先週のシーズン初戦で手応えを得ていたサンウルブズだったが、試合開始早々に3人を怪我で失う展開になり、ゲームプランが大きく狂った。

 前半9分でCTBラファエレ・ティモシー選手(コカ・コーラ)がHIAで、その11分後にはSOヘイデン・パーカー選手(前ハイランダーズ)が足の負傷で交代。さらに20分にもWTB山田章仁選手(パナソニック)をHIAでピッチを去り、本来はNO 8の徳永祥尭選手(東芝)がWTBを務めた。

 サンウルブズはラインアウトでも息が合わずに苦戦。前半9分にWTBジャック・マドックス選手、3分後には日本代表でNO 8を務めるアマナキ・レレイ・マフィ選手に連続トライを許してリードを許した。

 攻撃の形を作りたいサンウルブズだが全体にミスが多く、なかなか連係をとれない。それでも前半26分にはCTB中村亮土選手(サントリー)がPGで3点を返した。同35分にはWTBウィリアム・トゥポウ選手がハーウウェイライン付近で相手パスをインターセプト。そのままゴールまで走り抜け、中村選手のコンバージョンも決まって、同点に追いついた。

 ところが、後半に入るとレベルズが戦い方を変える。それまでの力で挑むプレーから、オーストラリア代表SHウィル・ゲニア選手がボールを裁いてパスを展開し、サンウルブズの不慣れなバックス陣の乱れを突いてチャンスを作る。

レベルズは後半開始早々にPGで均衡を破ると、後半5分にWTBセファナイア・ナイヴァル選手、後半8分と12分にはマドックス選手に立て続けに2本を決められ、マドックス選手はハットトリックをマークした。

 サンウルブズは相手ゴールラインに迫る場面も作ったが、最後にはミスが出てチャンスを活かすことができない。それでも後半30分過ぎから10分近く、相手ゴール前で攻め続け、36分にはレベルズFBデイン・ハイレットペティ選手のイエローカードを誘った。

 後半38分、サンウルブズNO 8エドワード・カーク選手(キャノン)がゴール前のスクラムからサイドを突いてインゴールに飛び込み、中村選手がコンバージョンを決めて7点を返した。

 しかし、終了間際にサンウルブズはレベルズにペナルティトライを許し、17-37で敗れた。レベルズは2連勝に加えて、3トライ以上でボーナスポイント1を手にした。

負傷者続出が響く

 今季からレベルズで指揮をとるデヴィッド・ヴェッセルズ監督は、「前半は予定と違う戦い方になったが、後半大きく変更して、よりフィジカルでダイレクトにプレーするようにした。勝利とボーナスポイントの獲得が大事だったが、最初の2試合で2ボーナスポイントを獲得できた」と満足そうに話した。

 一方、サンウルブズはプレシーズン、シーズン初戦と怪我人が続き、さらにこの日の試合で負傷者リストに数名が加わった。

「スーパーラグビーに怪我はつきものだが、最初の20分でキープレーヤーのバックス3人を怪我で失ったのは痛かった」とジョセフ監督。「他のチームは体を鍛えてスーパーラグビーのシーズンに臨んでいるが、我々は準備期間が短い。これからも怪我人は出るだろうが、毎週取り組むしかない」と話した。

SH流大選手(サントリー)はケガ人が続いたことで、「この1週間で準備してきたことと違うことをせざるを得なかった」と話し、負傷交代で前半20分から本職外のWTBでプレーした徳永選手は、異なるポジションでの起用に「戸惑いはあったが、やることはやった。もう一度、チームとしてやるべきことを見つめ直して取り組みたい」と話した。

 先週のスーパーラグビーのチーム・オブ・ザ・ウィークに当節最多の22タックルで選出されたFLピーター・ラピース・ラブスカフニ選手(クボタ)は、この日も奮闘。負傷交代が続いた状況にフィールドでは「お互いにやるべき仕事がクリアになるように、選手間で情報をできるだけ明確に伝えようとしていた」と語った。

元チーターズとブルズでもプレーしたラブスカフニ選手は、「慣れないポジションでみんな良くやったと思う。でも前半と後半の最初の20分で相手にチャンスを与えすぎた。しっかりこの試合を見直して、前向きに次へ向かって進みたい」と語った。

 サンウルブズは次節から南アフリカでの連戦となり、3月10日(土)にダーバンでシャークス、同18日(日)にヨハネスブルクでライオンズと対戦する。