プール戦の再現となったカップ戦ファイナル。初日に勝利を収めたスコットランドが苦戦を強いられる展開が続く。両チーム譲らぬ展開のなか、ディフェンスをかいくぐった南アフリカが先制トライをきめ5点を奪い、さらに10点差をつけて前半を折り返す。スコットランドも後半に入り反撃トライを決めるが、スペックマン選手の俊足を活かした攻撃から追加点を奪った南アフリカがそのまま逃げ切りパリ大会での優勝を果たした。南アフリカは、最終戦であるロンドン大会を前に、すでに今季シリーズ王者の座も確実なものにしており、シーズンを通して圧倒的な強さを見せつける形となった。また、南アフリカを率いるポーウェル監督は選手時代にもシリーズ王者となった経験があり、選手としても指導者としても頂点を極めた史上初の人物として歴史に名を残した。

スコットランドに敗れシリーズチャンピオンの座を逃したイングランドは3位決定戦でニュージーランドと対戦する。互いに堅いディフェンスで相手の攻撃を封じ込め、スコアレスのまま試合が進む。前半のファイナルプレイでトライを奪ったイングランドが5点リードでハーフタイムへ。しかし、このわずかな点差をオールブラックスがすぐに逆転する。正確かつ巧みなパス回しでノートン選手のトライを演出しようとするイングランドに追加点を許さなかったニュージーランドがこのまま逃げ切り、12−5で勝利し銅メダルを獲得した。

サモアの躍進によりまさかのカップ戦進出を逃したオーストラリアがチャレンジトロフィー決勝へと駒を進め、アルゼンチンと対戦した。対日本戦でも苦戦したワラビーズは、アルゼンチンからもなかなか得点が奪えない、気づけば21−0という厳しい展開に。2トライを挙げたオーストラリアに対し、5人の選手がトライを決め選手層の厚さを見せつけたアルゼンチンが33−12で勝利しチャレンジトロフィーと獲得した。

日本はチャレンジトロフィー準々決勝でオーストラリアに善戦するもあと一歩及ばず準決勝進出を逃した。その後の試合でスペインに快勝したことで13位決定戦に進むことができた。ロシアとの13位決定戦では先制トライこそ許してしまうも、次々とトライを決めた日本は19−10でロシアに快勝し、13位でパリ大会を終えた。

DHLインパクトプレイヤーランキングでは、大会2日目に入り、シオシファ・リサラ選手がどんどん順位をあげ、初日から首位に君臨していたウェールズのクロス選手を捉える。最終順位では、リサラ選手がトップに輝くだけでなく、坂井克行選手も3位にランクイン。さらには、今大会を通じて、リサラ選手が最多キャリー数、坂井選手が最多タックル数を記録し、日本チームの個人スキルの高さを印象付けた。

今季ラストの大会となるロンドンラウンドでは、ニュージーランド、フィジー、カナダと同組に。日本代表の活躍に期待がかかる。