5月10日に京都迎賓館で行われた2019年日本大会のプールステージの組み合わせ抽選結果により、開催国日本はアイルランド、スコットランド、ヨーロッパ予選勝者、プレーオフ勝者と対戦することになり、さらに他のプールでも非常におもしろそうな対戦が実現することになりました。

抽選会には安部晋三首相もゲストとして出席し、他の著名なゲスト陣と共にドロワーとして抽選を行いましたが、首相の出席はこの大会の日本にとっての重要性を示しています。

安部首相は抽選会でのスピーチで、日本が世界を迎える用意があることを宣言して、次のように述べました。

「2019年大会は初めてのアジアでの開催となります。今回の開催を機にラグビーワールドカップのホスト国として、世界人口の半分を占めるアジアにラグビーの魅力を広めていきたいと考えています。

「選手の皆様に最高のコンディションを提供することを改めてお約束します。そして、感動の中で世界中の人々の記憶に残るような大会としたい。日本国民が一丸となって、最高のおもてなしで皆様をお迎えしたいと思います。

「今回の開催地の中には、釜石や熊本という被災地が含まれています。超一流の選手たちの活躍を目の当たりにできる、その感動は被災地の子供たちの成長につながり、さらなる復興の大きな力になるものと確信をしています」。

ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は次のようにコメントしました。

「これで注目は、ここ日本で素晴らしいものになると期待されている大会に集まります。今回の抽選で素晴らしい対戦カードが組まれることになり、我々が何年もこの大会に待ち望んできた興奮と熱情をもたらしてくれることは間違いありません。

「安部首相には、大会の重要な節目となる今回のイベントにご出席いただいき、また、2019年大会を日本のみなさんとアジア全土にとって特別な機会にするためのご支援とコミットメントを改めてお約束いただき、感謝を申し上げます」。

組み合わせ結果

プールA:アイルランド、スコットランド、日本、ヨーロッパ1、プレーオフ勝者

プールB:ニュージーランド、南アフリカ、イタリア、アフリカ1、敗者復活戦勝者

プールC:イングランド、フランス、アルゼンチン、アメリカズ1、オセアニア2

プールD:オーストラリア、ウェールズ、ジョージア、オセアニア1、アメリカズ2

 日本は大会をこれまでにない素晴らしいものすることで人々の感動を呼ぶものにしたいと望んでいますが、その期待感や予兆は今回の抽選会ですでに見られました。出場を決めている12チームのヘッドコーチやチーム代表者、開催都市などの関係者が集まった抽選会会場からは、組み合わせが進むにつれて息をのむ声やどよめきが漏れていました。

 日本は、2015年イングランド大会で南アフリカを破って世界中をあっと言わせましたが、今度は自国の地で厳しい任務に臨むことになります。ジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチは、2年後の大会で過去最高のパフォーマンスを披露できると自信を見せています。

 「どのプールでの組み合わせになっても、我々にとっては大きなチャレンジになることに変わりはありませんでした。今、こうして組み合わせが決まって、プランニングを始めることができますし、大会をとても楽しみにしています。我々にとって幸運なのは、アイルランドとは6月に対戦が決まっていて、我々の選手が相手を理解できる機会があることです。日本はこれまでにアイルランドとスコットランドには勝てていないので、大きな挑戦になるとは分かっています。ですが、まだ時間があって2年の猶予があります。どのチームも台頭しそうな若手を育てているところでしょうから、非常におもしろくなると思います」。

 世界王者のニュージーランドは南アフリカと初のプールでの対戦で、注目すべき組み合わせです。プールAのアイルランドとスコットランドは、ワールドカップでの対戦は1991年大会以来初めてです。1991年と1999年の2大会で優勝しているオーストラリアと同組のウェールズは、ジョージアとは初顔合わせになります。また、前回大会を開催したイングランドはフランスとアルゼンチンと同組で、お互いに最も厳しいプールになったと感じているかもしれません。

 準々決勝では、プールA勝者はプールB 2位チーム、プールB勝者がプールA 2位チーム、プールC勝者はプールD 2位、プールD勝者がプールC 2位と対戦します。

安部首相の他にプール組み合わせ抽選実施に登壇したゲストの顔ぶれは、ラグビー殿堂入りをしているワールドラグビーのボーモント会長、ニュージーランド代表のスティーブ・ハンセン監督、日本が世界に誇るレスリングの五輪メダリストの吉田沙織さん、決勝戦開会地の自治体から林文子横浜市長、日本ラグビー界のレジェンドであり世界ラグビー殿堂入りの坂田好弘さんでした。さらに、開催都市自治体協議会、出場が決まっている12チームのヘッドコーチやチーム関係者の方々が抽選会を見守りました。

ボーモント会長は次のようにコメントしています。「世界中の人々がテレビやソーシャルメディアなどで見守る中、今回行われた抽選会によって大会は選手やファンにとってより現実のものになりました。大会へ向けてのこれからの2年間、オンラインやクラブハウスやメディアではプール戦組み合わせが話題の的になることでしょう」。

抽選結果を基にマッチスケジュールの制作作業が行われますが、日本国内と世界中からより多くのファンが観戦できるようにするために、ビッグゲームは大きな会場での開催になります。大会試合日程は、開幕2年前にあたる今年9月に発表の予定です。

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 本大会2年前にプール組み合わせを決定することで、大会組織委員会は各方面の関係者とマッチスケジュールについての協議ができるようになり、各チームは本大会へ向けて計画的に準備を進める十分な時間を持てるようになります。

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 2015年イングランド大会の成功を基に、日本は2019年大会でスポーツを通して友情を築くことで一つの国と世界を繋ぐ特別な大会にすることを目指しており、12の開催都市と全国各地に広がるチームキャンプ地が活動の中心になります。

 2019年ラグビーワールドカップはこの10年余りの間に日本で開催されるスポーツイベントでは最大級です。各開催都市から約1時間以内に人口の75%が居住するという環境で、誰もが世界で最も人気のあるスポーツ大会の一つを経験する機会に恵まれています。

 大会組織委員会と日本ラグビー協会では大会開催で日本の競技者とファンの拡大を期待していますが、昨年9月に始まったチケット情報の事前案内にアクセスできる「サポーターズクラブ」には6万人以上のファンが登録しています。

 ラグビー参加者がアジアで記録的な伸びを見せている中、日本ラグビー協会とアジアラグビー連盟、そしてワールドラグビーは、「IMPACT Beyond 」プログラムを今月立ちあげて、世界で最も人口の多いアジアで新たに百万人の選手の獲得を目指します。