットとなり、レモインも安堵。

ドイツはハーフタイム寸前まで攻勢を緩めず、ヒルセンベックがミスを繰り返すサモアから3点を奪い前半を15–14で終了。

後半も前半と同様の展開で始まり、マタヴァオが近距離から得点しサモアが先制。

しかし前半同様、サモアの攻勢は長くは続かない。ドイツは、フェレイラ、エリック・マークス、そしてオットーの目覚ましい活躍で流れるドイツの攻勢をエルスが終始リードしてトライ。ヒルシンベックがコンバージョンを決めて再びサモアをリード。ドイツファンにも再び希望の光が刺し始めます。

32度という暑さの中、予想通りホストサイドに疲労が見え始め、試合にバラツキが目立ち始めると負傷者も続出。後半の中盤ではフェレイラがパーキンソンと共にベンチに下がり、シュルテをはじめとするプレーヤーには筋肉の痙攣が見られるようになりました。

しかし、これらの負傷者にもかかわらずドイツはヒルセンベック、そしてコットゼーが自陣ハーフからのペナルティーキックを決めて更に得点。

コットゼーの目覚ましい貢献でホストサイドは7点の猶予を保持。希望が再び蘇りますがそれも束の間、トゥアラが2回トライ、そしてフィドーがさらにトライを決めホームサイドの希望を砕きました。