15チームが既に出場権を獲得し、残るは5枠。これまでの12か月間における予選プロセスを地区ごとに振り返っていきます。

アフリカ

2018アフリカ・ゴールドカップの勝利チームがRWC2019の出場権を獲得します。アフリカ地区1としてプールBに進み、ニュージーランド、南アフリカ、イタリア、そして敗者復活戦勝者と対戦。

8月初頭にモナスチルで行われた対戦でチュニジアに破れ、2018年はセカンドティアのラグビー・アフリカシルバーカップへの格下げを運命づけられたセネガル。ここでRWC 2019 の予選プロセスからも脱落。

一方チュニジアは、アフリカ・ゴールドカップとして再編されてから2度目の優勝によって1位の座を維持、開幕まで2年を切った日本大会出場の夢はまだ終わっていません。

チュニジアはこの後、現在のゴールドカップチャンピオン、ナミビア、2017年ゴールドカップ2位以下のケニヤ、ウガンダ、ジンバブエと、新たにゴールドカップへ昇格を遂げたアフリカ・シルバーカップ優勝者モロッコと対戦、2018ゴールドカップの選手権とRWC 2019の出場権を争います。

予選敗退:セネガル

2018年の重要な日程:

6月16日~8月18日: アフリカ・ゴールドカップ2018

アメリカ大陸

ウルグアイとカナダは2018年の初頭に対戦、アメリカ地区2の枠を競います。敗者は世界敗者復活戦に挑みます。

アメリカはカナダを破り、USAラグビー史上初のアメリカ地区1枠を獲得。アメリカ地区1プレーオフ2試合総合80-44でカナダは初めてその座をアメリカに譲りました。

カナダは、前回のワールドカップ出場20チームのうち15チームの最上位チームとしてアメリカと対戦。初戦は28-28で引き分け。しかし、1週間後にサンディエゴで行われた対戦で、アメリカがキャプテン、トッド・クレバーにとって76回目にして最後のテストマッチを飾るに相応しい完璧ともいえるトライを決めました。前半は10点差でしたが、後半は、イーグルスの圧倒的な攻めで進んだ6分間に、3回のトライとコンバージョンを決めてカナダを引き離し、最終的に52-16で勝利。この勝利によって米国のRWC 2019出場が確定。プールCグループに進み、イングランド、フランス、アルゼンチン、トンガと対戦します。

カナダは、ホームアンドアウェイのプレーオフでウルグアイと対戦しRWC 2019 日本大会の出場権を決めるアメリカ地区2の枠を争います。ウルグアイは、南アメリカ・チャンピオンシップAで、パラグアイ、ブラジルそしてチリを破りここまで勝ち進んできました。2チームのうちウルグアイの方がランクが上であることから、2月3日に行われる2試合目では、ウルグアイがホームアドバンテージを享受することになります。この大戦の勝者がRWC 2019の出場権を獲得、プールDでオーストラリア、ウェールズ、ジョージア、フィジーと対戦します。

予選敗退:チリ、ブラジル、パラグアイ
出場決定:米国

2018年の重要な日程:

1月27日(土):カナダ   v  ウルグアイ
2月3日(土):ウルグアイ v  カナダ

アジア

アジア・ラグビーチャンピオンシップ2018の優勝者はタヒチと対戦し、RWC 2019日本大会出場権獲得20番目で最後のチームを決めるRWC 2019世界敗者復活戦トーナメントへの出場権を争います。

アジア・ラグビーチャンピオンシップ、ディビジョン1のタイトル戦ではマレーシアが22-9でスリランカを破り、アジアのトップ3に昇格、地区予選の最終段階で香港、韓国と対戦します。

マレーシアとスリランカは、初戦でフィリピンとアラブ首長国連邦にそれぞれ勝利し、イポーパダンで激しい戦いに挑みました。大会開催国のマレーシアより16ランク上位であるスリランカに期待が集まっていましたが、マレーシアが3人のプレーヤーをシンビンに失ったにも関わらず驚きの勝利を収めました。

予選敗退:スリランカ、フィリピン、アラブ首長国連邦

2018年の重要な日程:

4月~6月: アジア・ラグビーチャンピオンシップ
6月/7月: アジア/オセアニアでのプレーオフ

ヨーロッパ

ヨーロッパ地区1枠は、ジョージアを除く2018年ラグビー・ヨーロッパチャンピオンシップの最上位ランキングチームに与えられ、アイルランド、スコットランド、日本、そしてのプレーオフ勝者とともにプールAに入ります。2位チームはラグビー・ヨーロッパトロフィー優勝者ポルトガルとのプレーオフ戦に挑み、勝者は大陸間プレーオフ戦でサモアと対戦します。

2017年におけるRWC 2019予選で最も数多く戦いが繰り広げられたのがヨーロッパです。ラグビー・ヨーロッパのピラミッド構造の全レベルでの対戦結果が予選プロセスに集計されています。 

ヨーロッパ地区1として直接RWC 2019日本大会へ進めるポールポジションにいるのはルーマニア。初戦のドイツ戦での黒星から立ち直り、チャンピオン、ジョージアに8-7で勝利するなど、4連勝を飾りました。ザ・オークスは、ロシアに4点差で引き離している予選ライバルのスペインに2点差でリード。スペインはラグビー・ヨーロッパトロフィーチャンピオン、ポルトガルと対戦するイベリアダービープレーオフを目指します。 

オス・ロボスの2007年のRWCデビューから2度目のラグビーワールドカップ出場の夢は、リスボンで行われた2017年予選プロセスの決勝戦でチェコ共和国に45-12で勝利したことでまだ続いています。チェコ共和国は、勝者独り勝ちプレーオフでまずカンフェレンス1サウス勝者マルタを破り、続いて2ノース勝者ハンガリーを制してカンフェレンスノースのタイトルを勝ち取るところまで進みました。

予選敗退:チェコ共和国、マルタ、クロアチア、アンドラ、キプロス、リトアニア、ラトビア、スウェーデン、ルクセンブルク、ハンガリー、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、ボスニア及びヘルツェゴビナ、オーストリア、スロベニア、セルビア、トルコ

2018年の重要な日程:

2月10日~3月18日:ラグビー・ヨーロッパチャンピオンシップ
6月:オセアニア/ヨーロッパプレーオフ

オセアニア

オセアニア地区第1、第2の枠は、2016年、2017年ワールドラグビーパシフィック・ネーションズカップトップランキングに君臨したフィジー、トンガにそれぞれ決定、RWC 2019日本大会へ出場します。サモアとタヒチもまだワールドカップへの道は絶たれておらず、今後の奮闘が期待されます。

 フィジーはパシフィック・ネーションズカップの王座の地位を守り、オセアニア地区1代表としてRWC 2019の出場権を獲得、オーストラリア、ウェールズ、ジョージア、アメリカ地区2代表と対戦するプールDに入ります。2位のトンガは、オセアニア地区2代表としてプールCに入り、イングランド、フランス、アルゼンチン、アメリカと対戦します。

RWC 1987 、2007の準々決勝進出チーム、フィジーは再起を果たしたトンガを14-10という接戦の末に制し、日本大会へのチケットを手にしました。また、アピア・パークで行われた閉幕戦では、ヘンリー・セニロリのハットトリックによってサモアを38-16で堂々と破りました。先のトンガ戦で敗北を喫したサモアは、オセアニア地区第2代表になるため、この閉幕戦で挽回を図りたいところでしたが、残念ながら総合得点1点差で最下位を免れるという結果に終わりました。

サモアは、プールA出場権獲得のため、どのチームが来年のプレーオフの対戦相手となるか、ヨーロッパチームの行方を見守ることになります。サモアがこのプレーオフ戦で敗れた場合、2018年のラグビー・ヨーロッパチャンピオンシップで2位となったチーム(すでにRWC 2019出場権を獲得しているジョージアの除く)とポルトガルとの対戦での勝者と対戦し、世界敗者復活戦トーナメントに参加することになります。

タヒチは、オセアニア・ラグビーカップ2017でクック諸島を破って初優勝を果たし、RWC 2019予選プロセスの次の段階に進みました。ララトンガで収めた13-9の勝利で、タヒチはアジア・ラグビーチャンピオンシップ2018のトップ3チャンピオンとホームアンドアウェー・プレーオフで対戦。勝者が世界敗者復活戦トーナメントに進む4チームのうちのひとつとなります。

予選敗退:クック諸島 
出場決定 :フィジー、トンガ

2018年の重要な日程:

6月:オセアニア/ヨーロッパでのプレーオフ
6月/7月:アジア/オセアニアでのプレーオフ

RWC 2019予選プロセスに関する更なる情報は rugbyworldcup.com/qualifying