各賞に先立って最初に発表となったのは、ワールドラグビー年間最優秀ブレークスルー選手賞です。他の各賞もこれからの数週間で順次発表になります。

この名誉ある賞の候補者は3人。アルゼンチン代表WTBのEmiliano Boffelli選手、ニュージーランド代表WTBのRieko Ioane選手, フランス代表CTBのDamian Penaud選手です。昨年の同賞にはイングランド代表第2列のMaro Itoje選手が選ばれ、2015年はニュージーランド代表のNehe Milner-Skudder選手が獲得しました。

この賞の対象には、シニアレベルの国際経験が1年以下であることが条件で、候補者選考メンバーには元代表選手のFelipe Contepomi氏やMelodie Robinson氏らが名を連ねています。

ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は、次のように話しています。

ワールドラグビー2017ブレークスルー選手賞候補者
3選手がワールドラグビー2017ブレークスルー選手賞の候補に入りました。


「ワールドラグビー・アウォーズは、世界の素晴らしい選手、コーチ、チームをはじめ、競技へ多大な貢献をした人々を称えて、ラグビー界における優秀さを祝うものです。前年は15人制、7人制ともに男女で最高のチームによる素晴らしいパフォーマンスが生れたので、2017年の各賞の投票も、かなり接戦で厳しい戦いになると期待しています。

ブレークスルー選手部門は、いつも興味深いものです。というのも、若手のタレントがどんなものか、将来大物になる可能性のある選手は誰か、試写会のように先に見る機会を与えてくれます。そのショートリストに名前が載るだけでも、すでに素晴らしい業績です。この3人の選手には、候補というこの段階に加わっていることを誇りに思うべきでしょう。」

ワールドラグビーのブレークスルー選手賞投票メンバーであるFelipe Contepomi氏は、次のように話しています。

「この部門は今年かなり高いレベルの競争になっていて、この3人に絞るのは極めてタフな選考でした。この1年、素晴らしいクオリティを持った新たな国際レベルの選手が多く出現しており、そのすべての選手たちがラグビーワールドカップ2019日本大会でプレーするところを是非見たいと、我々は望んでいます。候補選手には『よくやったね、おめでとう』と言いたいですし、各地にいる若手選手たちには『ハードワークを続けて』と伝えたいと思います。」
この賞はアウォーズ全12部門のうちの1つで、このほかに、ワールドラグビー男女年間最優秀選手賞、ワールドラグビー年間最優秀チーム賞、ワールドラグビー男女セブンズ年間最優秀選手賞やキャラクター賞などがあります。

Emiliano Boffelli (アルゼンチン)
Boffelli選手はアルゼンチンのユース育成システムの申し子で、U18、U19、U20の各代表でプレー。その後、膝の負傷で復帰不明かと懸念されたものの、以前にも増した強さと素早さを身に着けて復帰すると、今年フル代表でデビューした。バックスの全ポジションをこなせる多様性を擁した天性のフットボーラーは、代表WTBとして力量を発揮。空中戦に強く堅守で、ロングレンジのゴールキックを決める力を備え、この22歳の選手はアルゼンチン代表にとって素晴らしい逸材であり、彼の将来は明るい。

Rieko Ioane (ニュージーランド)
現在20歳のWTBは、昨年11月のニュージーランド代表デビュー戦となったイタリア戦でトライをマークしたが、彼がその力量を表したのは2017年に入ってから。テストマッチで多く先発し8本のトライを決めた。初先発となったイーデンパークでのブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦で2本決め、8月、自身初のブレディスローカップの試合で再び2本決めた。速さと強さを秘め、ラグビーチャンピオンシップではほとんどの守備陣を抜き去り、大会最多のクリーンブレークを見せて5本のトライを決め、大会のトライ王の一人に輝いた。

Damian Penaud(フランス)
元フランス代表Alain Penaudの息子で、現在21歳のDamianは期待の選手として長年、噂に上っていた。2015年以降、Clermont とフランスU20代表で素晴らしいパフォーマンスを重ね、今年6月の南アフリカ戦でテストマッチデビューを果たした。そこでトライ1本を決めてフランスのダーバンでの37-15の勝利に貢献すると、瞬く間にGuy Novesヘッドコーチの信頼を獲得。速さと素晴らしいステップワーク、ギャップを突く視野の広さ、自信に満ちたプレーは非常に高いレベルにある。