優勝したフィジー・ウォリアーズは、最終戦でトンガAに57-7で快勝。3戦全てをボーナスポイント勝ちという記録で最大15ポイントを獲得し、2位の日本に勝点5差を付けて目標の3連覇を達成した。3位は1勝2敗のサモアAで勝点5、トンガAは3戦3敗で勝点1だった。

 1勝1敗同士で迎えた日本とサモアAとの対戦は接戦となり、日本は最後の最後にNO8のテビタ・タタフ選手のこの日2本目のトライで勝利をものにした。

 初戦のトンガA戦でハットトリックを決めたタタフ選手が、開始から17分で先制トライをマークして、日本は幸先の良く試合を始めた。

ところが、リードは長く続かない。2分後にサモアのSH Melani Matavao選手、28分にWTB Johny Vaili選手が続けてトライ。コンバージョンも決まって14-7と逆転する。

日本は37分にWTBニコラス・ホフア選手がラインを超えて12-14と2点差に詰めた。

後半に入ると、日本はFB根塚洸雅選手が足を活かしてトライを決め、コンバージョンも決まって19-14と逆転に成功した。

だがそれから両チームともにイエローカードが出る展開となり、日本は52分にCTBシオサイア・フィフィタ選手を、その4分後にサモアはGafa Suva選手を失う。彼らが不在の間に、日本はCTB森勇登選手がPGを決めて22-14とした。

サモアAは、66分に1人少ない中でWTB Noel Sanft選手が5点を加え、コンバージョンも決まって22-21と1点差に詰め寄ったが、日本は終了間際にタタフ選手が再びラインを超えて相手を突き放して、ボーナスポイントを獲得しての勝利をモノにし、2年連続で2位に入った。

なお、大会を制したフィジー・ウォリアーズは、FB Inia Tawalo 選手が前半8分に先制トライを決めると、前半だけで43-0とトンガAを圧倒。NO 8のAlbert Tuisue選手とCTB Waisale Urabuta選手が2トライずつをマークして、11年で8度目の優勝を手にした。

U20チャンピオンシップへ

ジュニア・ジャパンの遠藤哲ヘッドコーチは、最終戦のプレッシャーでスキルミスや判断ミスが重なったことが試合を難しくしたと指摘したが、「その状況でも、前半終盤と後半序盤、試合終了間際に貴重なトライを獲得できたのは、勝利への意欲や必ず勝つという信念、準備してきたことへの自信という点で、上回っていたからだと信じている」と話す。

キャプテンを務めたSO眞野泰地選手も、「最終戦はタフな試合になることは分かっていた。その中で自分たちがやるべきことを最後までやり通せたことが、接戦での勝利に繋がった」と振り返った。

 ジュニア・ジャパン指揮官は、優勝を目標としていただけに「2位は悔しい」としながらも、今大会の収穫は小さくないと話す。

日本は5月下旬からフランスで行われるワールドラグビーU20チャンピオンシップに出場が決まっており、多くの選手が今回のジュニア・ジャパンからU20日本代表に選出されると見られている。フランスの大会では日本はニュージーランド、オーストラリア、ウェールズと同じプールで戦うことが決まっている。

遠藤ヘッドコーチは、U20日本代表候補選手を中心としたチーム編成での今大会の結果に、「ワールドラグビーU20チャンピオンシップに繋がる貴重な経験であり、若い世代がレベルアップしている現実と考えている。9日間で3試合という大会で、試合ごとに進化できた事実こそが大きな成果」と語った。

遠藤キャプテンは、「ここで終わりではない。U20代表候補メンバーはU20チャンピオンシップにこの経験を活かし、それ以外のメンバーも今後に活かして、次に繋げていけるといい」と話している。

Photos: Kitione Rokomanu/Zoomfiji